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日経記事;"電気車充電4000カ所 20年メド、日産・住商やJX"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月5日付の日経新聞に、『電気車充電4000カ所 20年メド、日産・住商やJX 広がる連携 普及に弾み』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車と住友商事、JX日鉱日石エネルギーなどは4日、共同で電気自動車(EV)の急速充電設備を2020年までに4000カ所に増やすと発表した。

各社が独自に展開する有料サービスも相互に使えるようにする。国内には4万カ所近いガソリンスタンドがあるが、充電拠点もその1割を超す規模に増える。消費者にはEVを運転する環境が整い、新車購入時の選択肢が広がりそうだ。

電池の性能が技術革新の途上にあるEVは、1回当たりの充電で走れる距離が短いのが課題とされていた。国内の急速充電設備は現在約1300カ所、EV自体も累計3万台程度しか普及していないのが現状だ。

今回、充電設備の設置で中心になるのは日産、住商と昭和シェル石油、NECが出資する「ジャパンチャージネットワーク」(JCN)。

同社はまずファミリーマートや東日本高速道路、成田国際空港などと連携し自動車販売店やコンビニ、高速道路のパーキングエリアなど首都圏約20カ所に急速充電設備を設ける。

JCNはこれまで急速充電設備の普及を促すために充電サービスを無償で提供していた。10月からは有料に切り替え、専用決済カードで1回420円(最も使用頻度が少ないプラン)から充電サービスを提供。事業化をめざす。

一方、1月に会員制充電事業を始めたJX日鉱日石エネルギーや出光興産など石油元売り4社とも提携。首都圏を中心に約30カ所のガソリンスタンドでサービスをしている4社の決済カードと利用しあえるようにする。

今後は充電設備の整備も共同で進め、20年にも計4000カ所に拠点を増やす。設置コストは1カ所400万~500万円程度。

国内のガソリンスタンドの1割に相当する規模まで増えればEVの普及に追い風となる。JCNは20年にもEVの普及が50万台以上(累計)に達するとみている。

自動車業界の試算によればガソリン車1台をEVに換えた時の二酸化炭素(CO2)の年間削減量は約0.9トン。

EVが50万台普及すると年45万トン程度(保有台数で計算した自動車の総排出量の1%弱)のCO2削減につながる可能性がある。

充電サービスはトヨタ自動車や中部電力も独自に展開。日立製作所やNTTデータなども充電インフラ整備のための実証実験に取り組んでいる。

EVの急速充電設備を巡っては日本の標準規格「CHAdeMO」と欧米の「コンボ」方式の規格争いが激しい。急速充電設備の普及で日本が各国を一段と引き離せば、規格争いを優位に進める効果も期待できそう。

ただトヨタやホンダはハイブリッド車(HV)にも力を入れ、EVの普及に最も熱心な日産とは戦略面で温度差もある。本格的な普及には小型車でも300万円以上する価格の高さも課題だ。』


上記記事は、国内でEVの普及に向けて充電インフラの整備が始まることを示しており、大いに歓迎します。

今のEVの最大の弱点は、電池性能の限界から来る航続距離の短さです。このことと、価格の高さがEVの普及を妨げています。

国内では、HVやプラグインハイブリッド車(PHV)が急速に普及しているのは、上記EVの問題点を解決しているからです。

電池性能が向上し、EVの価格も下がれば、急速充電インフラの設置個所増加に伴って、EVの販売台数も急速に伸びます。

急速充電設備が増えて、且つ、ガソリンよりも割安感が出てくれば、PHVも外出先で充電する機会も増えてきます。

EVやPHVが家の内外で充電する回数が増えますと、必然的に石油の消費量が減少し、自動車用との石油依存度は下がりますし、記事にありますようにCO2削減及び、排ガス削減による国内の大気汚染度の減少につながります。

