(3)遺産分割の解除の可否
一度,遺産分割がなされれば,債務不履行を理由とした解除を認めないのが判例です(最判平成元・2・9民集43巻2号1頁)。その理由は,第1に,遺産分割には遡及効があり(民法909条本文),相続開始の時から遺産は協議内容に応じて各相続人に帰属していたことになりますから,協議自体の債務不履行は観念できないこと,第2に,解除を認めると遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ,法的安定性が著しく害されることにあります。
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