日経記事;"食品卸大手の国分、中国アリババと提携"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"食品卸大手の国分、中国アリババと提携"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営戦略 インターネットマーケティング

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月7日付の日経新聞に、『食品卸大手の国分、中国アリババと提携 ネットに仮想店舗、中小の進出促す』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『食品卸大手の国分は中国の電子商取引(EC)最大手、アリババ集団グループと提携する。年内に日本の食品卸として初めて、約4億人が利用するアリババ集団のインターネット通販サイトに仮想店舗を出店。

取引がある日本の食品メーカーの商品を販売する。10兆円規模に成長した中国のネット通販市場に低コストで参入できる仕組みを提供し、中小メーカーの市場開拓を後押しする。

日本法人のアリババ(東京・中央)を通じて、12月にもアリババ集団が運営する通販サイト「天猫」に日本のメーカーの食品を扱う仮想店舗を出す。

国分は日本で取引のある約1万社から商品を集める。まず日本酒や焼酎など数十品から売り出し、2013年度には加工食品や菓子などの取り扱いも始める。15年度には取扱額を年間100億円に育てる考えだ。

天猫は企業が個人向けに商品を販売する中国最大の通販サイト。現在は化粧品メーカーなど50社程度の日本企業が出店している。天猫に出ると、アリババ集団の別の通販サイト「淘宝網」でも商品が販売できる。2サイト合計の利用登録者数は約4億人、11年の取引額は約8兆円だった。

日本のメーカーが中国の通販サイトに直接出店する場合、通常は現地法人を設立し、小売権や輸入ライセンスなどを得る必要がある。多大な投資や1~2年の準備期間がかかる例が多く、中小メーカーには大きな障壁となっていた。

今回の仕組みを使うと、メーカーは中国で商標を登録し、国分に月額数万円の「サイト掲載料」を支払えば、半年程度で中国本土全域向けに商品を販売できるようになる。

中国の調査会社アイ・リサーチによると、11年の中国のネット通販の取引額は約9兆6000億円。10年比で7割近く伸びた。20~30代を中心に利用が拡大し、15年には30兆円を超えるといわれている。』


国内の中小企業が海外事業を行う時に、最大の課題の一つとなるのが販路開拓です。その販路開拓の解決策の一つが、インターネット通販の活用になります。

国内では、今後、アマゾンや楽天などのネット通販業者が、更なる流通革命を起こすとみています。ネット通販業者は、より高効率の物流センターを確保・強化しながら、より使い勝手の良いWebサイトの開発・改善を進めています。

多くの国内企業は、ネット通販の活用を進めており、自社のWebサイトを持ってこれを有効に維持・運営しないと顧客から相手にされない時代になりつつあります。

ネット上で企業の存在感を出さないと、企業価値を認めてもらえない状況になっています。アマゾンや楽天などのネット通販の仕組みを使っても、自社のWebサイトを持たないと、扱い商品やサービスに対して信頼してもらえないためです。

このように、インターネットは、販売・広告・宣伝の分野に深く入り込んでいます。

一方、海外市場をみた場合、国内から輸出するには、従来のやり方では輸出商社か、相手国の輸入代理店を経由して行うやり方が一般的でした。

今は、この従来のやり方に加えて、ネット通販を使えば、特定国だけでなくどこでも輸出・販売できる状況になりつつあります。

ネット通販の仕組みを使って、東南アジアや欧米市場に輸出する中小企業も増えています。

このような状況下、本日の記事は、食品卸大手の国分が、中国のネット通販業者の最大手であるアリババと提携し、中国市場に国内中小企業が扱う食品の輸出事業を後押しする仕組みを構築する動きについて書いています。

中国市場では、記事にありますように、2011年の中国のネット通販の取引額は約9兆6000億円。2010年比で7割近く伸びました。20~30代を中心に利用が拡大し、2015年には30兆円を超えるとのこと。

言うまでもなく中国は巨大市場です。この巨大市場にアリババが運営するネット通販の仕組みを経由して、国分の取引先である中小企業の食品を輸出するやり方です。

2012年4月に楽天は、中国検索大手の百度と共同で展開するネットショッピング事業を終了すると発表しました。同社は2010 年10月から中国国内で同事業を展開してきましたが、市場競争が予想以上に厳しく、利用状況などが計画を下回って推移していたため、百度とサービスの終了で合意したとのこと。

楽天の失敗の原因は、日経などで報じられています。その一つに、中国企業の商品価格の付け方があるようです。

中国企業は在庫品があると、在庫リスクの発生を嫌がり、在庫品を処理するために利益を度外視して安く売る、また、他社が同等品を安く販売したら負けないようにより安くする行動パターンを取る傾向が強いとのこと。

この市場環境下で、楽天が適正な利益を確保しながら中国市場開拓を行うとしたら、徹底的に差別化・差異化が可能な商品を扱う以外に事業出来る選択肢がありません。

9月6日付の日経新聞に、『EU、不当廉売の疑いで中国製太陽パネル調査』のタイトルで、欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、中国がEU域内に太陽光発電用のパネルを不当に安い価格で輸出している疑いがあるとしてダンピング調査を始めたと発表した、との記事が掲載されました。

中国企業が、市場の需要以上に商品を作り、安く売るやり方です。上記太陽パネルや鉄鋼でも同じような状況になっています。

業界は異なっても、中国国内の供給過剰に苦しみ、在庫をはくために国内及び海外で安売りにより活路を見いだそうとする動きです。

中国市場に進出する時は、中国企業が作るもの・提供するものと競合する場合、中国企業による採算度外視の安値攻勢に直面するリスクを考える必要があることを示しています。

また、中国の通販サイトに直接出店する場合、通常は現地法人を設立し、小売権や輸入ライセンスなどを得る必要がある。多大な投資や1~2年の準備期間がかかる例が多いとのこと。これは、中小企業にとっては大きなハードルとなります。

国分が取引先の国内中小企業が扱う、独自の食品を中国市場にアリババのネット通販の仕組みを使って販売するやり方は、上記三つの課題をクリヤーできます。

国内食品なので中国商品とは競合せず価格競争に巻き込まれない、アリババの仕組みを使うことで安いサイト掲載料で、半年ほどで販売開始できます。

国分は、2012年5月に、事業拡大と差別化強化のため、冷凍食品を扱う物流倉庫拠点に対する新規投資を発表しました。国分は2015年度までに低温対応の物流センターを首都圏や福岡などに15力所前後を新設するとのこと。

これらの物流センターとアリババのネット通販の仕組みを使って、中国市場に国内食品を販売できれば、国分も取引先企業も新規市場開拓につながります。

安全、且つ、高品質の国内食品の市場価値は、中国国内でも高く評価されていますので、中国食品と競合しないで事業展開が可能になります。

国分は、アリババとの提携で、自社と物流センター機能を使いながら、アマゾンが国内市場開拓するように、中国進出を行うとしています。

ネット通販の拡張性確認の観点から、今後の展開に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム