日経記事;"スマホ 情報量爆発 東芝,ナノ単位の省エネに挑む"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"スマホ 情報量爆発 東芝,ナノ単位の省エネに挑む"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
 
10月15日付の日経電子版に、『スマホがもたらす情報量爆発 東芝、ナノ単位の省エネに挑む』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『10月3日、米オバマ大統領と共和党のロムニー候補が舌戦を繰り広げた米大統領選の討論会で、テレビ中継を見ながらインターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」で飛び交った「つぶやき」の数は、90分間で1000万件を超えた。

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フェイスブックの利用者は世界で10億人を超えた。米グーグル傘下の動画投稿サイト、ユーチューブには世界中から毎分72時間分の動画が投稿される。

。。。。

2011年、人類が生成する情報量は1800エクサ(エクサは10の18乗=京の100倍)バイトに達した。2020年には35ゼタ(ゼタは10の21乗)バイトに及ぶと予測されている。

問題は幾何級数的に増える情報をどこに保存するかだ。膨大な数のデータセンターが必要だ。データセンターは大量の電力を消費する。

このペースで情報爆発が続くと、2020年にはIT(情報技術)システムが使う電力は2兆8000億キロワット時、世界の消費電力の1割に達する。

2025年には4兆6000億キロワット時となり世界消費の2割に迫る。地球温暖化防止のために世界が取り組んでいる省エネルギーの努力を吹き飛ばしかねない勢いだ。

情報爆発に伴う消費電力の増加をどう食い止めるか。カギを握るのは半導体だ。

天井に張りめぐらせたレールにぶら下がった重箱のようないくつもの黒いケースが、秒速5メートルのスピードでくるくると走り回る。部屋の中はほとんど無人だ。

ここは三重県四日市市にある東芝の四日市工場。昨年4月に完成した新鋭の5号棟では、回路線幅19ナノ(ナノは10億分の1)メートルのNAND型フラッシュメモリーを量産している。

この最先端メモリーは主にスマホやパソコンで使われるが、東芝はデータセンターでの需要も見込んでいる。

データセンターの大容量記憶媒体として使われているハードディスク駆動装置(HDD)を、NAND型フラッシュメモリーを搭載したソリッド・ステート・ドライブ(SSD)と呼ぶ新型の記憶媒体に置き換えれば、消費電量を25%削減できるからだ。

世界のデータセンターのHDDをすべてSSDに代えれば、2020年の世界の消費電力を2.5%引き下げられる。

東芝は記憶素子の3次元積層の技術開発を急ぐ。

微細化の物理的な限界を超えるための挑戦も始まっている。記憶素子を3次元(3D)に積層する技術だ。「2013年の実用化を目指している」(東芝の馬場嘉朗四日市工場長)という。

3D化に成功すればSDカード1枚の記憶容量は64ギガ(ギガは10億)バイトから2テラ(テラは1兆)バイトに跳ね上がる。データセンターの建物は格段に小さくなり、冷却にかかる電力も大幅に削減できる。

データを手元に持たず必要なときにネットで呼び出すクラウド化の進展により、NAND型フラッシュメモリーの市場は2020年までデータ量ベースで年率70%の伸びが見込まれている。

1つのメモリーが使う電力は微量だが、膨大な数が積み重なることによって、その消費電力は地球環境にも影響を及ぼすほどの規模になる。ナノメートルの単位で繰り広げられる省エネの努力が、いずれは地球を救うことになるかもしれない。』


以前のブログ・コラムで、。圧倒的な省エネをもたらす炭化ケイ素(SiC)を使った次世代パワー半導体開発が三菱電機などの国内企業にて進んでいることを紹介しました。

エアコンから自動車、発電システムまで幅広く使われる半導体で、すべてを次世代品に切り替えると原発7~8基分の電力消費を削減できるとの試算もあるとのこと。

SiCは従来のシリコンに比べて大電圧・大電流に耐えられ、動作時に電力が熱として失われる電力損失を大幅に削減できるのが特徴。

勿論、未だSicは高価であるため、実用化までには時間がかかりますが、大幅な省エネを実現する次世代パワー半導体の商業利用に向けた開発が加速しています。

本日の記事にあります、東芝が開発を急いでいる記憶素子の3次元積層も省電力・省エネを実現する半導体の一つとなるNAND型フラッシュメモリーです。

記事によると、これが実現した場合、世界のデータセンターのHDDをすべてSSDに代えることが可能になり、実現すると2020年の世界の消費電力を2.5%引き下げられる試算です。

スマホやタブレット型パソコンの高速普及により、データの取扱量も急速に伸びています。データは、関連企業のサーバーか、或いは、データセンター内のサーバーに置かれますので、サーバーの設置台数も急激に増加することは間違いありません。

私は何社かの中小データセンターの支援をしています。データセンターの需要が伸びてますので、どの関連企業も基本的には売上を伸ばしています。

しかし、現在の国内には高い電気代という課題があります。一般的にHDDベースのサーバーは高熱を出しますので、冷却用とのエアコンを四季に関係なく稼働する必要があります。

サーバー及びエアコンに要する電気代は高額になり、中小データセンター事業者のコスト圧迫につながっています。

もし、サーバーのHDDの代わりに東芝などが開発します3D化のNAND型フラッシュメモリーを取り込んだSSDが使われますと、2020年の世界の消費電力を2.5%引き下げられる試算となります。

サーバー本体の使用電力が下がることは発熱量の削減につながりますので、エアコンに要する電気料金も下げられることになります。

これは、世界中のデータセンターやサーバー設置企業には朗報になりますので、多くの事業者がSSDベースのサーバーを使うことになります。

サーバーメーカーにも代替品の新規創出事業の機会が生まれます。

国内企業の成長産業分野の一つが、環境対策事業です。上記Sicを使った次世代パワー半導体や3D化したNAND型フラッシュメモリーなどの開発が省エネ・省電力の切り札の一つになります。

汎用半導体では、韓国勢に遅れを取りましたが、環境対応を実現する半導体では、国内企業が先行しています。

ただ、韓国勢も日本人エンジニアを囲い込むなどして、これら新規半導体開発を積極的に開発しているとのこと。

国内企業は、海外勢への技術流出を避けつつ、早期に新型半導体を開発・実用化して、省電力化を実現することが非常に重要です。

産業機器やサーバーなどに使われる半導体は、省電力を実現するためのインフラになります。パソコンのCPUと同じ役割を持ち、当該半導体がないと省電力化が可能にならないビジネス環境を作ることが必要です。

そのためのキーワードは、スピードとコストです。

また、微細化実現のキー技術となる3D化は、半導体だけでなく、その半導体を作る製造装置や検査装置の開発・実用化が必要になります。

この分野には、国内のベンチャー・中小企業が参入できるチャンスがあります。

例えば、9月30日付のブログ・コラムにて紹介しましたプロブエース(東京・江東・木本軍生社長)は、微細化された半導体の通電確認を自動的に行えるウエハー検査装置を8月30日付の日経産業新聞にて発表しています。

オールジャパン体制にて、次世代NAND型フラッシュメモリーなどの開発と早期実用化を大いに期待します。

今後の動きを引き続き注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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