日経記事;"パナソニック7650億円赤字規模より採算めざす"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"パナソニック7650億円赤字規模より採算めざす"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月1日付の日経新聞に、『パナソニック7650億円赤字規模より採算めざす 今期も大幅損失、63年ぶり無配』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『パナソニックは31日、2013年3月期の連結最終損益(米国会計基準)の見通しを500億円の黒字から7650億円の赤字に引き下げると発表した。

携帯電話や電池などの事業縮小に伴う損失が膨らむ。7721億円の赤字だった前期に続く大幅赤字で、年間配当も1950年5月期以来63年ぶりにゼロ(前期は10円)とする。事業規模の追求から採算重視路線に転換、収益立て直しを急ぐ。

製造業の通期の最終赤字額としては、09年3月期の日立製作所(7873億円)や、前期のパナソニックに続く規模。記者会見した津賀一宏社長は「価格が下落した世界で売上高を追求すると収益をより悪化させる」との認識を示した上で「収益優先に転換し、価値観を変えたい」と話した。

収益立て直しへ13年4月に白物家電や自動車・産業用機器など4カンパニーに組織を再編する。採算重視の姿勢を一段と強めて事業分野を絞り込み、15年度に全事業部門で営業利益率を5%以上に引き上げる方針だ。

不振だったスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などの携帯電話事業で、今春に再参入した欧州から12年度内に撤退することも正式表明。苦戦する民生用リチウムイオン電池や太陽電池でも拠点を再編する。業績悪化の責任を取り、役員報酬を一部返上する。

今期の本業のもうけを示す営業利益は1400億円の黒字を確保する。一方、携帯電話やリチウムイオン電池、太陽電池の事業縮小で、買収先の純資産と買収額の差額である「のれん」と呼ぶ資産の減損など構造改革費を4400億円計上。

業績の不透明感が強まったことから将来の税負担軽減を見込んで計上していた繰り延べ税金資産も4125億円取り崩す。これらが計8000億円を超す減益要因となる。

背景にあるのは、M&A(合併・買収)戦略の狂いだ。電池事業をテコにした成長戦略を描き、8000億円を投じて三洋電機を買収したが、事業環境が大きく変わり、結果的に前期と合わせて総額5000億円の減損損失の計上を迫られた。

携帯電話事業ではスマホの展開で遅れ、かつてシェア首位を誇った国内市場でも米アップルのスマホなどに大きく水をあけられている。今年再参入した欧州市場でも販売は振るわなかった。パソコンや携帯電話に組み込む民生用リチウムイオン電池事業は価格と需要の両面で厳しさを増す。

今期の売上高は前期比7%減の7兆3000億円と従来予想を8000億円下回る。国内では昨年の地上デジタル放送移行時の需要増の反動で、テレビやブルーレイ・ディスク(BD)録画機の販売が急減。中国市場でも白物家電が伸び悩む。

同日発表した12年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比9%減の3兆6381億円、最終損益が6851億円の赤字(前年同期は1361億円の赤字)だった。リストラ効果で営業利益は873億円と84%増え、携帯電話を除く全事業部門で営業黒字だった。

証券取引所を経由せず株式を売買する私設取引システムの市場では31日夜、パナソニックの株価が400円台前半と、日中の東京市場の終値(514円)から1割強下げる場面があった。』


今回、パナソニックの決算結果について大きな注目が集まったのは、2013年3月期の連結最終損益が、前期の7721億円の赤字とほぼ同金額の7650億円の赤字になることです。

前回の赤字決算発表で、パナソニックは集中と選択を徹底的に行って新規成長分野に経営資源を集中して、赤字体質からの脱却を目指すとしていました。

今回の決算結果は、集中と選択がまだ完了していなかったことを意味しており、その部分に関心が集まりました。

今回の赤字処理で、不採算事業の見直しが進み、来季以降の経営を足を引っ張る状況ではなくなるとみられています。

しかし、株式市場関係者などからの情報をみますと、多くの人がパナソニックの経営判断に疑問を持っています。

今回の処理で「のれんや無形資産などの過剰感は解消する」見通しで、来期以降は最終損益の大幅な改善が期待できるという、見方は支持されているようです。

ポイントは、新成長事業の青写真をどれだけ具体的に描けるかにかかっています。今までのパナソニックの各種発表内容をみていますと、家庭やオフィス用とのエネルギーシステム関連事業や白物家電に経営資源を集中して、勝ち組になることを目指すとしています。

この観点からみますと、パナソニックは、総合家電メーカーとしての看板を下ろして、上記白物やエネルギーシステム事業に特化して、専業化することを迅速に行う必要があります。

一時的には売上が減っても、収益を確実に上げられる事業分野で、徹底的な差別化・差異化を行って、世界市場でナンバーワンの地位を固めることが最も重要です。

主な市場が国内であったり、汎用化して価格勝負となった事業分野からは、撤退するか、第三者から調達してOEM製品で売るなどの方式に早急に変える必要があります。

IBMが以前に上記尺度で事業検証を行った結果、当時利益が出ていたパソコン事業を中国メーカーに売却しました。その後は、ソフトウエア事業に専業化して収益を拡大しています。

IBMと同じような意思決定と実行の迅速化が、今のパナソニックには重要です。

世界市場で成長が見込まれるエネルギー・環境分野や白物家電などには、パナソニックの持っている強みを発揮できます。

上記尺度で、テレビ事業、スマホを含む携帯端末事業、その他映像・音響機器などの家庭向け製品について、例外なく今後の事業方針を明確化して、曖昧さを残さずに集中と選択を行う必要があります。

大幅な合理化を伴いますが、先行して行った東芝や日立などのように、巨額のリストラ損失を計上後の業績のV字回復を目指して動くことが非常に重要です。

考えるべき方向性は、自社に強みが最大化できる分野への専業化です。この視点は、中小企業と同じです。

パナソニックが、規模の大きな専業分野に強い中小企業になるとの発想で事業展開することを大いに期待します。

ソニーもパナソニックと同じように集中と選択を行っています。

パナソニックとソニーの今後の動きに注目していきます。両社の動きは、中小企業にとって世界市場で勝ち組になることの先行事例の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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