日経記事;"メジャー対抗アジアに照準古河スカイ/住軽金合併"考察 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;"メジャー対抗アジアに照準古河スカイ/住軽金合併"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月30日付の日経新聞に、『メジャー対抗へアジアに照準 古河スカイ・住軽金合併』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『古河スカイと住友軽金属工業の合併でアルミニウム板の年産量が100万トンを超える国内では圧倒的なメーカーが誕生する。4割近い国内シェアになるが、世界シェアは約5%。

米アルコアや米ノベリスなど250万~300万トンの世界の大手に比べると規模で依然見劣りがする。生産体制を効率化し、成長するアジアで集中投資できるかが生き残りを左右する。

古河スカイの第2位株主である新日本製鉄と、住軽金の筆頭株主である住友金属工業は10月の合併ですでに合意している。国内需要が伸び悩む素材業界で、再編が加速してきた。

住軽金の山内重徳社長は記者会見で「日本メーカーの数字(規模)は小さすぎる。世界的な競争力を持つアルミメジャーを目指す」と述べた。一方、古河スカイの岡田満社長は「単独での展開は難しい」と合併の理由を説明した。

古河スカイは厚板に強く、アルミ板で最も厚いといわれる液化天然ガス(LNG)輸送船用を日本で唯一手掛ける。

住軽金は自動車や電子部品などに使う薄板の多品種生産が得意。加工が複雑なパソコン外装部品で、台湾電子機器の受託製造サービス(EMS)大手からアルミ材の大口受注を獲得した。

両社は合併により品ぞろえを拡充するとともに技術力も強化。アジアや北米など海外市場の開拓を加速させる。

アルミは鉄より軽量で、自動車向けなどの需要拡大が期待できる。ただ、自動車、飲料メーカーなど「顧客は海外に出ている」(山内社長)。顧客が海外でアルミを現地調達する動きが広がっている。合併を機に、アジアなどで大規模投資をして供給体制を整備する。

両社はすでに、それぞれ海外事業に力を入れている。古河スカイは400億円を投じ、タイで2014年稼働予定の工場を建設、飲料用のアルミ缶ふた材料を生産する。住軽金も海外工場の立地や規模を詰めている。

古河スカイの財務体質は比較的良好だが、総資産に比べて有利子負債が多い住軽金との合併により、有利子負債は単純合算で12年3月末で2253億円になる。生産拠点の統廃合などによる効率化で得た資金を、負債圧縮とアジアでの投資などに活用することが必要になる。』


以前に本ブログ・コラムで書きました様に、国鉄鋼最大手の新日鉄と3位の住金は今年10月に合併します。

公正取引委員会の審査方式が変わり、審査の透明性が向上し、審査期間も短縮されました。更に、審査基準自体についても、合併による業界への影響度を測る目安となるシェアは、国内だけでなく、世界市場を含めて考えることになりました。

その結果、昨年両社によって審査請求された合併案件は、世界市場での合併シェアを含めて審査され、短期間に一部条件付きでOKの判断が出されました。

素材産業は、国内経済を支える重要な産業の一つです。従って、素材企業は世界市場で勝ち組になる必要性がありますし、大変重要なことです。

素材産業の競争力の決め手の一つは、生産規模によるコスト削減能力になります。

この点からみますと、新日鉄と住金の合併は、世界市場でインド、中国、韓国勢と競争し勝ち残っていくために必要なことでした。

公取委も国内企業が世界市場で勝ち残っていくために必要なこととして、合併や買収(M&A)をより容易に行えるようにするための新審査方式を導入し、経済界から高い評価を得ています。

今回の合併は、アルミニウム板に関するもので、古河スカイと住友軽金属工業の両社が対象になります。

この合併で自動車向けなどのアルミニウム圧延品シェアが合計40%近くに達するとのこと。しかし、世界市場ではわずか5%です。

公取委が、新日鉄と住金の合併と同じように、世界市場でのシェアをベースに審査すると、古河スカイと住友軽金属工業の合併案件も短期間にOKとなる可能性があります。

公取委の新審査基準は、国境を越えて取引される商品について「東アジア市場」などでのシェアを重視して判断されます。国内でシェアが高くても、東アジアでのシェアが低く、価格などの実質的な支配力が弱いと判断されれば、合併が認められる可能性があります。

現在の国内素材企業にとっては、国際競争力の向上が大きな課題であることは間違いありません。勝ち残るために素材大手は、M&Aや資本提携を進めてきましたし、今後も更に行われるようになるとみます。

素材だけでなく、国内には市場規模に比べて企業数が多い事業分野が幾つか存在します。例えば、
電機や自動車などです。

公取委が昨年改正した審査指針に基づき、古河スカイと住友軽金属工業の合併案件について、新日鉄と住金のケースのように、国内シェアだけでなく世界市場でのシェアを勘案して早期に結論を出せば、他業界でも合併やM&Aが加速される可能性があります。

電気や自動車などの国内の主要産業分野で、国内企業の国際競争力を向上させるために合併やM&Aが活発化するかどうか注目していきます。

公取委の新審査方式により、多くの経営者が事業・企業再編に積極的に踏み切るようになれば、国内企業の国際競争力強化につながると期待しています。

この観点から、公取委の古河スカイと住友軽金属工業の合併案件に対する審査結果に大きな関心を持っています。

今後、各業界で大手同士の合併やM&Aが活発化し、これらの企業統合が進むと、中小企業にも大きな影響を与えます。中小企業はますます技術・製品を磨いて差別化・差異化を徹底して行っていかないと、既存取引先を失うことになります。

また、中小企業同士でも、もっと活発に連携;アライアンスやM&Aを行って、規模の拡大によって経営基盤を安定させ、世界市場で事業する時期になっています。

大手企業の動向には十分注意を払いながら、海外企業も顧客開拓していく積極さも必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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