- 橘 凛保
- 社団法人橘流恕学アカデミー 理事長 講師
- 東京都
- マナー講師
昨日は「十日夜(とおかんや)」でした
31日は、ハロウィンでしたね。
初めて、「ハロウィンパーティー」に参加したのは、ハワイの公園でした。
もう25年も前の事
夕方、暗くなってくると、それぞれが思い思いの格好で公園に集まってくるのです。
フランケンシュタインやドラキュラ、魔女、ノートルダムのせむし男・・・・
リンカーンの顔の部分をすっぽり被ったドル札の変装もありました。
暗い公園ですから、やはり少し不気味でした。
こちらはミニーマウス。
「Trick or Treat !」
「お菓子をくれないと脅かしちゃうぞ〜」と言っても
少しも怖く無いですね。
まだその頃は,日本では、今のようにハロウィンは知られていませんでした。
東京に帰って、まねごとをしたら皆さん「しら〜」と言う感じでした。
ハロウィンはヨーロッパの収穫祭です。
もともとは、キルト人の収穫祭を取り入れたお祭りです。
今では日本でも、ハロウィンはすっかり定着した年中行事になりましたね。
しかし、日本にもハロウィンと似ている風習があるのをご存知ですか?
「十日夜(とおかんや)」と言います。
いずれも収穫に関わる行事です。
お米の収穫を終えて、いよいよ農閑期に入るころ。
今まで田にいらした神様が山におかえりになるという大切な行事です。
「案山子あげ」と言って、田んぼを守ってくれていた案山子さんを
田んぼから上げてくる日なのであります。
収穫に感謝し、守って頂いた「田の神様」や「案山子」を敬い、
「どうぞお休み下さい」という行事です。
この日、子どもたちはわら藁筒で地面をたたきながら
「♬とおかんや とおかんや いねころぼたもち 生でもいいからもってこい!」(戸田)
と歌って、夜を待って外を回りながら
お餅をもらって歩く風習があります。
今ではあまり見られなくなりましたが、
子どもたちには、とても楽しみな行事だったようです。
昨年、長野県須坂に行きましたときに
まなさまにお聞きしたら
「子どもの頃はあったな〜。」
というお話を聞きました。
かけ声は やはり少し違うようでした。
須坂の景色を見ていると
ふっと、子どもたちが藁筒たたいてまわっている様子が浮かんできます。
因みに「十日夜」は関東以北での呼び方。
西では「猪子祭」とよばれます。
旧暦10月の亥の日におこなわれ、この日に頂くお餅を「亥の子餅」といいます。
お茶の世界では、猪の子祭の頃に「開炉」「炉開き」と言って、
寒くなる冬にお客様を暖かく迎える工夫の現れとして、
炉を開けて釜をかけます。
すなわち、火をお客様の方へ寄せて
あたたかくして差し上げる工夫です。
まさに「恕」ですね。
写真は、亥の子餅とお抹茶です。
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