現在、PHVやEVは乗用車用途がほとんどですが、国内では配送などの一部の業務用途車にPHVが使われるようになっています。

国内各地に急速充電設備が増えると、PHVだけでなくEV対応の業務用途車が増加するきっかけになります。

例えば、PHVの場合、幹線道路はハイブリッド走行し、配送先のコンビニエンスストアのある市街地に入ると電気走行になるイメージです。

都内の排ガス汚染は、以前より改善されましたが、トラックの走行台数の多さから、まだまだ快適な環境からは程遠いのが実情です。

今後、PHV、或いは、EV対応の小型トラック(最大積載量2トン)が普及すると、都内の排ガス汚染度と騒音問題は大きく改善されます。

前回の東京モーターショーで、いすゞ自動車は、コンセプトカーとしてPHVの小型トラックを出展しました。コンセプトは以下の通り。

「フレーム横にリチウムイオン電池などを配置し、積み荷のスペースを確保している。想定しているのは大都市圏での運行だ。市街地では走行中や店舗前に停車中の排ガスや騒音が問題になりがち。

大都市部のコンビニ向け配送の場合、ルートを一巡した場合の距離はおよそ30~40キロメートル程度。

PHVのトラックなら、住宅地などで排ガスを出すこともなく、途中で給電しなくても一日の配送業務をこなせる。充電時間は200ボルトで通常6時間かかるが、約20分の急速充電も可能だ。」

各商用車メーカーから、上記コンセプトのようなPHVやEV対応のトラックが適切な価格帯で商品化されますと、高速充電設備の増設と相まって一気に普及する可能性があります。

PHVやEV対応のトラックを使う事業者は、環境対策に協力していることをアピール出来ますし、各企業に課せられていますCO2削減効果も当然のごとく期待できます。

また、政府が成長分野へのてこ入れ施策として、PVH・EV対応のトラック使用者に補助金を出せば、更なる普及が見込まれます。

PHVやEV対応の乗用車、トラックが増えれば、高速充電設備に対する需要も増えますので、既存のガソリンスタンド業者が当該充電設備を設置する件数も増えてきます。

PHVやEV対応車の販売台数が増えれば、量産効果もあってこれらの車の販売価格も下がり、更に普及を加速するポジティブスパイラルに入ります。

PHVやEV対応車の国内自動車メーカーが世界市場を考える時に重要なことは、乗用車、トラック及びバスの各用途の販売価格を下げることと、急速充電設備の普及です。

急速充電設備に関しては、日本の標準規格「CHAdeMO」と欧米の「コンボ」方式の規格争いが激しく争っています。

PHVやEV対応車で先行する日本で、「CHAdeMO」対応の急速充電設備が普及することは、実績台数の観点から大きな意義があります。

また、9月3日付の日経新聞に、『東南アジアで電気バス始動 マニラで運行、タイでも試験』で記事が掲載されました。

経済成長で大気汚染が深刻化する東南アジアで、電気バスの実用化へ官民が動き出したとのこと。

フィリピンでは台湾との合弁会社が今年中にバス10台を製作。燃料コストは軽油の半分程度に収まる見込みで、国も後押しする方針だ。インドネシアやタイも政府などが開発を進める。各国は外国企業も誘致し、輸出産業として根付かせたい考えで、交通機関のエコ化はさらに加速しそうとのこと。

ここにPHVやEVの大きな潜在市場が生まれようとしています。普及させるには、安い販売価格や維持コストが必要ですが、使用する蓄電池を選び簡単な構造にすれば、実現可能です。

国内商用車・バスメーカーと、政府が協力してEV対応車の普及促進に協力することは、将来の市場を勝ち取る観点から大きな意味を持ちます。

例えば、東南アジアで「CHAdeMO」対応の急速充電設備が普及することは、欧米企業との規格争いでも有利な立場に立てます。

今後とも、国内メーカー及び政府は、PHVやEV対応車の高速普及を国の内外で積極的に進めて、近近の国内産業の大きな柱の一つにする施策の立案と早期行動を強く期待します。

PHVやEVは、世界の環境対応に協力しながら国内産業を発展できる良い典型例の一つです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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