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日経記事;"EV走行距離3割長く NEC、充電1回260キロ"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月9日付の日経新聞に、『EV走行距離3割長く NEC、充電1回260キロ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『NECは電気自動車(EV)やハイブリッド車に使うリチウムイオン電池の蓄電容量を、従来より3割以上高める新技術を開発した。

現在、市販されているEVが1回の充電で走れる距離は200キロメートル程度。この電池を使えば東京―長野市にほぼ相当する約260キロメートルへ3割延ばせる。2年以内の実用化を目指す。

EVは1回の充電で走行できる距離が短いことが普及のネックになっている。従来は、電圧を高めて蓄電容量を増やそうとすると内部にガスが発生し、電池の寿命が短くなる課題があった。

NECは高電圧でもガスが発生しにくい新たな電極材料と、電解液の開発に成功した。コバルトなどの希少材料を電極に使わなくても蓄電容量を増やせる。

このため、寿命や製造コストは日産自動車のEV「リーフ」に搭載している電池とほぼ同等のまま、走行距離を3割延ばすことが可能という。

NECは相模原事業場(相模原市)でリチウムイオン電池を生産しており、200万キロワット時を超える年間生産能力がある。

自社の蓄電システム向けの電池を製造するほか、日産自動車が51%を出資して共同設立したオートモーティブエナジーサプライ(神奈川県座間市)に電極材料を供給している。同社は日産のEV「リーフ」などに搭載する電池を生産している。

NECは新開発の電極材料を、他の電池メーカーにも供給する。今年6月には、三菱自動車やホンダ向けにリチウムイオン電池を生産するジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)と提携。NECがGSユアサに電極材料を納入することを決めている。

NECは電池を含むエネルギー関連事業の売上高を、2017年度には11年度の5倍近い3千億円に引き上げる考えだ。

調査会社のテクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)は、車載用リチウムイオン電池の市場規模を12年に32億ドル(約2500億円)と見込んでいる。20年には約10倍の323億ドル(2兆5300億円)まで成長すると予測している。』


私は、先日、知人が所有する電気自動車(EV);日産「リーフ」に乗る機会を得ました。神奈川県中央部から箱根までの移動でした。

加速性能は、ガソリン車やハイブリッド車(HV)と比べて遜色ありません。上りの坂道では、電池内の電気容量が急激に減少しますが、逆に下りでは充電されます。

極めて快適なドライブでした。EVに対する認識を一変した経験になりました。

静かで、加速性能の良いことが印象に残っています。勿論、排ガスはゼロです。乗車した時は、あまり暑くない日でしたので、エアコンを使う必要はありませんでした。

しかし、「リーフ」の所有者にエアコンを使った時の印象を聞きますと、バッテリー容量の制約もあって効き方が弱く実用的ではないとのこと。

また、充電時間は30分ほど必要とし、この点はガソリン車の給油時間と比べると未だ改善を要する分野です。

EV普及の課題は、次の三つです。

・蓄電容量が小さく、一回の充電で走れる距離が200キロメートル程度と短い。
・同じ理由で、日本のような高温多湿地域で必要なエアコンを使えない。
・充電時間が長く、且つ、充電設備がまだ少ない。

充電設備については、政府や神奈川県などの地方自冶体は当該設備の普及を進めていますので、将来的にはガソリンスタンド並みに普及するとみています。

充電時間については、現在各メーカーにて急速充電装置が開発されており、将来15分ほどに半減できるものが出てくるとみます。

現時点での最大の課題は、蓄電容量の大きさです。不十分な電池容量ですと、エアコンなどの使用可能性を含めて、顧客はガソリン車と同じように快適に使えませんので、本格的な普及にはつながりません。

当面、実用的な環境対応車は、HVということになります。

電池を作る国内メーカーは、大容量の電池開発にしのぎを削っています。その中で、本日の記事は、NECがEVやHVに使うリチウムイオン電池の蓄電容量を、従来より3割以上高める新技術を開発したとされています。

しかも、高電圧でもガスが発生しにくい新たな電極材料と、電解液の開発に成功し、コバルトなどの希少材料を電極に使わなくても蓄電容量を増やせるとのこと。

これは、蓄電容量を増やしても電池の寿命や製造コストを「リーフ」に搭載している電池とほぼ同等のまま、走行距離を3割延ばすことが可能となることを意味します。


EVやHVの普及の壁になっているもう一つの要因は、ガソリン車に比べて販売価格が高いことです。このため、政府などはEVに対し補助金を付けて、販売価格の低減化を図っています。

EVやHVの製造コストの中で、電池の占める割合は大きくなっています。今後の電池や乗用車メーカーの重要課題の一つが、蓄電容量の向上と製造コストの引き下げです。

このことが可能になり、EVやHVがガソリン車並みの価格で買え、上記残りの課題が解決すると当該車のより急速な普及が見込まれます。

私は、出張で時々、タイのバンコクや、インドネシアのジャカルタを訪問します。毎度、多数の乗用車からの排気ガスによる悪環境を実感・体感しています。

これらの地域に、ガソリン車並みの価格で、蓄電容量の大きいEVやHVを投入すると、高速に普及すると共に環境改善に大きな貢献が出来ます。

実現する上でキーになるのは、電池です。

NECの動きが表していますように、NEC、パナソニック、GSユアサなどの国内電池メーカーは、次世代電池開発を急いでいます。

電池は、車だけでなく、家庭やオフィス、工場などでも使われるようになり、非常に大きな市場となります。

次世代環境の社会システムを支える重要なインフラの一つです。従って、国内メーカーは電池技術・製品開発及び事業化で世界を常にリードして、世界環境改善に貢献しつつ世界市場をおさえる勝ち組であることが重要ですし、必要です。

例えば、NECは日産や三菱自と組み、また、パナソニックはトヨタと組んでEVやHV用途の蓄電池開発を行っています。

この国内勢同士で、蓄電池の供給者と使用者の関係があり、また、組んでいるチーム同士で切磋琢磨して次世代電池の開発と実用化を行っていることは、顧客仕様にあった蓄電池技術の開発・実用化に大きく貢献します。

上記しました様に、蓄電池市場は非常に大きいので、現在の国内関連メーカー全てが勝ち組になれます。

電池やEVやHVなどの事業分野は、素材や部品などまで含めて大きなすそ野を持っており、尖がった技術を持った中小企業にも大きな事業機会が生まれます。

NECは、現在経営再建中にあります。今回開発した技術をてこに、蓄電池メーカーの一つとして世界市場で大きく飛躍して、当該事業を新規事業の柱の一つにすることを大いに期待します。

NECの蓄電池事業について注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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