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日経記事;"ソフトバンク、米携帯3位と5位を買収へ"考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月12日付の日経新聞に、『ソフトバンク、米携帯3位と5位を買収へ 2兆円超 売上高、世界3位に 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソフトバンクは米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収する方向で協議に入った。今年度内にも発行済み株式の3分の2超の取得を目指す。

スプリントを通じ米5位のメトロPCSコミュニケーションズの買収も検討している。実現すれば買収総額は2兆円を超える見通し。ソフトバンクは日米を網羅する通信網を構築、多様なコンテンツを組み合わせた通信サービスを世界市場で展開する。

ソフトバンクは一連の買収により、携帯電話事業で年間約6兆円の売上高を目指す。中国移動(チャイナモバイル)、米ベライゾン・ワイヤレスに次ぐ世界3位を狙う。

スプリントの時価総額は米国10日時点の終値で150億ドル(約1兆2000億円)。ソフトバンクは株価に一定のプレミアムをのせて市場から買い付ける。

買収額は1兆5千億円を超えるとみられ、自己資金と借入金などで賄う案などを検討している。スプリントの株価が今後急激に上昇した場合は買収が困難になる可能性もある。

メトロPCSは欧州通信大手ドイツテレコム傘下のTモバイルUSAが経営統合協議を進めている。これに対しソフトバンクはスプリントを通じてメトロを対抗買収する検討に入った。

Tモバイルより魅力的な条件を示し、メトロ株主の同意を得る考えで、買収合戦に発展する可能性がある。

一連の買収が成功すれば2007年に日本たばこ産業(JT)が約1兆8千億円を投じた英たばこ大手ガラハーの買収を上回り過去最大となる。

ソフトバンクは10月に国内携帯電話4位のイー・アクセスの買収を決め、来年2月までに完全子会社にする方針。ソフトバンクモバイルにイー・アクセス、スプリント、メトロの契約数を合算すれば約1億件となる。米首位のAT&Tに匹敵する顧客基盤を抱える。

ソフトバンクは06年に英ボーダフォン日本法人を約1兆7500億円で買収し携帯電話事業に参入。最大約2兆円あった純有利子負債を今年3月末に5500億円まで圧縮。借り入れ余力が高まり、円高も追い風に海外での買収攻勢に転じる。

国内の携帯電話市場は契約数が約1億3千万件と総人口を上回り成熟している。ソフトバンクは世界に通信網を広げて成長を目指す。

同社は動画配信サイト運営の米ユーストリームなど海外のネットサービス企業に相次ぎ出資している。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)に適したコンテンツサービスを充実させて各事業の相乗効果を高める。』


常に大きな経営手法を展開しているソフトバンクが、今回、成功すれば国内企業で最大の買収金額となる2兆円で、米スプリントとメトロの両携帯電話会社を買収することになります。

この買収が成功した場合、ソフトバンクは日本、米国及び欧州市場で事業展開することになります。

M&Aは、このように一気に事業環境を変えて、新規事業や新市場の開拓・確保が可能になる経営手法です。

従来は欧米企業が中心になってM&Aを活用してきましたが、ここ2~3年くらいの間に多くの国内企業がM&Aを活用し、世界市場での展開を加速してます。

M&Aを行う最大の目的は、事業範囲の拡張による売上拡大です。日本市場は少子高齢化やリーマンショック後の経済停滞などで縮小しており競争が厳しくなっています。

売上拡大のために、M&Aによって短期間に新市場や新事業を取り入れるやり方です。国内企業にとって、円高は海外企業の買収をより廉価に行えるメリットがあります。

このような事業環境のため、国内企業はM&Aを積極的に採用するようになっています。

ソフトバンクは、2012年3月期の連結売上高は、約3兆2千億円です。これだけの売上高を持ちながら、オーナートップである孫さんの決定で全てが動く「巨大な中小企業」です。

オーナー経営者だから出来るトップダウン経営であり、経営の速度は一般的な国内企業よりはるかに速く動ける利点があります。

ソフトバンクは、国内でNTTドコモやKDDIと激しく競争しています。NTTドコモとKDDIは、ソフトバンクほどの速さで経営できません。

経営の決定プロセスが、大企業と中小企業との間で異なるのと同じです。中小企業の場合、決定はオーナー経営者の判断でされるためです。

ソフトバンクは、孫さんの会社ですので、トップの一存で今回の買収行為を決めて一気に進めます。

通常、M&Aは水面下で行い、ほとんど決まった時点で公開するのが一般的なやり方です。今回のソフトバンクによる買収行為がどの程度進んでいるか記事の内容から判断できませんが、買収の成功確信度合いが高まったので発表した可能性があります。

現時点で真意は不明です。

ソフトバンクは、先日国内4位のイー・アクセスの買収を発表しました。イー・アクセスの買収により、ソフトバンクは、KDDIに匹敵する顧客数を確保しました。

この買収により、高速携帯電話サービス(LTE)へ参入し、1.7ギガヘルツ帯の周波数でサービスを提供できることになります。

これは、ソフトバンクにとって対NTTドコモやKDDI対抗策として有効打になり得ます。同様のことを米国企業を買収して行うことになります。

ソフトバンクは、2006年に英ボーダフォンを買収し、組織融合を成功させました。多分、イー・アクセスとの一体化も上手く行くとみています。

M&Aを確実に成功させるためには、新旧組織の融合が必要不可欠です。M&Aを活発に行って事業を拡大してきました日本電産やJTは、この組織融合を極めて巧みに行っています。

ソフトバンクが米通信会社の買収後、組織融合に成功すれば大きな戦力になり、世界市場で戦える国際企業に変貌します。

ソフトバンクは、ボーダフォンの買収で約2兆円の有利子負債を持っていましたが、2012年3月末で5500億円まで圧縮しました。

iPhoneやiPadを扱うことにより、売上高が増えてキャッシュフローも増加して、借金返済を営業利益から返済できたためです。

ソフトバンクが今後ともアップル製品を販売できれば、毎年、4000~6000億円のキャッシュフローを生み出しますので、今回の買収で新規に必要とされる2兆円も返済可能とみます。

ソフトバンクの買収が成功すれば、NTTドコモやKDDIとの競争も更に激化しますし、両社の経営施策にも大きな影響を与えます。

ソフトバンクの買収行為の推移を注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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