日経記事;"1人でもメーカー 下がる起業のハードル"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"1人でもメーカー 下がる起業のハードル"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月8日付の日経新聞に、『変貌製造企業(下)1人でもメーカー 下がる起業のハードル』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『今春、池袋パルコ(東京・豊島)のショーウインドーで動くマネキンが注目を集めた。手掛けたのは従業員が社長を含めて3人の杉浦機械設計事務所(横浜市)。3次元(3D)プリンターで腕や肘を製作し、モーターで動く仕組みにした。

杉浦機械設計事務所はマネキンの腕を3Dプリンターで製作。

杉浦富夫社長は「3Dプリンターの価格が下がり、買いやすくなった」と話す。思いついたアイデアをすぐに試せる。マネキン部品の製作期間は1カ月。通常の3分の1以下だ。他百貨店から引き合いもある。

精密機械産業の集積地、長野県伊那市にあるスワニーは3Dプリンターで復活した。モーター部品などを手掛け、最盛期に60人の従業員がいたが、取引先の海外移転で橋爪良博社長が家業を継いだ2010年は両親2人だけ。「このままでは生き残れない」と設計会社への転換を決意。優秀な設計者を採用、現在は13人まで増やした。

スワニーは今、医療や家電などの大手が頼る「駆け込み寺」として知られる。図面がない顧客のアイデアでもすぐにデータ化し、3Dプリンターを使って最短1日で試作品をつくれるからだ。

製造業はインターネット関連と異なり起業が難しかった。生産は外部委託できるが、製品化には試作の金型などに初期投資として数千万円単位の資金が必要。3Dプリンターの低価格化などで資本力という高いハードルが下がり、極端に言えば1人でもメーカーになれる時代が訪れつつある。

「新産業革命」――。米誌「ワイアード」編集長のクリス・アンダーソン氏は近著「メイカーズ」で、こうした変化のうねりをこう表現した。「誰でも(製品を)デザインし生産できるようになった」という。

米オバマ政権も製造業復興のために3D関連技術を支援。米マサチューセッツ工科大学(MIT)も個人が3Dプリンターなどを安いコストで使える市民工房「ファブラボ」を提唱、普及を後押ししてきた。現在は世界35カ国に広がる。

日本でも今月、東京・渋谷に3カ所目がオープンした。ファブラボ渋谷の梅沢陽明代表は建機大手の元設計技術者だ。「作りたいものを作れる場を提供したい」。若者などの利用を見込む。

試作2万円以下

個人から3Dプリンターで試作などを請け負う「出力サービス会社」も増えている。

金型製造のインクス(東京・千代田、古河建規社長)もその一つ。同社は「金型の無人工場」を建設するなど積極経営で知られたが、08年秋のリーマン・ショック後に受注が低迷、民事再生法の適用を申請した。

出力サービスでは試作部品を2万円以下で提供、個人顧客を開拓する。約800人の技術者を抱え、うまく加工できないデータの修正も助言する。

米ストラタシスの3Dプリンターを販売する丸紅情報システムズも11年11月から、樹脂部品の受託製造サービスを始めた。ベンチャーを含めて「3Dプリンターを試してみたい」との声が多いからだ。「開始後、半年間だけで100件以上の受注があった」という。

日本の製造業にとって強さの源泉は優れた中小企業の集積にあった。3Dプリンターなど革新技術を活用、ものづくり分野の有力ベンチャーが相次いで誕生すれば、日本の競争力が再び高まることになる。』

本日の記事にありますように、3Dプリンターが最近注目されています。このプリンターの特徴は、3次元データをもとに、短時間に立体の模型を作り出せることです。

成形対象は、主に樹脂品で加工のしやすい材料となります。

3Dプリンターが注目されますのは、一般的にハードウエアの製品化には試作用金型などへの初期投資が数千万円単位のお金が必要となり、中小企業にとって新規に金型を起こすことは極めて難しくなっていました。

従って、金型ではなく加工作業で試作品を作ることが多く、開発・製品化の観点から中小企業にとって試作品を自由に作る視点からはハードルが高いことの一つでした。

金型製作が必要な分野に変革をもたらしつつあるのが、3Dプリンターです。この技術はITやデジタル技術を得意とする米国企業から生まれました。

現在、ストラタシス、3Dシステムズの米国勢と、イスラエルのオブジェクトが主要メーカーです。
国内勢では、キーエンスやシ―メットの企業があります。

キーエンスは、積極的に3Dプリンターを開発しつつあり、注目されています。

3Dプリンターが特に注目され始めたのは、ストラタシスが128万円の低価格小型機を発売したことが主なきっかけになりました。

それまでは、3Dプリンターの価格は1000万円から数千万円の高額製品が主流だったからです。これでも、新規に金型を起こすより安く済む場合があり、3Dプリンターの需要は増えていました。

更に、100万円台の3Dプリンターの登場は、一気にベンチャークラスの企業に当該プリンターの普及を促しています。

金型を起こさずに、様々な形状の試作品や試作部品を作れるメリットは大きく、特にベンチャー・中小企業にとって開発投資金額と開発期間の大幅な削減・短縮につながっています。

最近、国内中小企業は、差別化・差異化を可能にするために、企画、開発、製造、販売などの各分野ごとに専門化・特化した中小企業が多くなっており、1社で垂直統合型の事業展開するより水平分業型の事業構造化が顕著になっています。

3Dプリンターは、この分業化・専業化を更に推し進め、様々な部品や製品のアイデアを持つ開発専業型のベンチャーや中小企業が生まれやすい土壌になっており、記事にありますような少人数の企業が生まれています。

ベンチャーや中小企業の特徴の一つに決定と行動の早さがあります。思いついたら、パソコンと専用ツールで3次元の設計データを作成し、3Dプリンターで自社内か外注に出して、低コスト・短期間で試作品を作れます。

ITを活用することで、国内どこでも3Dプリンターを持つ専業メーカーに試作品の開発依頼を出せますし、開発に要するコミュニケーションも電子メールやSkypeなどで低コストで行えます。

3次元データは、クラウドを活用すれば自社内にサーバーを持つ必要は無くなります。

特長ある部品や製品企画のアイデアがあれば、ベンチャーや中小企業にとって新規事業立ち上げ出来る可能性が高まりますので、3Dプリンターを積極的に活用すべきですし、更に普及するとみます。

一方、3Dプリンターは、国内製造業の得意分野の一つである金型事業に影響を与えます。金型に対する樹脂素材の試作品受注は減るでしょう。

また、アジアや欧米製造企業も3Dプリンターを使うことで国内企業と同じような開発製造能力を持つ可能性は高くなります。

IT化やデジタル化は、誰にも止めることは出来ず、技術や資金面のハードルが低くなることは必然のことです。

国内製造企業は、今後も発展を続ける3Dプリンターなどを使いこなして、商品力などを向上させて差別化・差異化を維持強化していく努力がより一層求められます。

有力なベンチャーや中小企業が数多く登場し、中堅・大手と協業して多くの新規事業立ち上げを行うことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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