日経記事;"日立/東芝ソニーの統合会社,有機ELパネル量産へ"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"日立/東芝ソニーの統合会社,有機ELパネル量産へ"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 新規事業開拓・立上

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月2日付の日経新聞に、『日立・東芝・ソニーの統合会社、有機ELパネル量産へ スマホ向け』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『中小型液晶パネルで世界最大手のジャパンディスプレイ(東京・港)は2013年に、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの生産ラインを茂原工場(千葉県茂原市)に新設する。

投資額は200億~300億円のもよう。米アップルへの供給もにらみ、スマートフォン(高機能携帯電話)向け有機ELパネルを生産する。先行する韓国サムスンディスプレーを追い上げる。

有機ELは、ホタルのように自発光する有機材料を画素に使う。パネルの後方から光を当てる液晶より、パネルを薄くして、消費電力を抑えることができる。

日立製作所と東芝、ソニーの中小型パネル事業を統合したジャパンディスプレイは、1インチ当たりの画素数が326ピクセルという高精細な有機ELパネルを開発した。

1画素に3原色(赤、緑、青色)をストライプ状に配列している。「2色の画素を交互に並べるサムスンより色の再現性が高い」(ジャパンディスプレイ)という。

13年度に試作を始めて国内外のスマホメーカーと性能などを検証し、14年度から本格的な量産に入る計画だ。1000億円程度を投じて設備を増強することも検討する。

米NPDディスプレイサーチによると、中小型の有機ELパネル市場は16年に11年比で約5倍の171億ドル(約1兆3100億円)となる見通し。現在はサムスンが約9割の世界シェアを握る。ジャパンディスプレイは母体3社の有機EL技術を持ち寄りサムスンの独占を崩したい考えだ。

 現在、アップルは「iPhone」に液晶パネルを搭載している。サムスンは、内製する有機ELパネルの大半を自社ブランドのスマホなどに搭載しており、外販する余力は乏しい。

ジャパンディスプレイはアップルに有機ELパネルを供給できれば、早期に収益事業に育つとみている。』


ジャパンディスプレイについては、以前に本ブログ・コラムで取り上げました。ジャパンディスプレイは、東芝、日立製作所、ソニーの3社と官民ファンドの産業革新機構が共同出資する中小型液晶パネルの新会社で、2012年4月1日に事業活動を開始しました。

大塚周一社長が4月2日に、新会社の発足会見を開き、有機ELパネルについて「2013年度をメドに量産を始める」と表明しました。日立製作所から取得した茂原工場(千葉県茂原市)に試験設備を設けて研究を進めている。2012年度中にも製品のサンプルを出荷し、受注につなげたいとしていました。

大塚氏は、かつて半導体大手のエルピーダメモリの最高執行責任者(COO)を務めたとのこと。

4月2日の時点で、大塚社長は新会社が量産する有機ELパネルの解像度について「(1インチ当たりの画素数で)300ppiを目指す」と語っており、サムスン製の1.3倍にあたる。解像度を高めて差異化をはかるとしていました。ppi(pixel per inch)は1インチあたりの画素数のこと。

本日の記事では、ジャパンディスプレイは、1インチ当たりの画素数が326ピクセルという高精細な有機ELパネルを開発したしていますので、上記ターゲットを現時点で達成しています。

記事にありますように、サムスンは、自社製スマホやタブレット型パソコン用途に有機ELパネルを自社供給しており、その生産量から外販する余力は少ない状況です。

サムスンと激しく競合しているアップルは、サムスンからの部品調達量を減らす方向に動いていることからも、ジャパンディスプレイの有機ELパネルがアップル製品に使用される可能性が高くなります。

勿論、アップルから値下げの強い要求が出されることと、日本製の有機ELパネルが鴻海精密工業工場のある中国に問題なく輸出できるかなどのリスクがあります。

一旦、アップルに採用されますと、サムスン以外のソニーを含めたアンドロイドOSやWindows8OS搭載のスマホやタブレット型パソコンなども、ジャパンディスプレイの有機ELパネルを採用する可能性が高くなります。

また、有機ELパネルが量産効果で販売価格を下げることが出来れば、電子書籍用電子端末にも採用される見込みがあります。

NPDディスプレイサーチによると、中小型の有機ELパネル市場は16年に11年比で約5倍の171億ドル(約1兆3100億円)とのこと。

この巨大市場でジャパンディスプレイの有機ELが50%以上のシェアを取れば、大きな事業基盤を確立できます。

テレビは汎用化した製品になりましたので、有機ELパネル搭載品を出しても現行の液晶テレビと同じ価格競争に巻き込まれます。

ジャパンディスプレイは、BtoB型のビジネスモデルで、価格競争に巻き込まれないようしながら、サムスンを凌駕する有機ELパネルを供給しづけることが必要です。

ソニーは、最近、オリンパスとの提携を発表しました。オリンパスとの提携効果で、医療機器分野で2000億円の年商を目指すとのこと。

ソニーの強みは、センサーと業務用高画質モニターです。医療用途の高画質モニターも、25型有機ELパネルを搭載したものを出しています。

今後、中小型の医療やその他放送・業務用途の有機ELパネル搭載品がソニーより、商品化される可能性があります。ソニーがこれら業務用途開発の先兵になれば、新規需要も見込めます。


現在、スマホやタブレット型パソコンの市場は急速に伸びていますので、ジャパンディスプレイはその市場速度を上回るような形で、有機ELパネルを供給しづけることが肝要です。

サムスンは、積極投資を行って自社有機ELパネルの供給数を増やして、低価格で他社に販売開始することは容易に推測できます。

ジャパンディスプレイは、先行して積極投資で生産量を拡大して、市場をサムスンよりも先に押えることが必須であり、ターゲットシェアは、60%以上とすべきです。

生産量を増やせば、量産効果で製造コストを下げられます。50%以上のシェアを取れば、市場をコントロールできます。

サムスンは、決定と行動が早い会社です。

一方、ジャパンディスプレイは、東芝、日立製作所、ソニーの3社と産業革新機構が作った会社です。

過去幾つかの失敗を起こした寄り合い所帯の組織ではなく、国内1社だけの『中小型液晶パネルメーカーとしての強みを生かして、サムスン以上の経営能力を発揮して、中小型有機ELパネル市場で世界の覇者となることを強く期待します。

ジャパンディスプレイの今後の事業展開に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

【最強ビジネスモデル】自分だけは。 星 寿美 - 経営コンサルタント(2012/12/27 10:27)

【最強ビジネスモデル】企業を成長させるには? 星 寿美 - 経営コンサルタント(2012/12/21 13:53)

【最強ビジネスモデル】Time is Art. 星 寿美 - 経営コンサルタント(2012/12/05 09:53)

【最強ビジネスモデル】知的生産。 星 寿美 - 経営コンサルタント(2012/11/19 08:51)

【最強ビジネスモデル】協力を得る方法<概略>。 星 寿美 - 経営コンサルタント(2012/11/13 08:43)