- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
10月12日13日
ヒイカとバスク風ピプラードの玉ねぎスープ chipiron et piperade a la basqaise, soupe ad'oignons
バスクのピプラードとは、パプリカ、トマト、玉ねぎの煮込みのことです。ヒイカのソテーの下に敷いています。
ヒイカは春から夏にかけてのものなので、試作したときにはあったものの、もう黒門市場にも見つかりません。
致し方ないので、2日目は剣先イカを2枚に削いでから使いました。なかなかよい食感です。
バスク風なので、本来エスプレット産唐辛子を使いたいところですが、先日いただいたスペインの唐辛子が旨味が多くてあまりによかったので、再登場させました。
まるで鰹節か昆布のような、旨味の多そうな香りがふわっと漂うのです。不思議!
これはヒイカのマリネ
周囲にはチョリソーで香りをいれた玉ねぎスープを流しました。それぞれのパーツはたいして大変なものでもありませんが、おもてなしにも使える料理です。
つぎはちょっと贅沢な響きのある前菜
ひらめのソース・シャンパーニュ、秋トリュフを散らして Hirame a la vapeaur, sauce champagne
1日目は平目を使います。火を入れたときのあまりそらないように、そして旨味をアップさせるために、前日に買っています。
2日目はまながつお。フランスに一般論的な意味においてはマナガツオはいないように思いますが、とてもバターと合う味で、日本では「バターフィッシュ」というのだそうです。
やってみるとたしかに。
生クリームとバターを使うこのソースにはぴったりと添ってくれます。
ところが下ろすのに、一苦労! 身の付き方が通常の鯛や平目などと少し違い、かつ身がぎゅっとしまって弾力がありすぎて、私の使う舌平目ナイフではどうにも勝手が悪いのです。
致し方なく日本の片刃の刺身包丁を取り出してみるものの、あまり慣れていない私には、どうにも使いにくく、結局舌平目ナイフに戻し、悪戦苦闘。
初めて魚を自分でおろした日のような気分でした。びっくり。
切り身2枚の間にセルフィーユとトリュフを挟み、蒸します。
さてソースには、シャンパンを使います。本日はポメリー
「あぁ、飲んでしまいたい・・」と言いつつ、エシャロットにシャンパンを注いで煮詰めています。シャンパンの香りが漂い、泡がぱちぱちとはじけていきます。
できたソースにはもちろん泡は残りませんが、はっきりめの酸がきりっとした、ちょっと気品のあるソースに!
秋トリュフ(グレートリュフ)
密閉されていた袋を開けると、ふわふわとトリュフの香りが漂います。私が動いても、香ります。
いつも授業ではこの袋を回して順番に香りを嗅いでいただきますが、かなり怪しい状態。
最後にはらはらっとソースの上にすり下ろし、刹那的な香りを愉しみます。
「私、じつはトリュフは香りと味の印象が違うような気がします」と生徒さん。
つまり食べたときよりも、香りのほうがよいということ?
「うーん。そうです・・」もっともです。分かります。
じゃあ、香りだけで、本体はなしでもいいのですか?
「わあ、それは嫌だ!」
トリュフはいくら香りのものだとしても、やっぱり本体がないとね!
続きはまた明日。
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