日経記事;"キンドルが開けた「パンドラ」競争が崩す商慣習"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"キンドルが開けた「パンドラ」競争が崩す商慣習"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 インターネットマーケティング

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月28日付の日経電子版に、『キンドルが開けた「パンドラ」 競争が崩す商慣習 楽天コボは値引きなどで対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
[米国に遅れること丸5年。ようやく米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「Kindle(キンドル)」が日本に上陸する。25日には日本向けの電子書店「キンドルストア」もオープンした。

品ぞろえや書籍価格は既存の電子書店と横並びで、国内出版業界の「商慣習」に配慮した格好。しかし競争環境は激変した。

「端末市場に参入はしたが、我々は端末そのもので利益を出そうとは思っていない。あくまで我々は物品やコンテンツの小売り販売で収益を出す会社だ」。24日、日本でキンドル端末の予約販売を始めた米アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)はこう語った。

日本では12月以降に出荷されるキンドル・ファイアHD。1万5800円から
 
その言葉通り、キンドル端末の価格競争力は強く、特に市場争奪戦が激しさを増す小型タブレットで際立つ。7インチの高精細カラー液晶を搭載した「キンドル・ファイアHD」は1万5800円。

米グーグルが先月に発売し、低価格で話題を呼んだ小型タブレット「Nexus7」の1万9800円を下回る。24日は、米アップルも小型タブレット「iPadmini」を発表。こちらは2万8800円からと、価格面ではキンドルを前にかすむ。

日本でも始まったタブレットの“異種格闘技戦”。小売りサービス業であるアマゾンにとって、端末販売はあくまで顧客を誘導する手段であり、目的ではない。主戦場はキンドルストア。だからこそ、商品の「品ぞろえ」や「価格」にこだわってきた。

2007年11月、北米でキンドルを始めたアマゾンは開始時に約9万点をそろえ、その後1年半で20万点まで増やした。

今や英語タイトルの「キンドル版」は140万点以上。そのほとんどが紙の書籍価格から3~4割ほど安い「9.99~12.99ドル(ハードカバー)」と高い訴求力を保つ。

。。。。。

アマゾンのベゾスCEOは日本で、出版社が販売主体となり価格を決める「代理店モデル」と、アマゾン側が小売店として価格を決める「卸売りモデル」、2種類の契約形態に対応したことを明かしている。代理店モデルを選択したのは、講談社、集英社、小学館、文藝春秋、光文社などの大手出版で少数派。各社はきっちり、ほかの電子書店と同一価格でそろえてきた。

注目すべきはアマゾンが値付けできる卸売りモデルだ。角川グループ、新潮社、ダイヤモンド社、NHK出版、幻冬舎、PHP研究所、朝日新聞出版といった多くの出版社が選択した。日本には、著作物の小売り価格を維持する「著作物再販適用除外制度(再販制)」があるが、電子書籍には適用されない。アマゾンが「価格破壊」を仕掛けることも可能なのだが……。

。。。。

卸売りモデルで契約した、ある大手出版の担当者はこう打ち明ける。「うちは、消費税の扱いを除けば、どこの電子書店で買っても同じ価格。基本的にキンドル版の価格がほかの電子書店を下回ることはあり得ない。そんなことがあったら、どの出版社も引き上げると思いますよ」

。。。。。

国内出版勢は、長年維持してきた再販制をベースとする「商慣習」が崩れてしまうことをおそれた。国内の既存電子書店はというと、どこも日本の商慣習を「理解」し、事実上、出版社の希望小売価格を受け入れているのが実態だ。

再販制のない米国のアマゾンと卸売りモデルで契約すれば、何が起きるかわからない。「米国流」に相容れず、契約書のサインを拒んできた国内出版勢とアマゾンとの交渉は、長引いた。

。。。。

アマゾン・キンドルの衝撃は、あらゆる競争を加速させる。その1つが電子書店間の競争激化。今後を考えれば、電子書籍でも同一価格という商慣習が崩れる可能性も十分にある。すでに楽天コボを展開する楽天は、価格破壊に片足を入れているといってよいかもしれない。

