日経記事;"洋上風力発電に1200億円 東芝など6社,国内最大級"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"洋上風力発電に1200億円 東芝など6社,国内最大級"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月4日付の日経新聞に、『洋上風力発電に1200億円 東芝など6社、国内最大級 10年で30万キロワット分開発 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『日立造船や東芝、JFEスチールなど6社が共同で洋上風力発電事業に参入する。2015年に実証試験用発電所を建設するのを皮切りに、10年間に計1200億円を投じ、30万キロワット分の開発を目指す。

洋上風力は政府も後押ししている。日本は欧州に比べて風力開発が遅れていたが、立地に制約の少ない洋上風力開発が進めば、再生可能エネルギーの活用に弾みがつきそうだ。

30万キロワットは中規模火力設備1基分に相当し、国内の洋上風力開発では最大規模となる。3社のほか住友電気工業、東亜建設工業、東洋建設が参加。風量調査などで日本気象協会の協力も得る。日立造船が支柱、東芝が風車、住友電工が海底送電ケーブルをそれぞれ担当する。

海底に鋼管を打ち込み、その上に発電設備を固定する「着床式」を採用する。発電能力7000キロワット程度の実証試験用発電所を設置し、風量や塩害による劣化、採算性などを調べる。

九州など安定した風量が確保できる候補地の選定を進め、20年をメドに本格展開する。発電した電気は電力会社に販売する。

将来は発電設備を海に浮かせる「浮体式」も検討する。資金調達のため特別目的会社(SPC)を設立し、発電事業から得られる収入をもとに銀行からプロジェクトファイナンス方式で借り入れる手法も活用する。

欧州に比べて日本では洋上風力の開発が進んでこなかった。日本の風力発電容量約250万キロワットに対し、洋上は3万キロワットにとどまる。

しかし、最近では陸上風力は騒音や用地確保の問題に直面。再生可能エネルギー全量買い取り制度の導入で採算確保が見込めるようになったことなどを背景に、ここにきて洋上風力が再生可能エネルギーの有力な柱として浮上している。政府は8月末、洋上風力を30年に803万キロワットに拡大する目標を掲げた。

洋上風力は陸上風力に比べ、陸地に電気を送る海底送電ケーブルの敷設など建設費用がかさむ。一方、洋上は風量が多いので発電量がより豊富なうえ、敷設場所の制約が少ない。漁業権問題などが解消され、洋上風力開発が進めば、風力発電容量が大幅に増えそうだ。

環境省が8月下旬から長崎県五島市の周辺海域で浮体式の実証試験を始めたほか、丸紅や三菱重工業などが福島県沖で洋上風力発電所の実証試験を計画している。

風力発電機の部品点数は自動車とほぼ同等の2万あり、裾野産業を形成する。東芝など企業中心に洋上風力開発が加速すれば産業集積が進み、雇用創出効果も見込める。海外では英国が13兆円を投じて3200万キロワットの世界最大の洋上風力開発を打ち出し、10万人分の雇用創出を見込む。』


風力発電に関しては、本ブログ・コラムでも何度か取り上げています。風力発電は、太陽光発電と比べると当該装置の設置数量は少ないし、参入する事業者数も限られていました。

風力発電が普及しない理由として、現在主流の陸上発電は、国土の狭さから来る用地確保の難しさと、近隣住民への騒音問題で健康への影響があげられています。

陸上用地については、日本には強い風が安定して吹き、かつ風力発電に使う大きな翼を置ける土地は多くないとの指摘もあります。

このような中、最近、洋上風力発電が注目されるようになりました。日本は周りを海に囲まれており、この海を利用する風力発電への関心と幾つかの事業化検証が具体化されようとしています。

環境省の試算では、日本の風力発電の導入可能量は約18億8000万kWで、太陽光発電のおよそ13倍とされます。

実は、日本の風力発電の導入可能量18億8000万kWのうち、洋上風力が16億kWを占めるとのこと。要は将来、再生可能エネルギーを大量導入するとしたら、洋上風力発電の拡大が欠かせないことになります。

洋上風力発電は、長さ30~40メートルの翼を風で回して発電します。太陽光発電と比べると設置費用が高くなります。

一方、風力発電の設置後の発電コストは、太陽光の半分程度で済む。太陽光と異なり夜間も発電が可能です。

記事によると発電コスト(1キロワット時当たり、円)は以下の通り。

◆洋上風力;9.4~23.1
◆陸上風力;9.9~17.3
◆大規模太陽光発電;30.1~45.8

国内で太陽光発電に人気があるのは、既存技術・製品で設置可能であり、ある程度の土地と資金があれば、誰でも参入できることによります。

太陽光発電の最大の課題は、上記のように発電コストが高いことです。将来は、太陽光からの熱変換効率が上昇し、発電コストが下がる可能性がありますが、現時点では明らかに高く、コスト面では実用的ではありません。

そこで、コスト面から期待されますのが、風力発電になります。陸上風力発電の余地は、上記のように少ないので、洋上風力に頼ることになります。

海上は安定した風が吹いており、空間も広大です。このため風力発電機を海に設置する「洋上風力発電」は日本で再生エネが拡大するために有望とされます。

洋上風力には、本日の記事にあります着床式と浮体式があります。本日の記事は着床式に関して書かれています。

発電設備の設置の容易さの点では、着床式に優位性があります。着床式は、水深50~100メートル位の遠浅の海底に鋼管を打ち込んで、その上に発電設備を固定します。

なお、国内には遠浅の海はそれほど多くないとされます。そこで、発電設備を海に浮かせる浮体式にも注目が集まっています。

浮体式については、以前に本ブログ・コラムで書きましたように、環境省は8月、長崎県の五島列島沖で実証実験を始めました。

洋上風力発電に関しては、着床式及び浮体式の両方式で事業化を図る必要があります。両方式で実用化されますと、国内電力供給に貢献すると共に、国内の新規事業の柱の一つになるからです。

風力発電装置に関する部品点数は、自動車と同じ2万点ありますので、自動車と同じようにすそ野が広い産業構造が新規にできることになります。

現在、風力発電部品の多くは輸入品になっています。今まで国内では風力発電事業が活発に行われてきませんでしたので、国内企業は本格的な開発を行ってきませんでした。

ここにきて風力発電に対する事業化の関心が高まり、記事にありますように日立造船、東芝、JFEスチールなどの大手企業が積極的に動き始めました。

これらの企業グループは、先ず着床式で事業化検討を行い、将来は浮体式でも検討するとのこと。

高強度且つ高耐久性を持つ新素材や効率的な風車など、風力発電に関する開発技術課題は多くあります。

これらの分野は国内企業が得意とするものであり、国内企業が総結集してオールジャパンで開発・実用化することが大変重要です。

大規模風力発電が実用化されれば、国内発電量の確保、海外への輸出も含む新規産業の構築と雇用創出につながります。

関連する中小企業にも大きな新規産業の機会が提供されます。

洋上風力発電の普及には、電気を送る系統の強化や、環境アセスメントへの対応、漁業権の問題など技術面以外での解決が必要な課題も多いのが実情です。

様々な課題や困難さは多く存在しますが、関連企業の創意工夫と政府の支援で克服し、洋上風力発電が事業化されることを強く期待します。

今後も洋上風力発電に注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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