日本市場の債券を対象とした指数に連動するETFはたった3-本

ETF(上場投資信託)を紹介する際に、あまり語られないのが、債券のパフォーマンスを対象とする指数です。

資産運用で必要とされる資産配分(アセットアロケーション)が対象とする資産として、国内株式、国内債券、海外株式(先進国と新興国)、海外債券(先進国と新興国)、国内不動産、そして海外不動産です。



商品は商品自体は利益を生み出しません。将来の価格を予想して購入・売却を繰り返すゼロサムゲームで、投機対象の資産とされていますので、アセットアロケーションから外しています。別な言い方からするとポートフォリオの対象は、リターンとリスクが測れる資産ということになります。

金等の貴金属の保有は、将来のインフレーションに備える、戦乱などのリスクへの対応は、資産形成のための資産配分とは異なった者と考えています。

資産配分で大きな位置づけである債券に対しては、国内の運用会社はETFを設定していません。投資信託か現物を買えばよいと考えているのでしょうか。債券を対象とする投資信託の多くがベンチマークとして使用する野村・ボンド・パフォーマンス・インデックス(野村BPI)に連動するETFが信託報酬0.1%程度で上場されることを願っています。

では、日本市場で購入できる外国債券を対象とするETFも少なく
東京証券取引所上場のものは、下記指数を対象とする3銘柄で大阪証券取引所には上場すらされていません。
Markit iBoxx　ABF 汎アジア指数
当該指数は、中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの政府及び準政府機関(香港の事)が発行する、現地通貨建ての国債及び公債の動きを示す指数です。
アジア地域はまだ債券の発行・決済の体制構築が遅れているため、上記各国の中央銀行と日本銀行が協力して市場を育てています。
この指数に連動する東証上場ETFの信託報酬は0.20%から0.25%程度です。

シティグループ 世界国債インデックス（除く日本、ヘッジなし・円ベース）
当該指数は、シティグループ・グローバル・マーケッツ・インクが開発した債券インデックスです。日本を除く、世界の主要国の国債の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均し、現地通貨ベースの指数をヘッジを行わずに円換算した指数です。
この指数に連動する東証上場ETFの信託報酬は0.25%程度です。

外国債券を対象とした日本の多くの投資信託がベンチマークとして使用している指数です。
東証に上場しているETF当該ETFが連動を目指すシティグループ世界国債インデックス（除く日本、ヘッジなし・円ベース）は、日本を除く世界の主要国の国債市場の合成パフォーマンスを表す指数であり、現地通貨ベースの指数をヘッジを行なわずに円換算したものです。

バークレイズ・キャピタル自国通貨建て新興市場国債・10％国キャップ・インデックス
当該指数は、英国のバークレーズバンク　ピーエルシー参加の、Barclays Capital Inc.が算出する指数です。対象とする債券は、一定の基準を満たす新興国の国債により構成されている指数で、2008年6月30日を100として、構成銘柄の時価総額の加重平均により算出されます。ただし、発行国別の時価総額加重ウエイトの上限を10%としています。
この指数に連動する東証上場ETFの信託報酬は0.45%程度です。

たった3本しか有りませんが、その信託報酬の安さは注目に値します。外国債券を対象とした投資信託の多くは信託報酬が倍以上に為ります。コストが比較的安いインデックス投信で最低の信託報酬のそれは0.60%(税抜き)ですから、ベンチマークに劣る投信を保有されている場合には、乗換をお考えくださいと言いたいのですが、おしい事に東証での売買高は下記の通り芳しく有りません。

ABF汎アジア債券インデックス・ファンドの2012年8月15日の売買高は18株　終値は10,010円です。これでは流動性リスクに疑問が生じます。

上場インデックスファンド海外債券（Citigroup　WGBI）毎月分配型 の本日の売買高は430株で終値は40<050円です。

上場インデックスファンド新興国債券（バークレイズLocal　EM国債）の売買高は10株、終値は51,500円です

従いシティグループ 世界国債インデックス（除く日本、ヘッジなし・円ベース）に連動する物しかお薦めできません。

次回は、日本のネット証券で購入できる海外債券の指数を紹介します。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者　(東京)第188140号
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吉 野　充 巨
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