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糖尿病は「食べて」治す!カロリー以上に大切な要素とは?(6)

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  1. 心と体・医療健康
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(続き)・・そのように糖質をあまり摂らない食生活を送っていた原始人類は、どのようにしてエネルギーを確保していたのでしょうか。実は脂質は糖質よりも、はるかに安定したエネルギー源なのです。糖質はグリコーゲンという多数のブドウ糖が集合した形で肝臓や筋肉などに蓄えられていますが、せいぜい2000キロカロリーの蓄積が限度です。これはフルマラソン1回分のカロリーにも届きません。

 

これに対して脂質は体重60キロで体脂肪率10%の人の場合、何と5万4千キロカロリーにもなります。単純計算ですが、水だけで2か月くらい生きることが可能なカロリー量です。脂肪によるカロリー消費の特徴は、ゆっくりとした燃焼に向いているという点です。これに対して糖質によるカロリー消費は即効性があるという点が特徴です。大ざっぱに言って脂肪は日常的なエネルギー源、糖質は緊急時のエネルギー源といえます。

 

脳に於いても脂質は安定したエネルギー源です。脂肪酸は脳内に入り込めませんが、脂肪酸の代謝産物である「ケトン」は、ブドウ糖と並んで脳に於ける代表的なエネルギー源です。糖質摂取の多くない原始人類や野生動物は、主としてケトンを脳の主要なエネルギー源としていました。ケトンの特徴として、燃焼時に糖質よりも活性酸素の発生が少ないことが挙げられます。糖質よりも「クリーン」なエネルギー源なのです。

 

このように安定した、クリーンなエネルギー源である脂質を主体に摂取していたはずの人類ですが、農耕が始まってからは糖質が主要なエネルギー源となってしまいました。さらに約200年前からは「精製糖質」を摂るようになって、その流れは加速しました。すなわち白米や精製小麦のような「白い穀物」を日常的に食べるようになったのです。その結果、多量の糖質が急激に人体に入り込むようになりました。

 

多量かつ急速な糖質の流入に耐える術を知らない人類は、またたく間に糖尿病や高脂血症、肥満などの慢性疾患に悩まされるようになりました。実際に、脂質よりも糖質の方が肥満や糖尿病などの経過に悪影響を与えることが、数多くの医学研究によって明らかになっています。欧米の多くの専門家は、もはや脂質ではなく糖質をこそ減らすべきだと主張し、糖尿病治療に於いても「糖質制限」が主流となっています。

 

我が国の糖尿病治療に於いては未だに旧態依然とした「カロリー制限」が幅を利かせていますが、ようやく一部の医療機関では「糖質制限」の取り組みが始まっています。すなわち炭水化物や砂糖などの糖質を制限し、肉や魚などの脂質、タンパク質を豊富に摂取するという取り組みです。また豊富な野菜や果物、豆類、海藻類などの摂取も大切です。人間本来の「主食」を見直し、食事の基本に今こそ立ち戻る時です。

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