楽天の三木谷浩史社長はかねて、通販サービスで「打倒アマゾン」を標榜している。電子書籍でも相当に意識しているはずだ。

キンドル端末のインパクトは大きい。格安ながらタブレットとしての魅力も備えるキンドル・ファイアHDを含め、広く普及する見込みは高い。

電子ペーパーを搭載した「キンドル・ペーパーホワイト」は、NTTドコモの3G回線を搭載した機種がわずか1万2980円。電池は8週間も持ち、携帯電話の圏内ならどこでも通信料なしでコンテンツをダウンロードできる。11月19日から出荷予定だが、すでに27日時点で納期は来年1月6日。相当数の注文があることをうかがわせる。

キンドルはサービスとしても洗練されている。キンドル版はキンドル端末のみならず、スマホ、タブレットなどあらゆる端末から購入・閲覧が可能。検索機能やおすすめ本を紹介する機能、読み進める途中で端末を変えても「しおり」を引き継ぐ機能なども優れている。。。。』


上記記事は主に電子書籍の影響や今後の展開予想について書いています。出版事業で言いますと、現在の国内商習慣は、再販制をベースとするものです。

アマゾンは、この再販制を壊す可能性があります。アマゾンの参入をきっかけに楽天を中心とする国内通販会社も対抗策を強化しています。

特に楽天は、通販サービスで「打倒アマゾン」を目指していますので、電子書籍だけでなくあらゆる扱い商品でアマゾンと激しい競争を起こすとみています。

インターネットは、既存概念や事業基盤を根底から崩して、スクラップアンドビルドを行う威力をみせてきましたし、今後も、スマホやタブレット型端末の高速普及で更に加速されようとしています。

昨日のブログ・コラムで書きました様に、大きな社会・ビジネスインフラの変革期にどう対応するかで、今後勝ち残れるかどうか決まります。

変革に抵抗したり恐れたりすることは、中小企業にとって好ましい姿ではなく、インターネットの影響を客観的にみて、冷静に分析・考察し、早期に行動することが重要です。

決断先送りや抵抗することは、愚直なことと企業家は理解すべきです。

以前ネット通販の影響に関する記事を書いた時に、読者が既存リアル店舗のオーナーなので、その影響をストレートに書かないようにとの依頼がありました。

実際には、逆のことをすべきです。見ないようにして、考察や決断を先送りすることは最悪の影響が出て、既存事業の基盤が大きく変わり最悪の場合は消滅することがあります。

音楽配信事業を事例に上げますと、アップルがiPodでネットによる音楽配信事業を始めた時に、国内企業は直ぐに対抗策を出さず、当時主流であったCD(コンパクトディスク)による配信の既存事業基盤を守る姿勢を取りました。

しかし、顧客はネット配信の利便性と低価格化を支持し、あっという間にCDによる配信事業インフラは弱体化しました。

ネットは、その利便性、合理性、低価格性などにより、顧客の支持を広げており、ネット通販企業による変革に目をつぶる行為や単に抵抗するだけのやり方を取っても、企業は生存できません。

このネットをどう使いこなしていくか、どうやってその付加価値を上げていくかなどの前向きな姿勢が重要になります。

国内製造企業にとって、ネットやネット通販の活用は、顧客向け情報発信や最終顧客との直販ルート確立をより容易にできる可能性が高くなります。

自社の扱い商材の優位性や、自社の経営活動状況をまめにWebサイト上に書いてひんぱんに更新していると、社会的信用や信頼性が高まり、顧客からの問い合わせが増えて受注増になる企業が増えています。

アマゾンや楽天のようなネット通販の仕組みを利用して、自社商品やサービスを顧客に直販することも可能です。

アマゾンを利用すると、国内だけでなく海外顧客にも売り込めます。海外市場進出には、英語版のWebサイトを構築する必要があります。これは当然必要な投資として考えるべきものです。

ネットやネット通販の利用は、本腰を入れて準備し維持強化しないと効果を上げることは出来ません。ネットを前提とした企業経営が必要です。

企業家は、ネットやネット通販の効果を最大限活用して自社の事業拡大につなげるための積極的な対応がますます重要になっています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム