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丹多 弘一
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山本 雅暁
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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日経記事"ネットVS小売店顧客奪い合いアマゾン端末販売停止"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月4日付の日経新聞に、『ネットVS小売店、顧客奪い合い アマゾン端末販売停止 米量販が対抗策』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『店舗を構える小売りとネット通販を手掛ける企業の間で顧客の争奪戦が激しくなっている。米小売り大手は相次ぎ、ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムの携帯端末の取り扱いを停止した。

ネット経由の買い物が増え、小売店の牙城が崩れつつあることへの対抗措置だ。日本でも業態を越えた価格競争が過熱。消費者にとっては恩恵だが、長引くデフレの一因ともなっている。

世界の小売り最大手、米ウォルマート・ストアーズは9月下旬、アマゾンのタブレット(多機能携帯端末)「キンドル・ファイア」の販売を全店で停止すると発表した。

この端末の価格は159ドルから。利用者をアマゾンのサイトに誘導する仕組みが盛り込まれている。これの普及を後押しすれば、結果的にネット通販への顧客流出が進むと判断した。

米ディスカウントストア大手ターゲットもアマゾン製品の販売を停止。米国の小売店で「アマゾン外し」が広がる。

ウォルマートは自らのネット通販を強化してアマゾンに対抗する戦略を描く。ネット関連企業を買収、通販サイトで売った商品の代金支払いを店頭で受け付けるサービスも始めた。顧客を囲い込み、ネット利用者を店頭に導く狙いだ。

米商務省によると、米国の小売り売上高(自動車を除く)に占めるネット通販の割合は6%弱で、シェアは右肩上がりで上昇している。米事務用品販売大手ステープルズは9月末、不振店舗の閉鎖を発表した。アマゾンなどの攻勢で店頭販売が縮小したためだ。

アマゾンがサービスを始めた1990年代はネット通販と小売店にはすみ分けがあった。ネット通販は配達までの時間が比較的長く、書籍などを除く商品は小売店で買うのが一般的だった。

だがネット通販は家具や衣服、加工食品など取扱商品を拡大。アマゾンは北米全域に物流拠点を構え都市部では即日配送の体制も整えた。米国は世界に先駆け「ネット」による「リアル」の市場の侵食が現実となっている。』

日本でも価格競争

日本でも成長著しいネット通販にいかに対抗するかが小売り各社の課題になっている。ヤマダ電機は主力店の一部で来店客の要望に応じアマゾンジャパン(東京・目黒)の販売価格に合わせた店頭値下げを始めた。

これまでライバルの家電量販店を対象にした値下げは実施してきたが、ネット専業への対応は初めてだ。

価格などを簡単に比較できる家電は特にネット通販の利用が進んでいる。GfKジャパン(東京・中野)によると家電のネット販売比率は2011年の推計で7.5%で、小売り・サービス業全体の2.8%(経済産業省調べ)を大きく上回る。

価格の下落幅も大きく、BCN(東京・千代田)の調べでは12年8月のテレビの平均単価は5万900円で、3年前に比べて約5割下がった。

実際の販売価格を比較したところ、テレビやデジタルカメラといったデジタル家電を中心にネット通販の方が安いケースが目立つ。これに対し家電量販はポイント還元などで買い得感を打ち出しており、顧客争奪戦が熱を帯びている。

ネットの成長力を取り込もうとする小売りの動きも活発になってきた。ビックカメラや東急ハンズは楽天やアマゾンに出店し、新販路として活用する戦略だ。

価格競争で対抗し侵食を防ぎつつ、自社のネット事業を収益源として育てたい小売り大手。だがドイツ証券の風早隆弘シニアアナリストは「ネット企業はIT(情報技術)のノウハウやコスト構造で優位にあり、中途半端な対策では太刀打ちできない」と指摘する。』


ネット通販の成長については、本ブログ・コラムで何度か取り上げてきました。米国市場では、アマゾンの急成長が止まっていません。

米商務省によると、米国の小売り売上高(自動車を除く)に占めるネット通販の割合は6%弱で、シェアは右肩上がりで上昇しているとのこと。

この姿は、明日の日本市場です。日本の場合、ネット通販の小売・サービス市場に占めるシェアは3%強です。ただ、ネット通販の売上は急成長していますので、日本でも米国と同じように当該シェアは6%以上になることは確実です。

