目から鱗・・? - 住宅設計・構造全般 - 専門家プロファイル

杉浦 繁
Atelier繁建築設計事務所 代表
愛知県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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目から鱗・・?

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それでいいのか福祉住宅?・・3





最初に倒れて社会復帰した頃の父は杖を使ってよっこいしょと時速0.1kmくらいでしか歩くことの出来ない状態でした。


そのころの家は玄関も和室もトイレも浴室も段差まるけだったのです。




家に戻ってしばらくして、ようやく介護認定が済んで、介護保険を使って改修をしようかいうことになります。


しかし・・


バリアフリーなど必要ないと本人や母が言うのです。





よちよちでも杖をついて歩ける人の場合・・


玄関などは一度段差に座ってしまった方が降りやすいし上がりやすいし靴を履きやすいらしいのです。


かえってスロープなどはまっすぐに立てず倒れてしまって危ない。


そこに手摺りをつけておいて、よっこらしょっと上に上がります。




いちいちそんなことさせて、かわいそう・・?


言う人は皆、そう言います。


いえいえ、出来る人はやらなければならない。


そうしないと出来なくなってしまいます。





トイレも浴室も和室も段差があることがわかっていれば問題ない。


それよりも掴める手摺りが欲しいと・・







車椅子生活になってからも玄関には可動式のスロープを置いておいて邪魔なときは片付けてしまう方がよいようです。


固定してしまうと、たいして広くもない玄関が全てスロープになってしまって他の人が靴を置く場所もありません。


浴室などはバリアフリーにしましたが、和室などは数cm~15cmくらいの段差なら車椅子の下に足をかけてひょいと簡単に行ってしまいます。






バリアフリーが当たり前と思っていた私や当時のケアマネには目から鱗でした。


だって、そうやって暮らしてきたしそうやって暮らしていてその方が過ごしやすいらしい。



何でもかんでもバリアフリーにすればいい!


ということではないらしい。






もちろん、介護者がより高齢な方だったりする場合は違ってくるでしょう。


本人が車椅子で自走する方であれば絶対に段差はなくさなければならないでしょう。


ショートステイやデイサービスなどを多用して毎日外に出かけることの多い方であればほかは不要でも玄関だけは段差にしない方がよいでしょう。





状況によるのです。


その人本人の状態とその介護者や家族の。




それを見極めることが重要です。





もともとそこに住んでいらっしゃる障害者や高齢者の方のお宅を改修する場合はよくよく生活の仕方や要望などを聞くことですむのですが・・


今、障害者や高齢者の方が退院してこられたり戻ってこられたりする場合はご本人にも状況がわかりません。


やったことがないのですから。


そうなると・・


福祉住環境コ-ディネーターさんやケアマネさんの経験にかかってくるところが大きくなるようです。





少なくとも、少し暮らしてみてから改修した方が良いのかもしれません。






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