金、原油、トウモロコシ、CRB指数など商品の値動き

昨日までは、株式と債券(国債利回り)の動向を紹介しました。今回は商品の価格を紹介します。

商品の代表選手として、金(NY金先物価格)と原油(NY原油先物価格WTI)を株式はS&P500と比較したものです。期間は2012年2月29日～8月31日です。起点を2月29日として価格の騰落率で表しています。
傾向として、金価格は米国株式(S&P500)の値動きにか関連して値段が動いています。株価が下がれば金の価格も下がり、株価が上がれば金の価格が上がる傾向が有ります。
一方、原油価格は株価の変化が増幅した形でグラフが動いています。原油は4月末から急落して6月末に底を打ち7月8月で上昇していますが、まだ6月末に対して－10%下がっています。

過去、金は株式と異なる値動きということで買われたことがありますが、ここまで株式との相関が高まれば、日本の一般投資家の場合には、ハイパーインフレに備える場合以外は必要のないものかもしれません。


下記は商品の代表的な指標である、シカゴトウモロコシ(黄色)、NY原油(ブルー)、そしてCRB指数(ワイン色)を比べたもので、期間は2012年2月29日～8月31日です。
トウモロコシの価格が6月中旬から急伸している事が解ります。現在米国は干ばつでトウモロコシの作況悪化で在庫が最低レベルになっています。8月末で1ブッシェル8ドルと言う大台を超えています。今後の食料品への影響が懸念されます。


下記は代表的な原油の指標価格の推移を表しています、NY原油、ICE北海ブレントとドバイ原油スポット価格です。トレンドは変わりませんが北海ブレンド(ワイン色)が常にNY原油(黄色)を上回った動きをしています。指標としての位置づけが移行していると考えられます


相場の値動きで行う商品の売り買いは投機です。株式は購入することで、生産・サービスのリターンが得られますが、商品先物では買った投機家が利益を得れば、売った投機家は損失を被るゼロサムの世界です。

実需の世界では、先物価格が形成されることでヘッジ(リスクの回避)することができるので有用なものです。また機関投資家が参加することで流動性が高まり、よりヘッジが有効になります。しかしながら、我々一般投資家は手を出しても情報量・判断基準そしてスピード、資金量の点でプロに敵いませんから、お客様にはお薦めしていません。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者　(東京)第188140号
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吉 野　充 巨
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