日経記事では、ネット通販について『日本でも業態を越えた価格競争が過熱。消費者にとっては恩恵だが、長引くデフレの一因ともなっている。』と書いています。

私はこの考えに同意できません。

ネット通販が支持されている要因は、利便性と価格の安さです。顧客は同じ商品・サービスであれば、価格の安いところから買うのは当然です。

ネット上では、価格COMなどの検索エンジンで価格比較や、各種ブログやFacebook、TwitterなどのSNSを通じて当該商品・サービスに対する評価コメントを容易にみれます。

顧客は、ネット上に存在するこのようなデータ・情報から比較検討し、最適な方法で必要なものを適正価格で買う合理的な判断基準で購入します。

マーケティング、営業・販売、宣伝・広告を考える場合、上記顧客行動を前提として計画・実行することが重要です。

中小企業の場合、良い商品・サービスを提供出来れば、ネット通販を使って国内全国や海外市場に販売できる時代になりました。

何社かの支援先は、アマゾンや楽天などのネット通販を通じて、自社商品・サービスを最終顧客に直販しています。

今までは、下請けや孫下請けで事業していましたが、自社商品・サービスを自社ブランドで自ら価格設定をして販売できます。

勿論、自社のWebサイトを充実して、顧客に商品・サービスや会社を良く理解してもらうようにすることは当然のこととして行う必要があります。

農水産品も、「おいしっくす」のようなネットスーパーの出現により、JAや卸業者を通さずに顧客に直販できる仕組みが出来てきました。

これらのネット通販やネットスーパーは、供給者及び顧客双方に大きなメリットがあります。

供給者視点でみますと、顧客や市場の反応が直接理解できることと、顧客までの中間ステップが無くなりますので、コスト圧縮になり収益性が高まります。

収益が向上すると、次の投資の原資を確保できますので、更に良い商品・サービスを提供できるポジティブサイクルに入れます。

これは、供給者及び顧客の双方に大きなメリットを与えます。

かって、国内家電メーカーは、大手量販店に販売価格の決定権を奪われて、メーカーは一生懸命作っても収益が上がらず、量販店のみが繁盛した時期がありました。

ネット通販は、このような既存の流通の仕組みを根本から変えようとしています。

大手家電メーカーは、しょうしょう極論しますと、単品商品の販売を自社のWebサイトか、アマゾンや楽天などのネット通販業者を通じての、ネット直販に切り変えることが必要とみています。

スマホやタブレット型パソコンは、アップルがシェアを握っています。アップルの主力販売ルートは、ネット通販のアップルストアです。

この大きなネット通販ルートを持っていますので、日本国内でソフトバンクやKDDIなどのリアル店舗を通じての販売を行っても価格コントロールが出来ます。

もし、ソニーやパナソニックなどの家電メーカーがAV商品やパソコンなどの単品の商品販売を自社独自のネット通販や、アマゾン・楽天などからの直販ルートに変えても販売数量が減る現象は起こらないとみます。

顧客はネット上で必要な情報を集め比較検討と、自分が満足できる商品の購入が容易にできますので、メーカーが当該商品のネット販売に集約しても支持が得られます。

私が支援しました中小企業のネット通販の成功が証明しています。


また、中小の既存小売店・スーパーは、何の対応もしないとネット通販の波に飲み込まれてしまいます。
ネット通販の成長に感情的な反発をするだけでは、解決になりません。

大手スーパーの場合、自社でネット通販を始めたり、リアル店舗との融合など資本力を生かして様々な対応が可能ですが、中小の小売店やスーパーではその様な施策の実行は難しいのが実態です。

中小の既存小売店・スーパーは、身の丈にあった形で、地元の顧客から支持されるように扱い商品やサービスを工夫して、ネット通販と直接に競合しないように、商売していくことが重要です。

このような場合、良く事例に出されるのが、『主婦の店・さいち』です。このスーパーは、仙台の先にある秋保温泉にあります。

広さは、80坪の過疎地のスーパーですが、1日平均5000個、土日祝日には1万個、お彼岸の中日には2万個のおはぎを売るとのことです。

「カンブリア宮殿(テレビ東京)で紹介されたり、食べログコムでも高い評価を得ています。この店の良さは、主婦の口コミから広がり宣伝されていきました。

『主婦の店・さいち』などのやり方を参考に、自社店舗・スーパーの強みをどう出していくか考え、実行することがポイントです。

私は、2010年9月21日に 『主婦の店・さいち』に見る中小企業の生きかた [ベンチャー・中小企業支援] のタイトルでブログ・コラムを書きました。下記Webサイトからご覧出来ます。
URL; http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/2010-09-21

ご興味のある方は、ご覧ください。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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