日経記事;"(社説)企業買収の手腕を磨いて成長の加速を"考察 - M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"(社説)企業買収の手腕を磨いて成長の加速を"考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの実行と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月6日付の日経新聞に、『(社説)企業買収の手腕を磨いて成長の加速を』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『円高や豊富な手元資金を背景に、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が拡大している。M&A助言会社のレコフによると、今年1~8月の件数は339件に達し、1990年の同じ期間を上回って過去最高となった。

M&Aの担い手は多様であり、これまで内需産業と見られてきた食品、医薬品などの分野でも、武田薬品工業の米中堅製薬URLファーマの買収のように外でのM&Aはもはや珍しくない。エネルギーなどの資源分野では、世界のM&A市場で日本の商社の存在感が増している。

大企業だけでなく、地方の中堅部品メーカーなどが海外進出に際して、現地企業を買収する例もある。自前主義の強かった日本企業は以前は買収に対する抵抗感や苦手意識もあったが、今ではそれを克服しつつある。

M&Aの魅力は、自社で持っていない技術や商品を外から買うことで、新市場進出に道が開け、成長を加速できることだ。

例えば、8月末に米エアコン大手のグッドマン・グローバルの買収を決めたダイキン工業は米国市場の開拓に何度も挑戦してきたが、失敗の連続だった。

米国の家庭用エアコンは日本とは技術方式が大きく異なる。販売ルートも特殊で、ダイキン単独の取り組みでは事業を軌道に乗せるのが難しかった。米国に根付いた製品や技術を持ち、強力な販売網を擁するグッドマンを傘下に収めることで、ダイキンの米国での事業基盤は強まるだろう。

むろんM&Aには失敗もつきものだ。過去の日本企業の大型海外買収を振り返ると、相場より高すぎる値段で買ってしまう「高値づかみ」が少なくない。いざ買ってみたら企業の劣化が予想以上に進んでいて、目当ての技術や人材がすでに散逸していた、というお粗末な事例もあった。

実際に買収した後に、異なる企業文化や社風、人事制度などをうまく融合し、せっかく買った企業の価値を最大限引き出す経営ノウハウも欠かせない。

M&Aといえば、日本企業は「買う」ことに意識が向きがちだが、非中核事業を高く売れるタイミングでうまく手放すことも経営者の重要な仕事だ。米ゼネラル・エレクトリック(GE)など老舗でありながら、成長性の高い欧米企業は買うだけでなく、戦略的事業売却にも熱心な会社が多い。』

毎日読んでいます日経には、連日国内企業によるM&Aに関する記事が掲載されています。本日の場合、『コニカミノルタ、M&Aで400億円投資へ』や『アデランス、仏社を買収 医療用かつらを欧州で拡販』、『キヤノン、緑内障の診断器に参入 買収先の技術活用』などの記事が掲載されています。

私は、会社勤務時にM&Aも担当していました。通常、大手企業がM&Aを行う場合、プロジェクトチームを組んで対応します。私もそのプロジェクトチームのメンバーとして活動していました。

相手先は、主に欧米の大手からベンチャーまで様々な企業に渡っていました。M&Aを行った目的は、短期間に行う新技術や新事業などの獲得でした。

従って、M&Aプロジェクトチームは、買収行為と並行して、買収後の組織融合や相乗効果のあげ方に相当エネルギーを使って事前準備を行いました。

買収は、異なる企業文化や価値観を持つ企業同士の結婚です。恋人時代の付き合い方と、同じ屋根の下で同棲するのでは、全く生活の仕方が異なってくるのと同じだからです。

M&Aプロジェクトの全プロセスの中で、買収に係る条件の確定や交渉などの行為は、大変刺激的で面白く、多くのエネルギーを費やします。言わばゲーム感覚に近いものです。

しかし、私が手掛けた経験で言いますと、買収自体に係る行為はさほど重要なものではなく、本当に重要で、買収の可否を決めるのは、買収後の両社の組織融合です。

重要度の比率で言いますと、買収自体の行為が2割、買収後の組織融合が8割になります。大手企業による幾つかののM&A行為が、買収行為自体にエネルギーを使って、その後の組織融合をおろかしにして失敗した実態をみています。

私は、若いころ、まだM&Aという言葉がなかった時、米国にあるベンチャー企業を買収したプロジェクトに参加しました。

他社を買収する行為の経験がそれまでなかったので、大変面白くのめり込んで仕事を行いました。買収終了後、数か月で買収した企業のトップと経営幹部が辞めてしまいました。その結果、必要とした人材やノウハウが一瞬で無くなってしまった苦い経験を持っています。

勿論、我々は買収時にこれらの社長や経営幹部と、買収後数年間は会社に残ることを保証する契約を結んでいましたが、結果的にはその契約は破棄されてしまいました。

私はこの時の自失茫然とした役員の顔をまだ覚えていますし、私も大いに責任を感じた買収行為でした。

それ以降、私が担当したM&Aは決して失敗させませんでした。買収行為時に、相手がウソを言ったり、間違った情報提供した時、或いは、買収後の組織融合が難しいと判断した場合など、これらの案件の買収行為を直ちにストップさせたことも、M&Aの失敗を免れた要因になります。

M&Aは、一旦走る始めると、多くの関係者が興奮状態に陥り易くなります。しかし、買収行為過程で、M&Aの当初目的に対して違和感が生じたり、上記のような不誠実行為が相手側から出された場合は、直ちに買収行為をストップする必要があります。

この様な相手と結婚しても、必ず離婚しますし、大きな痛手を受けるリスクがあるからです。

私は、経営コンサルタントして独立後、10件以上の中小企業によるM&Aプロジェクトを支援してきました。 企業・事業買収や売却の両方のケースで支援してきました。

ほとんどすべての案件は、社長がM&Aの実務をみれる時間の確保が難しいので、M&Aプロジェクト期間中は、社長の片腕或いは、社長代行で動かすやり方で対応してきました。多分、このやり方は今後も変わらないとみています。

これは、買収行為後の組織融合がとても大事であり、そこの見極めがつくまで社長を支えるためです。

売却時は、売却先として適切かどうかの見極めや、売却条件の確定や交渉の観点から支援しています。

買う時も売る時も、常に組織融合が最重要課題であることを意識して行っています。

国内企業は、ここ数年M&Aを活発に行って、海外を含む新事業立ち上げを行っています。しかし、大手といえども、日本電産のようにコア事業であるモーター分野をM&Aを使って巧みに強化・拡大している企業は、未だ少ないとみています。

ましてや、中小企業の場合、いきなりM&Aといっても買収後の組織融合まで上手く行える会社は更に少なくなります。

私が中小企業からM&A、特に買収の相談を受ける時に、当該企業が今まで他社と連携;アライアンスを行った経験があるかどうか確認しています。

連携;アライアンスを行ったことがない企業に対して、状況確認後に今は買収行為を行う時ではないとアドバイスしたことが数回あります。

M&Aは、中小企業にとっても短期間に新事業立上や市場開拓を可能にする有効な経営手法であることは、間違いありません。

しかし、失敗すると大やけどを負う可能性があります。各種専門家やM&A仲介会社などを上手く活用して、是々非々ベースで慎重に且つ大胆に行うことが成功の秘訣です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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