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日経記事;"セコム,東電のデータセンター事業買収 500億円で"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月18日付の日経新聞に、『セコム、東電のデータセンター事業買収 500億円で 国内最大級の施設取得へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『セコムは東京電力からデータセンター事業を買収する方針を固めた。運営子会社の株式の過半を取得する方向で最終調整している。買収額は500億円前後とみられる。

国内最大級の施設を取得し、企業の重要なデータを安全に保管する事業の拡大を狙う。東電は大型資産の売却にメドをつけ、再建策の「総合特別事業計画」で掲げた合理化目標達成に一歩近づく。

セコムが買収するのは東電子会社の「アット東京」(東京・江東)。総床面積14万平方メートルの大型施設など東京都内で複数のデータセンターを運営する。年間売上高は約250億円で、東電がグループで株式の8割程度を握り、残りを情報システム構築のインテックが保有する。

アット東京買収には商社や大手電機なども名乗りをあげていたが、好条件を提示したセコム1社に絞られた。現在、買収条件の詳細を詰めており、月内に最終合意する見通し。東電は売却後もアット東京株の約3割を継続保有する方向で協議している。

セコムは都内に複数のデータセンターを開設、来秋にも新拠点を開業し施設の規模を現状の計約1万平方メートルから1.5倍に広げる計画。東電の事業を取得することで規模は一気に約10倍に広がる。

データセンター事業の売上高は単純合計で300億円程度に増え、機器の販売を含まないセンターの運営のみで富士通、KDDIといった国内大手と並ぶ可能性がある。

民間調査によると国内のデータセンター市場は2011年度の1兆4150億円から5年で3割ほど伸びる見通し。特に東日本大震災以降は事業継続計画(BCP)の一環でデータのバックアップを目的とした需要が急増している。

警備で130万件強の契約基盤を持つセコムが事業規模を大幅に拡大することで、データセンターの顧客獲得競争が激化しそうだ。

東電とセコムは原子力発電所の警備事業で協力関係にある。1977年設立の日本原子力防護システム(東京・港)にセコムが50%、残りを東電など電力3社が出資している。

東電は原子力損害賠償支援機構と共同で策定した総合特別事業計画に、2011年度から3年間で総額7074億円の資産を売却する方針を盛り込んだ。KDDI株など有価証券のほか、グループ会社株の売却を進めている。

45社のグループ会社の株式売却総額は1301億円を見込み、6月までに関東天然瓦斯開発など727億円分を売却した。

アット東京の売却で有価証券や不動産などを含めた資産売却の総額は5000億円規模に達する見通し。今後も火力発電所の建設を他社に開放する入札方式を導入するなどして設備投資を圧縮し、経営合理化を急ぐ。』


本日の記事は、改めて、データセンターに対する需要・ニーズの強さを感じさせます。記事によると、セコムは、東電に対し最も良い好条件を出して、500億円でアット東京の事業買収を決めました。

セコムは、この金額を出してもデータセンターの需要の強さから十分に投資回収出来ると踏んだからです。

国内データセンターの需要は、ミック経済研究所の調査結果によると、2011年度で1兆4150億円
の市場規模を持っており、2016年には1兆8000億円程度と約30%の成長が見込まれています。

最近、急速に需要が伸びたのは、昨年の大震災以降、企業や自冶体のデータを保存し、インターネット環境とパソコンがあればどこでも仕事を出来るようにするために、データセンターを活用する顧客が増えたことによります。

データセンターの使命は、どんな震災や事故が起こっても顧客から預かったデータを保存することにあります。

データセンターを活用する顧客の立場からは、首都圏や近畿圏などの大都市周辺にデータセンターが集中することは好ましくありません。


そのため、保存データの消失リスクを最小化するため、地方のデータセンターを活用する動きも活発化しています。

その動きを加速していますのが、コンテナを活用した小型データセンターの普及です。これは、以前の本ブログ・コラムにて書きました様に、2011年3月の国土交通省の通達により、稼働時に無人となるコンテナ型データセンタについて、建築基準法上の建築物に該当しない旨の方針が示されたことによります。

データセンター稼働時にコンテナ型データセンターが無人になるものは、建築基準法の適用範囲ではなくなりますので、データセンター事業者は、作る際の投資金額を大幅に減らすことができます。

規制緩和をすると、新規事業の機会が生まれる好事例の一つです。

データセンター自体の需要は強いですので、廉価にサービスを提供することで、コンテナ型データセンター事業者は顧客獲得を出来ているようです。

また、コンテナ型データセンターの強みは、大型ビルに入ったデータセンターと比べて、簡単に移設できることです。

電力不足や、地震などの災害で現在の設置場所に問題が生じた場合、コンテナごと別の適地に移動・移管できるメリットがあります。

コンテナ型データセンターは、当初中小・中堅企業中心に事業展開されてきましたが、最近は日立やIIJ(インターネットイニシアティブ)のような大手も積極的に参入し、設置数を増やしています。

IDCジャパンによると国内のデータセンターの建設投資額はクラウドサービスの利用増やビッグデータ解析の普及により、2016年に3429億円と11年と比べ14%増える見通し。

現時点でコンテナ型の敷設数は「100台以下」とされるが、電力不足への対応のしやすさなどで普及が加速しつつあるとのこと。


データセンター運営課題の一つに、高い電力消費量があります。サーバー、或いはサーバーから出る熱を冷やすために多数の空調装置を付けて24時間稼働させるからです。

日本国内には電力不足と、高い電気代によるコスト高の二つの課題があります。

記事によると、IIJは、縦8.7メートル、横3.1メートル、高さ3メートルのコンテナに約360台のサーバーを格納。コンテナは静岡県内のメーカーに特注する。外気を取り入れる空調を採用し、空調の消費電力を通常の建物型の約10分の1に削減するとしています。

これが実現すると、上記二つの電気に関する問題は解決され、クラウド事業の価格競争力は高まりますので、集客増が可能になります。

また、電力不足問題にも貢献することになります。

サービス条件を改善して、データ保存性の信頼度を高めながら、電力消費量を下げる努力を継続的に行う事業者が勝ち組になります。

クラウド需要は当分の間、右肩上がりで伸びることが見込まれていますが、顧客は、上記勝ち組になる事業者を信頼して選ぶことになります。料金が安くても保存データの消失防止を約束できないデータセンター事業者は、淘汰されます。

セコムが、大手データセンター事業者に名乗りを上げますので、今後、富士通、KDDI、NEC、IBMなどと激しい競争が起こります。

各社が切磋琢磨して、国内のデータセンター事業を発展させて、社会インフラとして確固たる地位を確立しながら、海外市場の開拓を含めて成長産業に発展させることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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