- 中山 峰生
- 建築家
対象:住宅設計・構造
家が傾いた事例
住宅に傾きが発生した事例を2例ほど紹介いたしました。
今回は、住宅が傾く前に何か対策を施すことが出来なかったか検証することといたします。
事例(1)は築後25年を経過した住宅の増築工事により、工事対応に問題があったために住宅が傾いたものでした。
このケースについて事前対策を検討すると、この場合新築当時の図面等の資料が有ればおおよその、現存する建物の状態を把握することが可能です。
又、近所に建っている住宅の状況、近隣の公共建築物、建設時の地質のデーター等を調べることで、近隣の地盤の良し悪しを確認する事は容易に出来るはずです。
その上で具体的に、庭などを利用して、実際に地盤の調査を行なうことが出来ます。このような対応で、本来工事後のトラブルは未然に防ぐ事は可能であったと思われます。
このように、増築工事に関しては特に建物が建っている地盤の状況が大きく工事に影響することから慎重に対応することが重要です。
これから増築等を検討している方はまずこの点を業者さんへ確認することが大事です。
事例(2)に関しては、近隣の工事振動による建物被害の場合については、特に対策としては、事前に家屋調査を行なうように工事業者に申し入れることが重要です。
又、業者が家屋調査等の対応に応じない場合は、自分で現在の建物の状況を調査しておくことも必要となります、この場合建築士等の専門家にまず相談することをお勧めします。
いずれにしても、大きな被害を受ける前に、事前に出来る限りの対応をすることが被害を回避する得策なのです。