米国特許法改正規則ガイド 第8回 (第2回) - 各種の特許・商標・著作権 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許法改正規則ガイド 第8回 (第2回)

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米国特許法改正規則ガイド 

 第8回 (第2回)

発明者の宣誓または宣言と、譲受人による出願(AIAセクション4)

河野特許事務所 2012年10月24日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

(4)代替陳述書

(i)宣誓書または宣言書に代わる代替陳述書

 発明者がサインできない場合もあることから、宣誓書または宣言書に代えて、一定条件下で代替陳述書を提出することができる(115条(d))。代替陳述書はUSPTOが公表しているフォームPTO/AIA/02[1]を用いればよい。参考図3はフォームPTO/AIA/02である。

 

参考図3 フォームPTO/AIA/02

 

代替陳述書は、以下の者に関し許可される

 (A) 宣誓書または宣言書を提出することができない者であって、以下の者—

(i)死亡した者

(ii)法的無能力者

(iii)真摯な努力によっても発見または連絡できない者

(B)発明を譲渡する義務があるが、サブセクション(a)のもと宣誓または宣言することを拒否した者

 

(ii)代替陳述書への記載事項

 代替陳述書には、当該陳述書を利用する個人を特定し、宣誓書または宣言書に代えて代替陳述書を提出することについての許可根拠を示す状況を明記しなければならない。その他、長官により追加の情報(提示も含む)が要求された場合、それらをも陳述書に含めなければならない(115条(d)(3))。

 

 具体的には、代替陳述書は以下の条件に従わなければならない(規則1.64)。

 (a)宣誓または宣言に代えて代替陳述が行われる発明者または共同発明者を特定すると共に、情報及び信念に基づいて当該発明者が陳述を要求される事実を言及することで、規則1.63(a)の要件を満たさなければならない。;

 (b)代替陳述を行う者、及び、代替陳述が行われる発明者または共同発明者とその者との関係を特定しなければならない。当該情報が、規則1.76に従う出願データシートにおいて提供されている場合を除き、代替陳述書にサインを行う者の居所及び通信宛先を特定しなければならない。;

 (c)規則1.63に基づく宣誓または宣言に代えてその者が代替陳述を行うことを許可する状況を特定しなければならない。すなわち発明者が死亡した、法的無能力となった、適切な努力をしてもなお所在不明である、または規則1.63に基づく宣誓もしくは宣言を拒否したということを特定しなければならない。

 

(5)譲渡証への(b)(c)の記載

 特許出願の譲渡義務のある個人(発明者)は、サブセクション(b)(宣誓書または宣言書に必要な説明)、及び、(c)(追加の要件)のもと、陳述書を分けて提出する代わりに、個人によりなされる譲渡証において要求された説明を含むことができる(115条(e))。すなわち、譲渡証(assignment )にサブセクション(b)(宣誓書または宣言書に必要な説明)及び(c)(追加の要件)の記載を盛り込むことが可能である。

 

 この場合、譲渡証のカバーシートには、譲渡証を、規則1.63(宣誓書または宣言書)の規定に基づく宣誓書または宣言書として活用するための明確な表示を含まなければならない(規則3.31)。

 

(6)出願データシート

(i)出願データシートの提出義務づけ

 出願データシートとは,米国特許法第111条(b)に基づく仮出願、米国特許法第111条(a)に基づく非仮出願または米国特許法第371条(国内段階)に基づく国内段階出願において提出しなければならない書類であり、かつ、規則1.55(外国優先権の主張)または1.78(先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照)で要求される場合、米国特許法第119条(優先権主張出願、仮出願)、120条(継続出願)、121条(分割出願)または365条(c)(合衆国を指定国とする国際出願の継続出願)または365条(優先権)に基づく優先権または先の出願の利益を主張するために提出しなければならない書類である。

 規則改正により、出願データシートの提出が義務づけられた(規則1.76)。

 

