日経記事;"経産省,マレーシアでレアアース調査 脱中国依存"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"経産省,マレーシアでレアアース調査 脱中国依存"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月23日付の日経新聞に、『経産省、マレーシアでレアアース調査 脱中国依存狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『経済産業省は、マレーシアの鉱床でレアアース(希土類)の採掘を事業化できるかの調査に乗り出す。レアアースのなかでも特に中国への依存度が高いジスプロシウムを確保する狙い。鉱床から抽出する方法などを分析し、実際の採掘に向けた事業化計画を2013年2月までにつくる。

経産省所管の独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構がレアアース合金大手の三徳(神戸市)などと調べる。鉱床はゼノタイム鉱床と呼ばれ、次世代自動車モーターに欠かせないジスプロシウムを豊富に含む。

現地でサンプル調査し、鉱床に含むジスプロシウムの量や抽出方法を分析する。現地の鉱山会社が持つプラントで効率よく精製できるかも調べ、国内供給に向けた工程表を13年2月までに作る。

ジスプロシウムは国内調達の9割超を中国産が占める。ゼノタイム鉱床はマレーシアのほか、北米や北欧にも存在する。民間企業の採掘でも採算をとれれば、ジスプロシウムの調達先が多様化し、中国への依存を和らげられる可能性がある。

中国産レアアースは、10年9月に沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件をきっかけに、日本向け供給が一気に滞った。

今回の尖閣諸島を巡る対立では「今のところ調達に大きな支障はない」(経産省)という。ただ中国依存から脱却するため、日本政府は商社などと組んでカザフスタンや北米でもレアアースの権益確保を急いでいる。』


中国が輸出規制したレアアースについては、何度か本ブログ・コラムでも取り上げ来ました。2010年に起きた尖閣諸島での事件に関して、中国が日本への経済制裁の一環でレアアースの輸出規制を実施し、国内企業は大きな影響を受けました。

その後、国内企業が取った対応策は以下の通りでした。

1.大手商社が中国以外からのレアアース調達先を多様化
2.国内素材・部材メーカーがレアアース代替品の開発と実用化を促進
3.政府が国内企業と共同で代替品の開発支援
4.政府が国内企業と共同で中国以外のレアアースの鉱床の調査・開発支援(上記ジスプロシウムのような事例)

何れも中国産レアアースへの依存度を下げると共に、レアアースを使わない代替品の開発・実用化促進で、既に実現されており、当該依存度は確実に下がってきています。

今までの国内企業や政府の動き方は、冷静であり合理的なものです。更に着実、かつ、早期に実行・実現してレアアースへの中国依存度を徹底的に下げる努力を官民一体で行うことが重要です。


今回の尖閣諸島に関する日本と中国の摩擦は、かってない規模の反日デモに発展しました。その結果、パナソニックや他の国内企業の工場や店舗も火災にあったり、略奪の対象になりました。

特に印象的だったのは、パナソニックの工場が襲撃され放火されたことです。パナソニックは国内電機業界の中で、いち早く中国に進出し、中国近代化に大きく貢献した国内企業の一つとして知られていました。これは、創業者の故松下幸之助氏の考えによるものでした。

パナソニックの工場が標的になった理由は不明ですが、中国政府の意図があったとしたら、今後の中国市場に対する考え方を再考する時期になってくる可能性があります。

中国内の労働者状況も大きく変わってきています。一人っ子政策の影響で、労働者人口が減少すると共に、労働賃金が高騰している実態があります。

このため、衣料やアパレルなどの労働集約型生産工場は、このままでは中国内での事業継続が出来ないため、バングラデシュ、ベトナム、ミャンマーなどの他のアジア諸国に拠点を移管する動きが出ています。

また、中国と韓国は、日本にとって異質な国として理解する必要があります。この理由の一つが、子供の時から徹底的に行われる反日教育です。

この反日感情が両国の国民感情に埋め込まれていることを事実として認識し、両国の人たちや企業家などと会話することが重要です。

私は、会社勤務時期、及び、経営コンサルタントとして中小企業支援の中で、中国進出や中国企業との連携や買収などを経験してきました。

事業に問題ない時は表立って出てきませんが、幾つかの経営課題に直面した時に、何人かの中国人に反日の視点からの発言があり、会話や合意構成に大きなエネルギーを使う必要がありました。

今回の反日暴動は、中国進出リスクを冷静にみて、中国依存度を考える機会を与えているとみています。

日経記事によると、日本電産の永守社長は、中国リスクを特別視せず、他国と同じようなリスクであり、当該条件を織り込んで経営していくと発言されています。

また、ファーストリテイリングの柳井会長兼社長は、中国リスクを織り込んで今後も中国内で積極的に出店していくと明言しています。

永守さんや柳井さんのお考えは、今までの経営者経験に基づく見識であり、合理的です。

しかし、中小企業の視点からみますと、今後の中国展開はより慎重に考え実行する姿勢が重要となります。

中国に新規に進出したり、新規設備投資を行うに際し、中国が適切な国かどうか見極める必要があります。

特に製造業の場合、中国進出に失敗しますと大きな痛手をこうむり、最悪の場合倒産する可能性があります。

先日、ある中小製造企業から中国進出のご相談を受けました。この時に、最後にアドバイスしましたのは、先ず国内から中国や他国への輸出から始めようと言うことでした。

このアドバイスは、今まで海外市場に販売したことが無い、且つ、初めての海外進出であること、中国リスクの分析結果などに基づいています。

中国は巨大市場です。国内企業にとっては大きな魅力があります。この中国に対しては、徹底的に知恵を絞って考え、客観的な情報に基づいて計画・実行することが大事になります。

中国に進出する時は、リスク管理を徹底的に行う必要があります。リスク管理を行うことにより、異変があったときに被害を最小化します。

同時に、アジア市場での販売や進出など、他の選択肢も考えて、合理的であれば実行し、中国に依存しない姿勢も持っていることも重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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