日経記事;"パナソニック,テレビ液晶 生産縮小 中小型主力に"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"パナソニック,テレビ液晶 生産縮小 中小型主力に"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月17日付の日経新聞に、『パナソニック、テレビ液晶の生産縮小 中小型主力に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは2013年度にテレビ向け液晶パネルの生産を縮小する。自社のテレビに使うパネルの大半は韓国メーカーなど外部から調達する。

液晶パネルをつくる姫路工場(兵庫県姫路市)では、タブレット端末向けなど中小型パネルの生産比率を5割以上に高め、収益改善を急ぐ。

パナソニックは自社ブランドの液晶テレビに、韓国LGディスプレーなどのパネルも搭載している。外部からの調達比率を12年度中に7割以上に高める方針。来年度もさらに増やす。

テレビ用パネルの拠点として10年に稼働した姫路工場は現在、テレビと中小型向けパネルの生産比率がほぼ半々となっている。他のテレビメーカーに供給している液晶パネルは、契約に基づき生産を続ける。

パナソニックのパネルを含むテレビ事業は11年度まで4期連続の営業赤字だった。今年度に入っても足元の売れ行きは想定を下回っているとみられる。基幹部品であるパネルの調達コスト引き下げが不可欠と判断した。

尼崎工場(兵庫県尼崎市)でつくっているプラズマパネルについても、今年度はテレビ向けの生産を縮小する。電子看板など収益性の高い用途の比率を1割以上に高める計画。来年度以降も非テレビ用途を開拓する。

パナソニックの今年度のテレビの販売計画は、液晶が1300万台と前期比で微増、プラズマが250万台とほぼ半減する。11年度にプラズマパネルの最新鋭工場の稼働を停止した。今年度は1300億円の損益改善を見込むが、黒字転換は難しいとみられる。』


シャープ、パナソニック、ソニーなどの家電メーカーは、汎用化し低価格化が進んだテレビ事業で巨額の赤字を出して、当該事業の整理統合を進めています。

基本的なやり方は、液晶テレビ事業の縮小です。現時点では、まだ完全撤退を決めた企業は出ていません。

完全撤退しない一つの理由は、テレビ事業に代わる大きな売上額を確保出来る柱がみつからないとされています。

しかし、今の国内家電メーカーに求められているのは、大胆な事業構造の転換です。

この大型事業構造の転換を迅速に行うことが非常に大事です。収益を確保出来ない大型事業を持っていても、自社の経営にはプラス効果が出てきません。

競争力のなくなった、或いは、汎用化して低価格化が進んだ事業から、迅速に且つ完全に撤退するやり方が重要です。

IBMは、かってノートパソコンで大きな収益を上げていましたが、ノートパソコンの将来は汎用化して価格競争になり、自社の収益に貢献しないとの見通しから、黒字状態の時に中国メーカーに売却しました。

その後は、ソフトウエアとサービス事業に特化・集中して差別化・差異化を徹底的に高めて、現在高水準の収益を上げています。

国内家電メーカーは、IBMのやり方を研究して、大胆、且つ、迅速に集中と選択を行う必要があります。

収益の取れない事業に関する自社生産を止めて、全て他社からの調達に切り替える、或いは、製品化しても黒字化出来ない事業は、市場から即時撤退するようなメリハリのあるやり方が必要です。

パナソニックの例で言いますと、液晶やプラズマパネルの生産は、他社供給分についても収益が上げられなければ、契約を終了し撤退したほうが得策です。

経営資源を収益の確保出来る分野、例えば、優位性を確保しているスマホやタブレット型端末用の中小型液晶パネルに集中することが必要です。

勿論、パナソニックはその必要性を理解しており、本日の記事にありますように、需要の急増している中小型液晶パネルを強化する施策を取っています。

また、ソニーと共同開発する液晶より薄く消費電力の少ない有機ELパネルの事業化し、海外勢との差別化・差異化を徹底的に行うとしています。

有機ELは、液晶より薄く消費電力の少ないメリットがありますので、性能の良いものが出れば、携帯端末メーカーは必ず採用します。

事業の方向性は明確ですので、ポイントはその実行速度とどこまで徹底してやるかです。

パナソニックにもソニーにも、迅速さと徹底の仕方が不十分であるとの印象を持ちます。国内企業の特性かもしれませんが、現在赤字であり、且つ、将来性のない事業は即時に整理し、撤退する勇気が必要です。

赤字は経営体力を弱めます。中小企業の場合は、赤字事業を引きずって持っていると倒産の可能性が高くなりますので、支援先企業には迅速な整理統合と、新規事業の立ち上げをアドバイスして実行してもらいます。

パナソニックやソニーは、全ての液晶テレビ関連事業から撤退し、優位性を持っている中小型液晶パネルへ集中して、経営資源を即時に有効化することが必要とみています。

有機ELパネルを早く立ち上げて事業化するこは、大きな新規事業になります。

また、パナソニックは電池などを中核に環境事業を強化しようとしています。ソニーもオリンパスへの資本参加を機会に、医療分野事業を強化する方向です。

例えば、医療分野では、高精細度のモニターが必要とされますので、両社の得意な液晶或いは有機ELパネルの技術が生かされます。この分野も強化する必要がありますし、収益の確保が見込まれます。

パナソニックとソニーは、国内家電メーカーの雄です。両社の今後の動きに注目しつつ、早期に新記事業に集中して復活することを強く期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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