会社法における種類株式の概要 - 会社法・各種の法律 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
尾上 雅典
(行政書士)

閲覧数順 2024年04月17日更新

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会社法における種類株式の概要

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2 種類株式の概要

 株主の多様なニーズに対応するために,一定の事項につき権利内容等の異なる株式の発行が認められています。

 一定の事項とは,以下の9つの事項のことをいいます。

(ⅰ)剰余金の配当

剰余金の配当について,配当の条件や金額等が普通株式と異なること

(ⅱ)残余財産の分配

残余財産の分配について,分配価額の決定方法や残余財産の種類などが普通株式と異なること

(ⅲ)議決権制限株式

株主総会において議決権を行使することができる事項に制限があること

(ⅳ)譲渡制限株式

譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要すること

(ⅴ)取得請求権付株式

当該株式について,株主が会社に対しその取得を請求できること

(ⅵ)取得条項付株式

当該株式について,会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること

(ⅶ)全部取得条項付株式

当該種類の株式について,会社が株主総会の決議によってその全部を取得することができること

(ⅷ)拒否権付種類株式

株主総会・取締役会等で決議する事項のうち,当該決議のほかに,当該種類株主の種類株主総会の決議があることを必要とするもの

(ⅸ)取締役・監査役選任権付種類株式

当該種類株主の種類株主総会で取締役や監査役を選任すること

 このような種類株式のうち,特に,議決権制限株式,全部取得条項付種類株式,拒否権付種類株式を利用することで会社経営者は,事業承継を円滑に進めることができます。

 なお,会社法109条2項により,非公開会社では,剰余金の配当・残余財産の分配・株主総会の議決権について,株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができ,これは厳密には種類株式ではありませんが,会社法第2編及び第5編に関する規定との関係では,種類株式とみなされます(会社法109条3項,属人的種類株式)。

 そこで,この株式についても,種類株式として説明を行います。

 

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