日経記事;"起業独自のものづくり日産,富士フイルム飛び出し"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"起業独自のものづくり日産,富士フイルム飛び出し"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月29日付の日経新聞に、『起業、独自のものづくり 日産や富士フイルム飛び出し… 電動車いす、初期段階から顧客の声 LED照明、1人で開発 美しさ追求 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『製造業の起業環境が変わってきた。生産受託会社の活用や3次元(3D)プリンターによる試作が低コストの起業を可能にする。

電動車いすのWHILL(ウィル、東京・品川)など大手メーカーの若手技術者らが古巣での経験を生かしながらも、大手ではできなかった事業スタイルに挑戦する動きも出てきた。起業のハードルが下がることで、ものづくりに新風が吹き込まれそうだ。

ウィルは3輪の電動車いす「type―A」の予約販売を年内に始める。同社は日産自動車やソニーなどの30代前後の技術者が5月に設立した。最高経営責任者の杉江理氏は日産のデザイナーだった。

製品は従来の車いすのイメージと異なるヘッドホンのような外観。リチウムイオン電池を搭載し、2時間充電すれば20キロメートルの距離を移動できる。

価格は一般的な電動車いす並みの50万円だ。予約販売は国内外で数百台規模を見込む。当面は国内の中小工場に生産を委託し、量産に移行する際は台湾で生産する計画だ。

「開発や営業など組織が細分化された大手では、顧客の声が技術者に直接届きにくい」(栗田紘最高執行責任者)。日本と米国、英国に合計150人のテストユーザーがおり、開発の初期段階から消費者の声を聞く。

当初は通常の車いすを電動化する着脱式のキットを製品化する予定だったが、「取り付けが面倒」という意見を受けて、電動車いすそのものの開発に切り替えた。

発光ダイオード(LED)デスクライトを手がけるビーサイズ(神奈川県小田原市)の八木啓太社長は昨年起業した。富士フイルムで医療機器の設計を担当していた。

製品は4万円弱と高価だが、1本の細いスチールパイプを曲げてつくるデザインと自然光に近い特注のLEDが評価され、現在は納品を待ってもらう状態だ。

本体を何個かの部品に分けた構造にすれば、組み立ては簡単だが、継ぎ目ができ見た目の美しさが損なわれる。八木氏は「生産に手間がかかり、大手では製品化に踏み切れない」とみる。

開発と設計は自ら手がける。立体物を樹脂で作り出せる3Dプリンターが1台30万円程度で購入できるようになり、「CAD(コンピューターによる設計)の無料ソフトを使えば、手軽に樹脂部品を試作できるようになった」。

富士フイルム時代に築いた人脈を生かして部品加工や組み立ては神奈川県内の中小企業に委託、販売はインターネットを使った直販だ。

製品の利益率は家電で一般的とされる10%を上回るという。八木氏は「1人でも製造業を始められる環境が整ってきた」と話す。』

私は、中小製造業やITベンダーを中心に経営支援を行っています。最近、これらの支援活動を通じて感じていることは、各企業間の専門分野が分かれ始めており、自社の得意な分野に経営資源を集中して差別化・差異化を図っていることです。

以前の中小企業では、特に製品を作るセットメーカーにおいては、開発・設計・製造を自社内に取り込んだ垂直統合方式で強みを自社内に取り込んで、差別化・差異化を図るやり方が一般的でした。

大手電機メーカーなどもこのやり方を取り入れており、国内では一般的な方式でした。

パソコンやインターネットの登場により、開発・設計・製造のやり方もデジタル化の波が起こり大きく変化しました。

上記垂直統合方式に代わる、水平分業方式です。これを可能にしたのが、例えば多くの機能・性能を単体のLSIチップにソフトウエアで書き込む技術です。

このLSIチップを複数個使えば、多くの機能・性能を実現できますので、多くのメーカーは開発・設計・製造のやり方を根本から変えていきました。

国内製造業は、アナログ時代の垂直統合方式によるもの作りが得意でしたが、デジタル時代の水平分業方式には当初乗り遅れました。

韓国、台湾、中国勢が積極的に水平分業方式を採用して、高機能・高性能の製品を短期間に廉価に開発・製造して事業を伸ばしました。

パソコンは、水平分業方式で作る代表的な製品の一つです。パソコンを構成する部品やソフトウエアは、インターネットで注文すれば誰でも購入できますので、誰でも何時でも製造することが可能になります。

この事業環境下、国内中小製造企業も大きくビジネスのやり方を変えつつあります。開発・設計、製造、販売などの各分野に特化した中小企業が国内に増えつつあります。

開発・設計専業事業者は、顧客から要求仕様を受け取ると、短期間間に図面化して開発・設計を行います。

開発・設計に必要なツールは、上記記事にありますように、CADのフリーソフトや廉価版の3次元プリンターなどを活用出来ますので、以前に比べて投資コストが大幅に下がりますので、起業や事業運営が容易になっています。

また、インターネットをフルに活用して、電子メールやWebサイトを通じて受注し、スカイプなどで会話しながら、試作品を完成させ、宅配便を活用して顧客に送るやり方が一般化しています。

試作品を作るためのソフトや部品は、ネット通販や部材メーカーからネットで少数単位で発注出来ますので、調達の問題もほとんど存在しません。

製造に特化した企業でも、当初は顧客と直接会って面談するケースもありますが、既に発注・受注の経験がある顧客との間では、受注は全て電子情報で処理し、会話は電子メール、電話やスカイプなどを使って行うケースが増えます。

必然的に、国内のどこからでも受注し、試作品を送ることが可能になります。

このように、インターネットやパソコンの普及によるデジタル化により、各分野に特化した起業や中小企業の事業運営の壁がだいぶ低くなったと実感しています。

大手企業の場合、新規事業立ち上げに時間を要する企業が多いのも事実です。何度かベンチャー・中小企業と大手との橋渡しを支援してきた結果で感じることは、一般的に大手は慎重でリスクを取りたがらないことです。

しかし、その中でも、ベンチャー・中小企業の新規技術の良さ・特徴を理解して、共に動こうとする大手も出始めています。

ベンチャー・中小企業の軽快な動きによる開発スピードの速さと、大手の既存事業インフラを上手く連携できれば、短期間での新事業の立ち上げが可能になるケースも出ています。

ベンチャー・中小企業間同士でも、開発・設計、製造、販売の各分野を分業しつつ、早期に新事業を立ち上げつつある連携体も数多く生まれています。

上記連携体のアドバンテージは、投資金額とリスク分散です。1社で行うと過剰投資や高リスクになりますが、数社の異業種企業がイコールパートナーシップで組む連携体は、当事者が「Win/Win/Win」の関係を維持しながら、収益確保が可能になります。

インタネット関連機器やツールを最大限活用しながら、水平分業事業の巧みさと自社の差異化・差別化を最大化しながら、高速に事業展開していくのが、成功の秘訣です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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