デューディリジェンス - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:事業再生と承継・M&A

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デューディリジェンス

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第2章 M&Aの手続

 

 M&Aは、以下の流れに従って行われるのが一般的です。

1

M&A目的の明確化

2

M&A対象会社の選定

3

M&A対象会社への打診

4

基本合意書(Letter of Intent)の締結

5

デューディリジェンスの実施

6

本契約の締結

7

本契約の履行(いわゆるクロージング・代金の支払、引渡し)

 

5 買収監査(デューディリジェンス)の実施

(1)デューディリジェンス(Due Diligence)とは

 デューディリジェンスとは、基本合意書を交わした後に行う、相手方会社に関する詳細な調査をいいます。「デューディリジェンス」を直訳すれば「慎重な手続」という意味になります。その言葉通り、買収に際して詳細に対象会社の調査を行うことはM&Aの過程において非常に重要となります。

 上記の「2 M&A対象企業の選定」の時点で、相手方会社に関する調査は済んでいるはずです。にもかかわらず、2度目の調査をするのは、会社外部からの調査には限界があるため、十分な情報が集まらないためです。

 すなわち、もともと非上場会社や店頭公開していない会社は情報を公開していないため、独自に調査しても十分な情報を得ることはできません。また、通常M&Aはその会社の従業員や株主にとって不安材料となり、その会社の経営に悪影響をおよぼす危険性があります。そこで、相手方企業の調査をするといっても、秘密裏に調査することになり、実際に店舗に立ち入って調査すること等はできないため、このような点からも調査には限界があります。

 そこで、基本合意書に基づいて、相手方企業の協力の下に詳細な調査をすることが必要となります。それがいわゆるデューディリジェンスであり、その内容は以下のものになります。

(2)デューディリジェンスの内容

 上記「2 M&A対象企業の選定」で得た情報の確認等を行います。

 例えば、計算書類に記入漏れ、記入ミスがないか、粉飾決済が行われていないかについては、会社の外部からは分かりにくい事項だと思われるので、デューディリジェンスの段階での発見が期待されます。

 また、事業譲渡の場合には相手方企業は自社の資産・負債のうち一定範囲のものしか承継しないため、危険性は少ない方ですが、吸収合併の場合には相手方企業は自社の資産・負債の一切を包括的に承継するので、予想外の負債があった場合は、相手方企業にとっては大変なリスクを負うことになります。そこで、経営者としては事前に自社の負債等デューディリジェンスで問題となるような点を洗い出し適切な情報開示をするとともにその解消に努めるべきでしょう。

(3)デューディジェンスの対象

①財務に関する情報

・当該会社の預金額(その中で拘束預金はどの程度あるか)

・当該会社の売掛債権額(回収できる可能性も含めて)

・その他会社の資産(不動産・知的財産権等)

・当該会社の買掛債務額(支払期限・支払条件・利息等も含めて)

・銀行等からの借入金の有無(期限・利息等)

・手形に関する法律関係(未決済手形はあるか、不渡りの危険性等)

・その他会社の負債

・含み益、含み損

・在庫に関する情報(原材料・部品・製品の在庫はどのくらいあるか)

・納税に関する情報(滞納していないか、追徴課税されたことがないか)

②会社全体に関する情報

・製品の収益性、将来性

・新製品の開発力(新製品のアイデアが社長に依存しているか)

・市場占有率(マーケットシェアー)

・業界全体に関する規制、将来性

・社会的イメージの良し悪し(ブランド)

・従業員の就業規則等労働条件、労使関係、労使紛争等がないこと等

③法務に関する情報

・訴訟を起こされていないか(製造物責任訴訟等)あるいは起こされる可能性

・会社資産は誰の名義で登記、登録されているか(社長の個人名義で登記されていないか)

・事務所の賃貸借契約の内容

・大株主が変更しても、知的財産権の許諾契約、代理店契約、フランチャイズ契約は継続可能か

その他

(4)デューディリジェンスの結果

 綿密なデューディリジェンスを行った結果、相手方企業が事業承継の対象として不向きであれば、M&A自体を取り止めることになります。また、M&A自体を中止しなくても、基本合意書で定めた事項(買収価格等)に調査結果を反映させ、買収条件を変更して本契約を締結する場合もあります。

 

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