- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 平 仁
- (税理士)
税制調査会は、10月19日にやっと今年度最初の会合が開催され、
最初と23日の2回目が各省庁からの税制改正要望ヒアリング、
25日の3回目には全国知事会・市長会・町村会、日本経団連、
日商、連合、日税連からの税制改正要望ヒアリングを経て、
本日31日の4回目で、税制改正の検討課題が明らかにされた。
まず、税制抜本改革法に規定された検討項目のうち、
平成25年度改正で結論を得ることとされているものを紹介します。
(イ) 個人所得課税
・最高税率の引上げ等による累進性の強化に係る具体的な措置
これは24年度改正で課税所得5000万円超の税率を
現行の40%から45%に引き上げる案が棚上げになっている中、
公明党から課税所得3000万円超45%、5000万円超50%に
引き上げる案が対案として出されており、
これを踏まえて検討されることになっているものです。
・金融所得課税
現行法は配当を10%課税に軽減していますが、平成26年1月から
原則どおり20%に戻ることを踏まえて、公社債に対する課税方式変更、
損益通算の範囲拡大を検討することとされています。
(ロ) 資産課税
・相続税、贈与税の見直しの検討
23年度、24年度改正と2年連続で提案され、先送りされ続けてきた
相続税の課税ベース、税率構造の見直し等を行うこととされています。
基礎控除が5000万円から3000万円に、
相続人1人当たり1000万円から600万円に引き下げるとされた
政府案によれば、要相続税申告者が4~5%から15~20%に増加すると
考えられ、相続税対策が迫られることは必定ですね。
さらに、高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促すため、
消費拡大を通じた経済活性化に資する贈与税の見直しも検討されています。
・事業承継税制
中小企業経営承継円滑化法に基づく認定の運用状況を踏まえて、
課税の適正化を図るための措置を検討されることになっています。
(ハ) 地球温暖化対策に係る地方財源
鳩山ドクトリンとして国際公約化された環境対策について、
森林等による温室効果ガスの吸収作用の保全のための対策のための
財源措置を講ずることとされています。
炭素税(CO2排出に対する課税)の導入が検討されるのでしょうか?
今年の税制改正大綱で提示しなければならないのは以上の5点ですが、
消費増税の平成26年4月までに解決することとされている
住宅、自動車関連諸税の問題や、
社会保障と税の一体改革の問題、租税特別措置の見直し等、
検討すべき課題は目白押しです。
政治主導の名の下に、税の専門家ではない政治家だけで構成された
税制調査会が、これだけのスピード審議で進められていくと、
不安が一杯ですねえ。先生方!死ぬ気で勉強して下さいよ。
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