日経記事;"スマホ部品「最小」競う ロームや村田,8割小さく"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"スマホ部品「最小」競う ロームや村田,8割小さく"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月30日付の日経新聞に、『スマホ部品「最小」競う ロームや村田、8割小さく 高機能化・小型軽量化に対応』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『電子部品大手がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けに相次ぎ世界最小の部品を製品化する。ロームは縦0.4ミリメートル、横0.2ミリの半導体部品を2013年春から量産。

村田製作所も電気信号を効率よく伝える極小部品を開発した。スマホの高機能化、小型軽量化が進むなか、スマホの部品点数の4割を占める日本勢は微細化技術でさらに先行、シェアの維持向上につなげる。

ロームが開発したのは電圧を調整して電子回路を保護するダイオード。スマホ1台に20~30個必要になる。構造が複雑で小型化が難しい半導体部品で世界最小となる。

内部の半導体素子や導線の微細加工技術を確立し、体積を従来品より82%以上小さくした。福岡県広川町の工場で13年4月から月100万個のペースで量産する。

村田製は縦0.25ミリ、横0.125ミリのコイルを開発した。従来品より体積が75%縮小した。14年度にも福井県越前町の工場で量産する。TDKも電源回路に使うコイルで極小部品を開発し、量産を始めた。

世界経済が減速するなかでもスマホ向け電子部品の需要は堅調に推移している。韓国や台湾勢も追い上げ、競争が激しくなっている。』

9月13日に、日経記事;『スマホ薄型化、競う 素材・加工を工夫』に関する考察 のタイトルでブログ・コラムを書きました。

この時の切り口は、スマホの小型化を支える部品・素材の開発を国内メーカーが支えている観点からでした。

スマホは、アップルやアンドロイドOS陣営、及びマイクロソフトの競争激化により、小型・軽量化・薄型、画面の見やすさ、搭載ボタンの滑らかさや高い使用感覚どで差別化・差異化を進める動きが加速していきます。

ソフトウエアの開発も加速します。国内企業は、スマホのOS部分については手が出ませんが、アプリソフトの分野では、ゲームソフトなどの提供が可能になっています。

国内メーカーは、残念ながら製品レベルでは、現状、アンドロイド端末に関して世界シェアを取れる企業はソニー以外に存在していません。ソニーシェアも数パーセントであり、完全に韓国・台湾勢に市場を押えられています。

スマホは、今後、高機能化、小型軽量化が進むことは間違いありません。

今後の国内メーカーは、スマホの高機能化、小型軽量化を支える素材・部品分野をさらに強化して、国内メーカーが供給しなければスマホが存在しない、プラットフォーム供給者として動く必要があります。

現在、国内メーカーが供給する素材・部品がスマホ製品内で使われるシェアは、約40%とのこと。この使用比率を更に高めて60%位まで持っていき、日本がスマホ部品の供給基地化となる動きが必要です。

これらの素材・部品は、スマホメーカーやOSに違いに関係なく使われますので、製品が売れれば当該部材の供給量が伸びます。

韓国・台湾・中国などの海外メーカーとの競争も激しくなりますので、高機能化、小型軽量化だけでなく、量産効果などでコストダウンを行って価格競争力を高めていくことも必要です。

また、各素材・部品の小型・軽量化に加えて、消費電力削減技術も重要になります。電池の性能も向上していきますが、一般的に高機能部品は消費電力を増やす傾向になりますので、低消費電力化を可能にする素材・部品は好まれます。

小型・軽量・省電力化が今後の素材・部品メーカーの共通課題になります。


更に、これらの最小化した部品の製品への実装や検査など、スマホ工場内の製造・検査装置なども国内メーカーが押える様にすることが肝要です。

国内には、上記素材・部品メーカーが集積していますので、これらのメーカーとの連携で製造・検査装置産業の強化が可能になります。

例えば、半導体製造装置では、東京エレクトロン、ニコン、キャノン、日立などの国内メーカーがあります。

東京エレクトロンが、米アプライド・マテリアルズや蘭ASMLを押えて世界ナンバーワンシェアを取れれば、部品だけでなく製造装置分野でも国内メーカーがプラットフォームを押えることができます。

スマホ関連の部品や製造・検査装置などの周辺事業分野には、国内で各種ベンチャー企業が研究・開発を行っています。

スマホ市場は、現在急速に伸びていますので、当該事業関連分野に参入したり、強化しようとしている企業は、今がそのことを決定・実行する時期です。

現在、国内大手企業は積極的な投資を押える傾向が強くなっています。

しかし、もし国内ベンチャー企業が独自性のある技術・製品を持っていれば、それを積極的に評価し、良いものであれば採用して新規事業開拓や既存事業強化を行う姿勢が大手企業にとって重要なことになります。

決定が遅れれば、新規事業や既存事業強化の機会を失う可能性があります。

もちろん、リスクを取りますので、事前の調査・検討が必要になります。しかし、その事前準備に多くの時間をかけ過ぎると、市場の変化に対応できなくなる可能性があります。


8月30日付の日経産業新聞に、キャノン電子が出資するプロブエース(東京・江東・木本軍生社長)は、微細化された半導体の通電確認を自動的に行えるウエハー検査装置を発表しています。

当該ウエハー検査装置は、2013年度から販売を開始し、2015年には200億円の売上を目指すとのこと。

半導体チップの性能向上を目指すため、各半導体メーカーは、回路の微細化や3D(3次元化)を進めており、複雑な検査を高精度で且つ短時間に行う自動化装置は必要になります。

上記プロブエースは、国内ベンチャー企業の一例です。

国内大手半導体製造・検査装置メーカーが、この検査装置を評価し、良いものであれば採用すれば、当該メーカー製品の競争力が向上します。

スマホメーカーや工場に売り込めことにより、素材・部品だけでなく、製造・検査装置でも競争力を向上できます。

多分、プロブエースは、海外半導体メーカーにも積極的に売り込みますので、海外勢が先行して採用し効果を発揮すれば、国内メーカーの競争力は低下します。

大手メーカーがベンチャー・中小企業との連携;アライアンスを強化して、大きな成長機会をつかむことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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