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日経記事;"ソニー、オリンパスと月内に合意へ 500億円出資"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月15日付の日経新聞に、『ソニー、オリンパスと月内に合意へ 500億円出資』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『オリンパスとソニーは月内に資本業務提携で合意する見通しになった。両社が開く取締役会で、ソニーが500億円前後を出資し、内視鏡を中心とした医療機器事業やデジタルカメラなどの映像事業で協力することを正式に決める方針。

オリンパスを巡ってはテルモが経営統合を提案するなど複数の企業が争奪戦を繰り広げてきたが、本命としてきたソニーとの提携で最終決着する。

オリンパスはソニーに対し早期の合意締結を提案した。月内の取締役会で資本受け入れなどを決議するとみられる。

ソニーも月内にも出資を決めるもようだ。粉飾決算で傷ついたオリンパスの財務体質改善に道筋がつく。

協業の具体策では医療機器事業の共同出資会社を設立する方向で詰めている。ソニーからオリンパスに役員を派遣することなども協議している。

オリンパスに対してはテルモ以外にも富士フイルムホールディングスなども資本業務提携を申し出ていた。ただしソニーは内視鏡に使うセンサーで独自の技術を持ち、オリンパスが不振のデジカメでも世界シェアが高い。これらのことが、オリンパスがソニーとの提携に踏み切る決め手になったとみられる。

オリンパスは過去の財テク失敗の損失を隠すために決算を粉飾。この訂正に伴って6月末の自己資本比率は2.2%まで下がっていた。

ただし役員派遣などでは両社の意見に隔たりもあり、最終合意が10月以降にずれ込む可能性も残っている。

オリンパスが資本業務提携の相手としてソニーを選ぶのは、医療機器事業の強化と映像事業の再建という経営課題を同時に解決できるためだ。

経営統合を提案したテルモはデジタルカメラ事業を持たないことで後れを取り、富士フイルムホールディングスは内視鏡のシェアの高さが提携交渉で不利に働いた。

「富士フイルムとは組みにくい」。オリンパス幹部は6月下旬にソニーと資本業務提携する方向で最終調整に入る際、こう語っていた。オリンパスは内視鏡で世界シェアが約7割に達し、富士フイルムと合わせると9割近くになるとされる。これが提携の障害となったもようだ。

その後はソニーとの交渉が本格化したが、医療機器事業で協業する具体策づくりなどに時間がかかり、結論を出せない時期が続いた。

これを受けて7月下旬には、テルモがオリンパスに経営統合を提案した。テルモは「医療機器で両社が組めば世界の大手になれる」と持ちかけたが、デジタルカメラ事業を持たないため、オリンパスにとって優先順位の高い同事業の再建では具体策を示せなかった。

ソニーは内視鏡への応用に向く高精細なCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーで高い独自技術を持つ。オリンパスと内視鏡を共同開発すれば従来にない性能の製品を開発できる可能性がある。デジカメでも高い世界シェアを持ち、オリンパスの同事業とも相乗効果が見込める。これらが決め手となった。』


オリンパスが今年の春ころから探していた提携先を、ソニーとして最終決定したようです。通常、このような提携話は、報道で公になって以来長時間立ち過ぎますと上手く行かないケースが多いのが実情です。

勿論、オリンパスとソニーの提携が世界市場で大きな勝ち組になるための施策を打ち出すことを大いに期待します。

オリンパスは、資本増強を除けば、ソニーとの協業で最も効果を出したいのは、デジタルカメラ事業の再強化です。

デジタルカメラ市場は、スマホのカメラ性能の向上とスマホの急激な販売数量の伸びにより、世界市場で縮小傾向になっています。

デジタルカメラ市場が完全になくなることはありませんが、縮小する市場で勝ち組になるためには、ナンバーワンのシェアを取ることが必要です。少なくともナンバーツーのシェアを確保することが必須になります。

オリンパスとソニーは、デジタルカメラ事業で世界トップクラスのシェアを取るための技術・商品開発を行って徹底的に他社に対し差別化・差異化を可能にする事業展開を行う必要があります。

両社の持っている技術力をつぎ込んで他社を凌駕し続ける姿勢と実行力が重要となります。

ソニーの視点でみますと、ソニーは、現時点で家庭用事業ではテレビに代わる新規成長の柱を見いだせていません。

スマホやタブレット型パソコン市場は伸びていますが、競合他社が多く、ソニーは現在世界市場で大きなシェアを持っていません。

ソニーは、現在新成長事業分野の検討をしています。

報道記事によると、ソニーは医療分野を成長の柱の一つとして考えているようです。医療は、人口増加と長寿化により、世界市場で確実な伸びが期待されています。

医療市場は、高度技術を持って適正な価格設定した商品ならば、必ず売れますし、利益も確保できます。

一般家庭商品のように安値攻勢にさらさせません。ソニーが医療を含む業務用途で事業を強化する姿勢は価値があります。

医療分野に入るのであれば、中途半端な形ではなく、GEが行っているように本格的に参入し、市場に対しコミットする積極さが求められます。

ソニーは、従来医療分野には今まで本格的な事業を行ってきませんでした。ソニーは得意なセンサー技術や高精細度のカメラ技術を中心に本格的な展開を行えば、一定規模の収益を上げられる可能性があります。

オリンパスは、内視鏡では世界で70%のシェアを持っているトップ企業です。ソニーの潜在技術とオリンパスの技術力・ブランドや販売体制などを活用できれば、内視鏡だけでなく他の医療機器でも、モニターなども含めて新商品展開が期待できます。

オリンパスとソニーに期待するのは、医療分野で掛け算効果が出る新事業の創出です。例えば、医療用機器の中で、カメラや映像に係る分野では圧倒的な技術力で他社に対し差別化・差異化を図り、大きな売上を確保することです。

1+1の効果ではなく、5X5位の相乗効果です。世界市場でGEなどの欧米企業に打ち勝って初めて、両社の「Win/Win」効果につながります。

両社が今後検討し、発表する協業の具体的な内容に期待し、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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