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日経記事;"ヨーカ堂、正社員を半減 パート9割に"に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月8日付の日経新聞に、『ヨーカ堂、正社員を半減 パート9割に 15年度メド、人件費100億円削減』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『セブン&アイ・ホールディングスは傘下のスーパー、イトーヨーカ堂の運営をパート中心に切り替え、2015年度をメドに現在の正社員8600人を半分に減らす。

パートタイマーの比率を現在より13ポイント高い90%に引き上げ、15年度の人件費を100億円削減する。収益構造を転換し、スーパー事業を抜本的に立て直す。

ヨーカ堂は正社員を削減する一方で、パートを6800人増やし、サービス水準や販売力の引き上げをめざす。

イオンなど主要スーパーのパート比率は80%前後で、ヨーカ堂が目指す90%は業界で突出した水準となる。

優秀な人材を採用するため、パートの給与制度を改める。生鮮品の加工などで高い技能を持つ人に現在の2~3倍の給与を支払う。役員クラスや店長などとして登用する仕組みも設ける。

パートの採用拡大により15年度の総従業員数は4万500人と現在より約2500人増えるが、人件費は7%減の1330億円になる見通し。

正社員の削減はグループ内の他社への転籍や、採用抑制によって実現し、希望退職は実施しない方針だ。最大の転籍先は、出店を加速するコンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンで、小売り業務に通じたヨーカ堂社員を店舗の経営指導員や直営、フランチャイズ加盟店の店長に据える。

百貨店のそごう・西武でもヨーカ堂社員を受け入れ、プライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発などに活用する。

ヨーカ堂の11年度の営業利益は東日本大震災後の特需を追い風に105億円と前の年度の5倍近くに増加。ただ12年度は他社との低価格競争が激化し、3~5月期の営業利益は前年同期比57%減の23億円と再び苦戦している。

同社は首都圏を中心にショッピングセンター「アリオ」の出店を加速する一方で、不振店の閉鎖も手掛けるなど店舗網の再構築を急いでいる。人員体制の見直しにも取り組みスーパー事業の成長力を引き上げる。』

上記記事に加えて、同日付の日経に、『西友、1000品目追加値下げ ウォルマートと連携 来年中に5%前後』のタイトルで記事が掲載されました。

西友は2013年中に売れ筋の食品や日用品など1000品目強を値下げする。下げ幅は5%前後。これに先駆け年内にも定番商品の価格を引き下げる。親会社で小売業世界最大手の米ウォルマート・ストアーズと商品調達で連携を深めコストを削減。14年の消費増税を控え、強まる消費者の節約志向を取り込むとのこと。

ヨーカ堂や西友の動きの理由は、二つあります。

一つは、消費税の増税前に、消費者に安い価格で商品提供するための環境作りです。ヨーカ堂は、正社員を半減して人件費を削減することで、固定費を圧縮します。これにより、他社との価格競争に勝ち抜くための、原資を確保する狙いです。

西友は、ウオルマートの商品調達網の活用で仕入れ原価を圧縮して、値下げの原資を確保します。
実質的に、西友を国内のウオルマート化して、低価格スーパーとして事業することになります。

国内市場は、少子高齢化と人口減少で横ばいか右肩下がりの状況になっています。また、消費者も収入が増えないことや、消費税の増税などで、商品の販売価格に敏感になっており、イオンなどの他社も値下げを行ってきます。

縮小する市場で勝ち組になるには、最大のシェアを取る必要があります。値下げは、シェア獲得の最大の武器になります。

もう一つの理由は、アマゾンや楽天などに代表されるインターネット通販の伸びです。流通市場では、市場全体の規模は拡大していませんが、ネット通販市場は拡大を続けています。

アマゾンや楽天などの大手通販業者は、取る扱い品目の数を増やしています。また、国内各所に物流センターを強化拡大中です。

Webサイトでの商品の見やすさ、注文のしやすさ、低価格化、注文してから配送されまでの時間短縮、配送代金の無料化などの施策を次から次に打って顧客獲得に積極的な動きをみせています。

国内スーパーの最大の競合相手は、アマゾンになるとみています。スマホやタブレット型パソコンの急速普及で、顧客は何時でも何処でも商品価格などの比較ができ、同じものであれば価格の安い店から購入することが当たり前になりつつあります。

アマゾンは米国で培ったノウハウをそのまま日本市場に提供して、量と質の両面で市場を取りに来ます。

国内スーパーもコスト圧縮を図って徹底的に効率化して、アマゾンや楽天などに対抗しないと勝ち残れなくなります。

西友は、実質的にウオルマート化しますので、この観点から米国流の効率化された仕組みを取り入れますので、他社より価格競争力で優位になる可能性があります。

ヨーカ堂はその状況を見据えて、人件費圧縮に走りだしたとみます。

大手スーパーや中堅スーパーに納入しているメーカーも、知恵を絞らないと価格競争に巻き込まれてしまいます。

例えば、食品メーカーは、大手スーパーへの納入価格値下げの圧力を大きく受けることになります。また、大手スーパーから、PB商品開発の協力要求も強まるでしょう。

食品メーカーは、何れにせよ今のやり方と同じで、大手スーパーを中心に納入し続けていたら、収益低下になることは必須です。

食品メーカーは商品の付加価値を上げたり、独自に販売するチャネルを確保・強化する施策が必要です。

一つのやり方は、アマゾン、楽天などの大手ネット通販を積極的に活用することです。或いは、最近話題になっている、「おいしっくす」や生協系の宅配サービスなどの新規流通ルートを確保して自社ブランド品で販売する方法もあります。

衣料品メーカーなども同じように、ネット通販の仕組みをより積極的に活用して、自社の自由裁量での販売を可能にする仕組みを確保しておかないと、大手・中堅スーパーに振り回されることになります。

かって国内家電メーカーは、大手量販店に価格決定権を握られてしまったため、量販店が儲かってもメーカーが収益を上げられない時期がありました。

ネット通販は、既存の流通の仕組みを変えていく力を有しています。既存流通業もメーカーも知恵を絞って、ネット通販をどう活用して勝ち残っていくか考え、実行した企業が勝ち組に入れることになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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