日経記事;『ソニー、黒子が映す主役交代』に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ソニー、黒子が映す主役交代』に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月19日付の日経新聞に、『ソニー、黒子が映す主役交代』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『反日デモの広がりなど日中関係が緊迫化するなか、ソニーは18日に2工場の操業を取りやめた。安全確保を優先したためで、今のところ被害はでていない。

この日、株価は4%以上上昇し、2カ月ぶりに1000円台を回復した。市場は中国リスクよりも円高・ユーロ安の修正を好感したようだ。

業績面では今後の焦点が年末商戦の動向に移る中、好調なのがひとり気を吐いている部品事業。これまでデジカメや携帯電話などを裏から支えてきた「黒子」は表舞台に出て、ソニー復活の救世主になれるだろうか。

10月に発売するデジタルカメラやスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)に使うCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーは、「技術的には(他社と)2年以上の開きがあると思っている」(鈴木智行執行役)という自信作。

撮像画素と信号処理の回路を2つのチップに分けて、独自の技術で積層化した。そのことで暗い部屋や夜でも明るく撮影でき、逆光でも鮮やかな色で撮影できるようになった。さらにこれまでより14%小型化できたことで、小型薄型が進むスマホにも搭載しやすくなっている。

CMOSは回路を積層化することで小型化し、スマホへの拡販を狙う。

画像センサーは自社のデジカメやスマホ向けだけでなく、外販も手がける。06年3月期ごろから本格展開を始めたCMOSでは小型化、高画素化で先行。

スマホ向けではすでに1割を超えるシェアを持つが、今回開発した製品で「2014年3月期には世界シェア3割以上」(上田康弘業務執行役員)を目指す。

高いシェアを背景に収益性も高まっている。画像センサーが含まれるデバイス部門は4~6月期に前年同期の3倍の159億円の営業利益を計上。テレビやゲーム、スマホといった他のエレクトロニクス事業が軒並み赤字の中で全体を下支えした。

さらに13年までに800億円を投じ、長崎県諫早市の工場を増設することを決定。生産能力を月産4万5000枚(300ミリウエハー換算)から6万枚まで拡大して、「スマホを中心に拡大する」(鈴木執行役)市場の取り込みを図る。収益や投資の面から見ても、すでに最終製品に代わる主役となりつつある。

画像センサーを含むデジタルカメラや放送機器などのデジタルイメージング(DI)は中期経営計画で掲げた3つの中核事業の1つ。

15年3月期には営業利益率2ケタという高い目標を掲げており、画像センサーだけでなく、最終製品の成長も欠かせない。

鈴木執行役は画像センサーの競争力が高い要因について「社内にデジカメやビデオカメラの開発部隊がいて常に厳しい目にさらされていた」と部品から製品まで手がける垂直統合を挙げる。「内販も外販もフェアだが、技術をよく知るのは社内」(上田業務執行役員)というなかで、今後は連携して最終製品の拡販につなげられるかが問われる。

 ソニーはオリンパスとの資本提携について最終調整に入っている。実現すれば約500億円を出資する見通し。オリンパスは内視鏡で高いシェアを持つ。

垂直統合によって市場ニーズにそった製品を投入できれば、スマホに次いで需要拡大が見込める医療分野での拡販につながる。ただ稼ぎ頭とはいえ、増産と合わせて1300億円の投資を回収するのは容易ではない。

「輝きを取り戻すためにデバイスからソニーを変える」(鈴木執行役)という黒子の物語はこれからがヤマ場となる。」


ソニーの新経営方針として、平井社長はエレクトロニクス事業再生の重点施策として以下のように表明しています。

● コア事業の強化(デジタルイメージング、ゲーム、モバイル)
● テレビ事業の再建
● 新興国での事業の拡大
● 新規事業の創出/イノベーションの加速
● 事業ポートフォリオの見直し/経営のさらなる健全化

各施策の内容についての詳細は、未だ発表されていません。このような事業環境下、ソニーの株価は過去最低まで下がった時期もありました。

ソニーが新規事業分野として期待しているものの一つが医療です。医療分野は、人口増加と所得水準の向上により、今後、アジアを中心に世界市場で大きな成長が期待できる市場です。

ソニーは、今までカメラやモニター、映像記録装置などの製品で医療分野には入ってきましたが、本格参入はしていませんでした。

ソニー自身はまだ肯定していませんが、最近の日経記事に、オリンパスの提携先をソニーとすることを事実上決めたと報じられました。

オリンパス側からみますと、500億円の出資は別として、デジタルカメラ事業の再生と、ソニーが持つ世界最高と言われるCMOSなどの画像センサー技術の取り込みが決め手となったとのこと。

この提携が実現するのであれば、ソニーは内視鏡と当社が得意とする装置を組み合わせてより広範囲での事業展開が可能になります。

また、ソニーの高性能画像センサーデバイスは、オリンパスにとっても内視鏡商品の商品力向上につながります。

このような医療分野における両社の協業は、「Win/Win」の関係になり、高精細度映像情報の見る、貯める、送るなどの一連の流れが可能になれば、手術行為を含む医療行為全体の向上に寄与するとみています。

ソニーが医療分野で新規事業を立ち上げるには、オリンパスとの協業をてこにどこまで大きな青写真を広げて書き、実行できるかにかかっています。


また、画像センサーなどの部品事業を拡大して、急成長しているスマホなどにより高性能品を供給して事業基盤を拡大させていくことは期待がもてます。

ソニーは、リチウムイオン電池を世界で初めて商品に実用化した企業です。ソニー内部では、電池事業の扱いをどのようにしているか判りませんが、もし累積した基礎技術を持っているのであれば、電池事業を柱の一つにしていくやり方もあります。

電池は、今後共各分野で急速に使用されていきますし、顧客からの仕様や性能に関する要求も多様化していきます。

ソニーが電池に関してこれらの顧客要求を満足できる技術力を持っていれば、電池は大きな新規事業になります。

画像センサーのような部品や電池は、社会や事業活動を支えるインフラです。何度か本ブログ・コラムで書きました様に、インフラを支える部品や製品を出していくのは、供給先の市場が伸びていれば、当該市場で圧倒的な存在感を示せます。

パソコンが、マイクロソフトやインテルがいないと存在しなかった状況と同じです。

かって、米GEは、総合家電メーカーでしたが、当時日本メーカーとの競争に負けて当該事業から大幅に撤退して、医療分野などの新事業を立ち上げました。

米IBMも不採算が見込まれたハードウエア事業から撤退し、ソフトウエアを中核とした事業分野で成長しています。

ソニーから、上記4つの再生重点施策に関し、具体的な実行施策の発表があることを期待しています。

集中と選択の過程では、新事業の明確化とその分野への本格的な集中がポイントとなります。合理化は誰でも出来ます。しょうしょう言い過ぎですが。。。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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