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日経記事;『火力発電の参入促す 新増設など』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月14日付の日経新聞に、『火力発電の参入促す 新増設など、電力会社に開放義務 コスト削減狙うす 新増設など、電力会社に開放義務 コスト削減狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『経済産業省は火力発電事業を電力会社以外に開放する。ガス大手や鉄鋼メーカーなどが低コストでの発電を競う入札制度を導入する。

脱原発依存で火力発電所への比重が高まる一方、燃料価格の高騰も見込まれる。発電事業への新規参入を促して電気代を抑制するとともに、大手電力による独占体制の見直しにつなげる。

経産省は月内に電力会社の火力発電計画について「入札実施を基本とする」との指針を公表。実質的に入札を義務づける。

電力会社は、新規事業者が新増設する火力発電所から電気を購入する際の条件などを提示。鉄鋼メーカーなど現在も自社用に火力発電を行っている企業から事業計画の提案を受けつける。発電所の建設や運営の費用が最も少ない事業者を選び、電気の売買契約を結ぶ。

電力会社は自社で入札に参加し、落札することもできるが、入札制度の導入により、域外の電力会社のほか、発電ノウハウを持つガスや鉄鋼、化学など独立系発電事業者(IPP)が本格的な火力発電事業に参入しやすくなる。

例えば、東京電力が入札を実施する場合、他の電力会社が東京湾の臨海地域に遊休地を持つ素材企業と組み応札することなどを想定。発電所用の土地取得コストなどを抑えたり、シェールガスを利用したりして東電が自前で発電するよりも安い電気を企業や家庭に提供できる環境を整える。

入札の対象となるのは、2019年度以降に運転を始める新増設の発電所のほか老朽施設の更新投資。18年度までに運転を始める発電所は、すでに電力会社が自社で建設を進めている例が多く、入札対象から外す。

電力10社とJパワーの現行計画では入札対象となる19年度以降に運転を始める火力発電所の建設は15件。このうち東電は総合特別事業計画で19年度以降に運転を開始する石炭火力発電所で入札を実施するとしている。

現時点で計画のある15件の合計出力は、原発14基分にあたる1450万キロワット超に上る。政府のコスト等検証委員会の資料をもとに試算すると、入札で最大2300億円の建設費を圧縮できる。

火力発電所の入札制は1995年に導入し、卸電力取引市場の整備に伴って03年に廃止した。同省の試算では、当時は建設費などを1~3割削減できた。入札の復活で今回も建設費を最大1割圧縮できるとみている。

経産省の調査では、発電所建設に適した土地は全国に25カ所ある。発電所を建てると、合計1965万キロワット分の発電が見込めるという。

落札した発電事業者は15年間、電力会社に電気を卸す。入札案件の概要や落札者の決定を公表する前に、有識者委員会が価格などが妥当かチェックする。

大災害の発生で発電能力を緊急に増やさなければならない場合は、資源エネルギー庁が認めれば入札を実施せずに発電所を建てられる。』


本日の記事は、発電コストの削減と安定した電力供給量の確保を目指して、火力発電に関し競争原理を取り入れる仕組み作りの一つについて書いています。

記事によりますと、経済産業省は電力会社に対し、新規に火力発電所を作る場合、「入札実施を基本とする」との指針を出します。

この指針自身に強制力はありません。電力会社は自社の判断で、入札を行わず自前で発電所建設ができます。

この場合、電力会社は入札を実施した場合にかかる費用との差を電気料金に転嫁することを認めない方針とのこと。

つまり、電力会社は実質的に入札が義務化されます。

この入札の仕組みが導入されますと、電力会社は極めて透明性の高い状態で、入札条件を公開し、発電所の建設や運営の費用が最も少ない事業者を選び、電気の売買契約を結ぶことになります。

また、有識者委員会は、電力会社が入札案件の概要や落札者の決定を公表する前に、価格などが妥当かチェックする、権限を有するとしています。

現在、政府や官公庁が発注する事業は、入札が一般的になっており、過去多く行われていた随意契約は少なくなっています。

入札では、発注者側が設定した入札条件に一番近い企業や事業者が選ばれます。その観点からは、電力会社は公的に透明性が高く、合理的な入札条件を出す必要があり、応募事業者は、経済合理性の面から検討し、採算が取れれば入札に参加することになります。

談合があれば、この入札の仕組みは機能しませんが、有識者委員会が入札前と入札後にチェックする機能を持ちますので、当該委員会が中立性を保っていれば、透明性が高く経済合理性のもとに、火力発電事業者が選定されます。

適正な競争と透明性により、発電コストが見える化されますので、合理的な電気代の設定につながります。

発電、送電、電気の消費までの全てのプロセスは、可能な限り透明化して経済合理性の原理を働かす必要があります。

特に発電コストの低減化を促進する必要があります。国内製造業を維持発展するためにも、低コストでの安定発電を実現することが重要です。


原発に対しては、感情的な面だけから考えずに、原発の安全性と発電コストも含めて客観的にどう活用するか考える必要があります。

最新の技術を導入すれば、福島原発事故は防げるとの見解も出されています。勿論、簡単に鵜呑みは出来ませんが、技術的な検証と環境への影響、正確な発電コストの算出など確認すべき項目は多数あります。

スケジュール化して客観的な見地から、原発の発電所としての活用の可能性を確認することがポイントです。


火力発電については、入札制度による競争は、新たな事業機会を関連企業に提供します。高効率の発電方式によるコスト削減やCO2排出量を最小化する装置の開発が必要になるからです。

この競争は国内企業の技術競争力を強化して、海外の火力発電所に関する受注合戦に参入し受注できる可能性が高くなります。

どの国でも電力供給は大きな課題です。石炭、石油、天然ガスなどを使った火力発電装置の世界市場で勝ち組になれれば、大きな産業として育成できますので、国内企業は勝ち組になる必要があります。

低コストで且つ安定した電力供給という必要性は、新技術開発の発明の母になります。公開入札という自由競争下で培った技術で勝負し、勝つことがどの関連企業にも求められます。


また、送電や電気の消費の面でも、様々な新技術導入で、送電ロスの最小化や高度な節電を可能にする技術開発が進んでいます。

これらの技術を早期に実用化し、国内市場で活用することで効果が確認出来れば、世界市場で事業化出来ます。

中堅・大手だけでなく、多くのベンチャー・中小企業が節電事業に関わろうとして新技術の開発を行っています。

電気事業者や企業、一般消費者は、送電ロスの最小化技術や節電技術を積極的に取り入れて、これらの関連企業に事業化・実用化の機会を与えることも重要になります。

何回か本ブログ・コラムで書いていますように、エネルギー・環境関連事業は、今後の日本を支える柱の一つになります。

今回の火力発電所の公開入札がそれを加速させるきっかけの一つになることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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