日経記事"メディパルHD,災害に強い医薬物流へ自家発電免震" 考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事"メディパルHD,災害に強い医薬物流へ自家発電免震" 考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 インターネットマーケティング

皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月11日付の日経新聞に、『メディパルHD、災害に強い医薬物流へ 自家発電や免震』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『医薬品卸大手のメディパルホールディングスは、総額700億円を投じて物流体制を刷新する。2014年春をメドに免震設備や自家発電を備えた物流センターを全国13カ所に整備。

災害時に病院や薬局に医薬品を安定供給できるようにする。配送工程を減らし物流を効率化するほか、顧客にとって負担となっていた商品の検品作業も行う。物流サービスの向上を武器に競合他社に対し優位に立つ狙いだ。

メディパルが整備する物流センター「エリア・ロジスティクス・センター(ALC)」は災害時でも稼働できるように、免震設備や自家発電装置を備える。また全ての在庫の保管場所や量をコンピューター管理。

パートなどでもカートに表示された出荷指示に応じて在庫品を選び取ることができ、仕分け作業を大幅に簡略化できる。

同社は千葉県北部や埼玉県南部のほか関西、九州など7カ所にALCを新設。横浜市や大阪府八尾市など、すでに稼働している6カ所と合わせ、総投資額は合計700億円程度にのぼるとみられる。

全国8カ所にある従来の大型物流センターはALCの整備に合わせて機能を縮小し、補助的な役割を担う。

取引先までの配送の工程も見直す。従来は物流センターから同社の支店などの営業拠点をいったん経由し顧客の薬局や病院に届けていたが、今後はALCで仕分けを済ませ顧客に直接配送

在庫を豊富に保管するALCからの直接配送によって欠品の削減が見込める。検品作業もメディパルが行い、取引先の薬剤師の負担を軽減する。

物流の効率化と合わせて、全国に約300カ所あった支店の統廃合も進める。ALCの配送エリア内で3割程度支店を減らすことができるという。

配送担当の営業員に医薬情報担当者(MR)資格の取得を促し、高い専門性を身につけて医療機関への営業力を高める戦略だ。

医薬品卸業界では、上位3社が売上高2兆円前後の規模を持ちながら、各社とも営業利益率は1%以下にとどまる。メディパルは05年に経営統合した日用雑貨卸、パルタックのノウハウを活用。

他社に先駆けてIT(情報技術)機器を活用した高効率の物流網を整え、高収益体質の卸業に脱皮することをめざす。』


本日の記事は、医薬品業界で中で卸を行っている大手メディパルHDの物流改革に関するものです。
国内の卸産業は、江戸時代から発達、維持されてきました。

国内産業の中で、流通業界は農業と共に近代化に遅れた産業の一つと言われてきました。特に卸は日本固有の仕組みであり、様々なステップがあって流通コストの削減を難しくしているとされていました。

江戸時代に卸や、問屋、仲買人の仕組みを作った背景の一つに雇用の場の確保という側面がありました。このため、ステップを幾つか作って複雑な流通体系を長期間維持してきました。

現在、既存の流通業界は大きな変革の時期にあります。インターネット通販の普及によって、商品・サービスの提供者と最終顧客が直接取引を行う事業が増えています。

この直接取引は、BtoCだけでなくBtoBの業務用市場まで広がっています。何故ネット通販のニーズが急成長しているかというと、提供者及び最終顧客の双方にメリットがあるためです。

提供者は、卸や問屋などの中間業者を通さずに販売することにより、マージンをより多く確保出来ると共に、最終顧客の反応から顧客のニーズや市場の声などを直接知ることが出来ます。

最終顧客のメリットは、商品・サービスをより安く簡便に買えることです。双方のメリットがありますので、提供者と最終顧客の間には、「Win/Win」の関係が成立します。

ネット通販の仕組みを支えるのは、ITと物流システムです。現在の日本では、アマゾンや楽天などが業界をリードして事業拡大しており、既存のリアル店舗や卸、問屋などの事業に影響が出ています。

ネット通販が徹底的に普及しますと、既存の卸や問屋などの存在意義が無くなる可能性があります。

医薬品業界の場合、扱う商材が一般の商品とは異なりますので、本業界は今までITによる流通革命の直接的影響は受けてきませんでした。

しかし、最近、アマゾンや楽天などのネット通販で医薬品を扱えるようになりました。医薬品が特別扱いされてきました垣根は徐々に無くなりつつあります。

アマゾンや楽天などのの事業ターゲットは、日本市場にネット通販の仕組みを完全に定着させ、既存の店舗・流通システムを飲み込むことにあります。

既存の店舗・流通システムは、何もしないと生き残れません。

今回、メディパルHDは、国内最大手の卸として生き残りをかけて動き始めたとみます。メディパルHDは、病院や調剤薬局向けの医薬品と、ドラッグストアやスーパー向けの日用商品を扱っています。

現時点の年商は、2兆7500億円とのこと。営業利益率は、1%以内にとどまるとされています。

ドラッグストアやスーパー向けの日用商品事業は、市場規模全体が横ばいであることと、ネット通販との競争激化で収益拡大には難しさが伴います。

今回、メディパルHDが目を付けたのが、災害時に患者に供給する必要のある医薬品の供給ラインの確保です、

いわゆる医薬品のライフラインの確保・強化という社会的ニーズに応えながら、他社と差別化・差異化を図って競争力を高めるやり方です。

メディパルHDは、アマゾンや楽天と同じように、ITの活用と物流体制の再構築で医薬品のライフラインを高めつつ、流通コストの削減を行います。

このやり方が上手く行きますと、他社に差別化・差異化を図るだけでなく、ネット通販とは異なった社会的意義が高まり、卸事業そのものの必要性が強化されます。

おそらく他の医薬品大手卸も似たような動きを取って、自社事業の付加価値を上げるやり方を行います。

近い将来、医薬品の卸業界は、今と全く異なった高効率で社会的ニーズが高い事業分野に変わるとみています。

既存の店舗・流通業界は、医薬品の卸のように、ネット通販の波に飲み込まれるのではなく、知恵と工夫で存在価値を向上させ、勝ち組に入ることが重要です。

何も対応しないと、生き残れないことは明確です。

何度か本ブログ・コラムで取り上げました、『主婦の店・さいち』のように扱う商材にて徹底的な差別化・差異化を行って、地元住民の支持を集めるやり方があります。IT活用や流通センターの効率化とは全く異なるアナログ的なやり方です。

また、地方のスーパーには、ITを徹底的に活用して、リアル店舗の高効率化の実現により、少ない従業員で商品を廉価販売することにより、毎年、右肩上がりの売上を実現している企業があります。企業名は、『トライアルカンパニー』。

この企業は、たびたび、テレビ方法で紹介されています。

各社各様のやり方で強みを出していくことが、ネット通販によって変革されつつあります、店舗・流通業界で勝ち残ることにつながります。

国内ITベンダーにとっては、店舗・流通業界の改革に貢献できれば新規事業機会につながります。
私の支援先の一つである中小ITベンダーは、低コストでのIT実用化提案を作って積極的な売り込みを始めています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム