日経記事;"CATV大手のJCOM、電力販売 東電の1割安"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"CATV大手のJCOM、電力販売 東電の1割安"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月6日付の日経新聞に、 『CATV大手のJCOM、電力販売 東電の1割安 マンション向け、放送・通信とセットで』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)は電力小売りに参入する。新電力(特定規模電気事業者)と組み、年内にマンション向けに販売を始める。

放送、通信とセットで提供し、電気料金を電力会社より最大1割安くする。受信契約などで家庭と接点を持つ同社の参入で、消費者が容易に電力の購入先を選べるようになり、電力小売り分野の競争が加速する可能性がある。

電力小売りは契約電力50キロワット以上のビル、工場などが対象で、新電力は各家庭に電力を直接供給できない。

JCOMはマンション向けに新電力からまとまった量の電力を安く仕入れ、各戸に小分けすることで柔軟な料金設定を可能にする。

電気料金を巡っては燃料費の増大で東京電力が9月に家庭向け料金を引き上げた。関西電力や九州電力なども値上げ方針を表明しており、割安な電気を求める消費者の声が高まっている。

JCOMは各戸の電気料金を東電より7%程度低く抑える。放送・通信サービスとセットで契約すればさらに引き下げ、10%程度安くする。電力を含むこれらの家庭の基盤サービスを一括提供するのは同社が初めて。

同社のCATVに加入するマンション単位で電力供給契約を結ぶ。住友商事の新電力子会社、サミットエナジー(東京・中央)からまとめて電力を購入したうえで戸別に配電する。配電に必要な電気設備の設置や保守はJCOMが担う。

年内に東京都杉並区のマンションでサービスを始める。来年以降、北海道や九州などに広げ、1年以内に1万世帯への売電を狙う。マンションの管理組合などに電力大手からの乗り換えを促す。

サミットエナジーは火力など自前電源を持ち、自家発電設備を持つ企業などからも安く電力を調達している。JCOMは電力を安定確保できると判断した。

JCOMは有料多チャンネル放送やインターネット接続、固定電話などのサービスを提供し、約370万世帯が加入している。

今回の電力小売りの対象になる50戸規模以上のマンションは約2万7000棟(約314万世帯)。来秋にはCATV2位のジャパンケーブルネット(JCN、同・中央)と統合し、新会社の加入数は500万世帯近くに拡大する。

放送・通信分野ではNTTグループが光回線を使った動画配信、インターネットサービスなどで攻勢をかけている。

JCOMは電力もセットにし、顧客獲得競争で優位に立つ。NTTファシリティーズも新電力と組んでマンション向けの電力供給を手がけているが、放送・通信サービスと一体提供はしていない。』


本日の記事は、電力小売り事業への新規参入に関することについて書いています。電力小売りは、条件があり、契約電力が50キロワット以上のビルや工場が対象となります。

つまり、現時点では各家庭向けの電力個別販売は出来ません。これらの制約条件などもありまして、2011年度のシェアは全体の3.5%程度とのこと。

これは、電力小売り事業者の事業インフラ(電力供給力や営業体制など)が大手電力会社に比べて貧弱であることも影響しています。

昨年の大震災以降、政府の電力事業自由化の動きが広がっていますが、現時点では自由化されている事業の大きさは広がりを見せていません。

このような事業環境下、JCOMは新しいビジネスモデルをベースに、電力事業に参入しようとしています。

JCOMは、国内最大手のCATV事業者であり、2013年には業界2位のJCNと経営統合して、新会社の加入数は500万世帯になるとのこと。

このプラットフォームを生かして、マンション単位での電力供給契約を結んで新事業分野へ参入しようとしています。

JCOMとマンション単位でCATV契約を結んでいる場合、各家庭はJCOMから供給される電気代は現状に比べて7%程度安くなるとされています。

更に、CATV網の強化を図るため、電力供給とCATV網を使った放送・通信サービスとセットで契約すると、顧客には10%程度安くするとのこと。

JCOMは、サミットエナジーから一括に受電し、電力調達コストを下げます。サミットエナジーは、自前の発電設備と関連企業からの余剰電力の調達力があり、東電などと比べて安価に発電出来るとのこと。

今回のビジネスモデルは、CATVと小売発電業者が立ち上げた新規事業であり、顧客・発電事業者・売電事業者の3者にとって「Win/Win/Win」の関係が成り立つものになります。

JCOMは、より安い電力料金メニューを用意することで、CATV経由での放送・通信サービス事業の強化を図れます。

CATV事業者は、NTTの光回線による動画配信事業と自社の放送・通信サービス供給事業との間で激しい競争を行っています。

JCOMのやり方は、上記の通り放送・通信サービスの事業基盤を強化する目的でもあります。

NTTも電力小売り事業者と組んで事業しており、今後巻き返し策を出してくる可能性があります。

このような自由競争は、電力事業の活性化につながって、電力料金の値下げに拍車がかかることを期待しますし、そうなるとみます。

現在の大手電力会社が設定しています電気代の根拠が不明確であることから、上記のような自由競争によって電気代の低減化が進めば、おのずと経済合理性が働くとみているためです。

現に、企業や自冶体の中には大手電力会社の電気代値上げに対応して、電力の購入先を電力小売り事業者に切り替える動きが増えています。

CATV事業者やNTTなどの新規参入者に期待しますのは、自前のインターネット回線を積極的に活用して、スマートグリッドのようなITツールで顧客の節電(省エネ)効果を最大化するサービスの提供です。

東芝やパナソニックなどの電機メーカーは、スマートメーターなどの装置を開発・商品化しようとしています。

これらのメーカーと組んで、工場や商業施設、ビル、マンションなどに節電システムを売り込むことを大いに期待します。

電力小売り事業者が、売電と共に節電システムを総合的に顧客に提案・販売することで、大手電力会社も積極的に動くようになるとみます。

各社間での競争により、経済合理性を持ったビジネスモデルが生き残るようになります。結果として、国内企業の発電、送電、売電、節電の各分野での競争力の向上も期待できます。

各企業の自由競争から、国内で限りある電力を合理的に使いながら、トータルコストを下げる効果を生むと共に、可能にする技術やノウハウを海外市場の開拓に活用できます。

電力小売り事業者の今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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