(ii)出願データシートには以下の書誌的事項の記載が必要である(規則1.76(b))。

 (a) 発明者情報

この情報は,発明者または各共同発明者の氏名,居所,及び郵便宛先を含む。

 (b) 通信情報

この情報は,通信の宛先とする通信宛先(§1.33(a))を含み,当該宛先は顧客番号への言及によって指示することができる。

 (c) 出願情報

 この情報は次の事項を含む。発明の名称,図面用紙の合計枚数,(非仮出願に関する)公告用として提案する図,出願に割り当てられた書類番号,出願の種類(例えば,通常,植物,意匠,再発行,仮出願),その出願が規則5.2による秘密保持命令の下にある出願の主題の重要部分を開示しているか否か(規則5.2(c)参照),並びに植物出願に関しては,クレームする植物の属及び種のラテン語名及びその品種名。

 (d) 代理人情報

 この情報は,その出願に関する委任状を有する各有資格実務家の登録番号を含む(顧客番号を引用する方法を使用することが望ましい)。出願データシートにおけるこの情報の提供は,出願に関する委任状(規則1.32参照)を構成しない。

 (e) 国内優先権情報

 この情報は,35 U.S.C.第119条(e),第120条,第121条又は第365条(c)に基づいてその利益を主張する各出願に関する出願番号,出願日,状態(可能な場合は,特許番号を含む)及び関係を含む。出願データシートにおけるこの情報の提供は,35 U.S.C.119(e)又は第120条及び§1.78(a)(2)又は§1.78(a)(5)によって要求される明示の言及を構成する。

  (f) 外国優先権情報

 この情報は,その優先権が主張される各外国出願,並びに,その優先権が主張される出願の出願日より先の出願日を有する外国出願があるときは,その外国出願に関する出願番号,出願国及び出願日を含む。出願データシートにおけるこの情報の提供は,35 U.S.C.119(b)及び§1.55(a)によって要求される優先権主張を構成する。

 (g) 出願人情報

  この情報は,法定代理人の名称(自然人または法人)及び宛先、譲受人、発明者が発明を譲渡する義務のある者、または、それ以外に事項に関する十分な経済的利害関係を示す規則1.43(死亡または法的無能力となった発明者の法定代理人による特許出願)または1.46(譲受人、義務のある譲受人、または、それ以外に事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者による特許出願)に基づき出願人となる者を含む。

 

(iii)サイン要件

 出願データシートは規則1.33(b)に従いサインしなければならない(規則1.76(e))。サインされていない出願データシートは単なる送付状として取り扱われる。

 また、出願データシートにより発明者名を管理する場合、出願と同時、または、宣誓書または宣言書の提出前に、サインした出願データシートを提出することが必要である。これとは逆に、出願データシートよりも先に宣誓書または宣言書が提出された場合、発明者名は宣誓書または宣言書に従う。例えば出願データシートが無く宣誓書または宣言書にて発明者Aを記載していた場合、後に発明者A及びBとする出願データシートが提出されても、規則1.48に基づく発明者修正が無い限り、発明者はAとして取り扱われる。

 

(iv)出願データシートの修正及び更新(規則1.78(c))

 既に提出した出願データシートにおける情報、規則1.63(宣誓書または宣言書)、1.64(代替陳述書)もしくは1.67(補助宣誓書または補助宣言書)に基づく発明者の宣誓書または宣言書、またはその他の記録は、登録料支払い前まで、修正情報または更新情報を記載した新たな出願データシートにより、修正または更新することができる。

  ただし、発明者名の変更は、規則1.48(再発行出願以外の特許出願における、米国特許法第116条による発明者名の修正、または、氏名若しくは氏名の順序の訂正)の要件に従わなければならず、外国優先権情報及び国内優先権情報は、規則1.55(外国優先権の主張)及び1.78(先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照)に従わなければならず、通信宛先の変更に対しては規則1.33(a)( 通信宛先及び昼間電話番号)が適用される。

 修正情報または更新情報を記載した出願データシートは、上述した規則1.78(b)の書誌的事項の全ての部分、または、変更情報もしくは更新情報を含む部分のみを含むことができる。

 

(7)虚偽があった場合のペナルティ

 提出する宣誓書または陳述書に、意図的な虚偽の記述がある場合、米国法典第18巻1001条(section 1001 of title 18)に基づき罰金または5年以下の懲役により罰せられることを承知する旨の記載を、宣誓書または陳述書に含まなければならない(151条(i))。



[1] 代替陳述書のフォーム

http://www.uspto.gov/forms/sb0002aia_preview.pdf

 

(第3回へ続く)

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