前回、簡体字(省略漢字)について書きましたが、マリンバを簡体字で書くと「馬林巴」となるそうです。音に漢字を当てはめたのですね。
今回のコンサートは合計20組のチームと個人が演奏しました。
日本側が9グループ、中国側が9グループ、中国のマリンバオーケストラ(大編成アンサンブル)が1チーム、最後は日中合同演奏で2曲を演奏しました。
その内、私は3曲を演奏しました。
1曲目はヨハン・シュトラウス2世作曲、朝吹英一編曲「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。
全体では3番目の演奏順でしたが日本チームではトップバッターでした。
マリンバ6、ピアノ1、打楽器1、の八重奏。私は打楽器を担当。
打楽器は日本から持っていったトライアングルと現地でお借りするシンバルだけで演奏する予定でしたが、ステージにドラムセットがあったので急遽お借りすることに。
この曲の演奏者は日本各地に散らばっているためにこの8人であわせるのはリハーサルが最初でした。
リハーサルも1回通すだけの時間しかありません。
リハーサルではドラムをセッティングした位置がよくなかったため全体を見渡すことができないこともあって、ずれずれの失敗。
本番はバッチリでした。
今回のアンサンブル譜と元々のオーケストラスコアの打楽器譜を暗譜しておくとこういう時に便利でした。
しかし、このメンバーでもっとやりたかった。残念。
2曲目はカルテット。E.ハッチ作曲「Concert Conglomerate」(コンサート・コングロマラータ)をマリンバ四重奏で。
この曲はあまり演奏される機会がない曲でした。もしかすると本邦初演かもしれません。でも披露する場所が日本じゃないから、本邦? どんなものでしょう?
作曲者のハッチはアメリカのマリンバ奏者で作曲家でもあり、マリンバのソロ曲をいくつも作曲しています。
そちらの方はコンクールや試験曲、コンサートでよく演奏されています。
この曲はイングランドやスコットランド、アイルランド(よくいうケルト音楽)といったイギリス各地の民謡を基にメドレー形式で演奏される3楽章からなる曲です。
タイトルのコングロマラータは「集める、集合する」という意味があります。
楽譜に書いてあるサブタイトルを参考にすると「スコットランドやアイルランドの民謡を花束のように束ねた演奏会用組曲」とでもなるでしょうか。親しみやすい曲調の曲です。
長野県内から今回の中国公演に参加した4人でアンサンブルを組み、演奏しました。
今回私が演奏した曲の中ではフルメンバーで一番合わせが多くできた曲です。
一緒に演奏して下さった方は皆さん上手なので私はついていくだけでよかったのですが、率直に意見を言い合える方ばかりでしたので、国内でのリハーサルは苦しいながらも充実した練習をおこなえたと思っています。
カルテットということでステージ上に4台のグランドマリンバをセッティングしてリハーサルに臨みましたが、最初にセッティングした場所では互いの音が聴きづらく、合わせにくかったので本番は少し変えてみました。
それがバッチリ! でした!
アンサンブルの密度では一番良かったのではないかと自負しております。真相はわかりませんが…。 つづく
※写真はリハーサル中に撮りましたので横幕は低い位置にありますが、本番はちゃんと定位置に上がりました。
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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