日経記事;"研究開発減税 再拡充経産省,来年度 税制改正要望"考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"研究開発減税 再拡充経産省,来年度 税制改正要望"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 新規事業・事業拡大全般
経営戦略 新規事業開拓・立上

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月25日付の日経新聞に、『研究開発減税 再拡充を 経産省、来年度の税制改正要望 控除上限額3割に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『経済産業省は2013年度の税制改正で、企業の研究開発減税を再拡充するよう要望する。法人税率の引き下げに伴って今年4月に減税規模を縮めたが、日本経済の成長力の底上げには製薬や素材などの先端技術の開発支援が不可欠と判断した。

原子力発電所の停止に伴う電力不足の解消に向け、企業が取り入れた自家発電設備の固定資産税の軽減策も求める。

研究開発促進税制は、新薬の開発など試験研究にかけた費用の8~10%(中小企業は12%)を法人税額から差し引ける制度。ただしその上限が決まっており、今年4月に法人税額の3割から2割に縮小した。これを3割に再び戻すよう求める。

リーマン・ショック後の経済対策として、09年度から2年間分について、上限を2割から3割に引き上げた。その後、法人税率の5%引き下げに合わせて11年4月から上限を2割に戻すことが決まったが、東日本大震災の影響で実施は12年4月にずれ込んだ。

今年度からの減税の縮小で、研究開発の規模が大きい製薬や化学メーカーからは「工場だけでなく研究開発拠点も、海外移転を検討せざるを得ない」との声が出ている。経産省は先端医療やエネルギーなど新産業を育てるためにも、減税の再拡充で研究開発を促す必要があると判断した。

9月7日締め切りの13年度予算の概算要求で税制改正も要望し、財務省との調整を本格化する。財務省側は再拡充に慎重だが、年末の税制改正論議で焦点となる。

経産省は14年4月からの消費増税をにらんだ負担軽減策も要望する。都道府県が法人から徴収して国に払い込み、国が都道府県に再配分する地方法人特別税について、廃止や規模縮小を求める。特別税の規模縮小で、法人税率をさらに引き下げ、企業の競争力を高めたい考えだ。

自家用車を買った時に車両価格の原則5%かかる自動車取得税と、車検時などにかかる自動車重量税の廃止も求める。

再生可能エネルギーの普及も税制で後押しする。天然ガスを使ってタービンで発電し、その時に発生する排熱を冷暖房や給湯などに使うコージェネレーション(熱電併給)を導入した場合、設備にかかる固定資産税を当初3年間、大幅に軽くし、取得額全額を一括償却できるように要望する。

中小企業対策では、消費税の納税事務に使うパソコンなど少額資産にかかる固定資産税を軽減する措置も求める。創業支援も強化し、会社設立時の登録免許税や印紙税の免除のほか、ベンチャー企業の法人税の軽減措置を要望する。』


日本が経済成長を再現するには、新技術を開発・育成して新規事業を立ち上げ、世界市場で売っていくことが必要です。

国内市場は、少子高齢化と人口減少で縮小傾向が続くことと、海外企業の市場参入が活発化して狭い市場での競争激化にさらされています。

この事業環境下で国内企業が勝ち残るには、競争力のある新規事業を立ち上げて世界市場で売上を伸ばしていくことが必要です。

また、円高は国内企業の輸出採算性を下げて苦しめています。

しかし、一部の中小製造業は、医療や環境分野で、差別化・差異化できる技術や製品で、海外のニッチ市場に輸出して収益を確保しています。

円高になれば、輸出単価を上げて売っていますので、円高分を吸収できているのです。市場が小さいため、国内中堅・大手は参入しませんし、海外企業とも競合しないのでオンリーワン企業として事業出来ていることによります。

現在の世界市場では、中堅・大手も専門性を明確に出して、特定事業分野で徹底的な差別化・差異化を図らないと、勝ち組にならないことは明確になっています。

液晶テレビや半導体事業などでは、国内企業が競争力を失った結果の状況を示しています。

今後の国内企業は、世界市場で需要が大きいと見込まれる、医療、環境、エネルギー、上水道などの事業分野関連で勝ち組になることが求められています。

既に、東芝や日立などの企業は走り出しています。他企業も、徹底的な新技術開発と製品化で世界市場で事業展開することが大事です。

国内市場の停滞や、輸出の低収益性に苦しむ製造業が、新技術開発のための投資原資を確保することは難しいのが実情です。

これは、中小・中堅・大手共通の問題です。

政府には、国内企業が開発投資を行って新規事業立ち上げをより容易にできる環境を作ることを期待します。

具体的には、開発投資減税と規制緩和です。

その観点から、本日の記事にあります、研究開発の減税拡充は効果が期待できる施策になります。企業が税金も徴収される分の金額を開発投資に配分できますと、競争力強化に貢献します。

当該企業が差別化・差異化できる技術・製品を事業化しますと、世界市場で売上を伸ばしますので、最終的には政府収入も増えることになります。

政府には、市場規模を拡大して、国内企業の売上増で事業税が増加する、ポジティブスパイラル的な発想を期待しますし、必要な観点です。

国内企業の競争力が向上しない限り、政府収入は増えない認識を強く持つことが求められます。経産省の頑張りに期待します。

もう一つ、重要なことは規制緩和です。

例えば、再生可能エネルギーによる発電の買い取り制度が実施され始めた結果、多くの新規参入者が発電事業を行うための活動を開始しました。

当該発電コストは、最終的に消費者が負担する仕組みでるため、電力料金次第では今後の展開に紆余曲折のあることは予想されますが、新規事業の展開が活発になることは国内市場にとってプラス要因となります。

また、国内及び海外市場の競争で勝ち残った企業や事業者が、世界市場で大きな事業展開を行える可能性があります。

例えば、環境省と経済産業省は8月24日に風力発電や地熱発電を新設する際などに必要な環境影響評価(アセスメント)の審査期間を短縮する方針を決めたと発表しました。

国と地方自治体にまたがる手続きを簡単にするほか、事業者の調査を省くなどして再生可能エネルギーの普及につなげるとのこと。

アセスの運用改善によって、手続きにかかる時間は風力発電や地熱発電の新設だと3~5年から2分の1に、火力発電所の設備更新だと約3年から1年強に短くできるといいます。

手続きが長引くと、その分投資負担が重くなり、普及の障壁になっていました。このアセス期間短縮は、事業者の投資意欲を活性化する可能性があります。

もう一つ事例があります。政府は、2010年に建築基準法を改正して、無人の貨物用コンテナを地面に設置して活用する時に、当該基準法を適用しないとしました。

この結果、コンテナを利用したデータセンターが国内各所に設置されるようになりました。建築基準法が適用されませんので、事業者がより容易にコンテナ型データセンターの事業化できるようになったためです。

特に、昨年の大震災後にデータセンターの必要性や有用性が再認識された結果、コンテナ型データセンターの需要は活性化しています。

これは、建築基準法という規制緩和がもたらしたプラスの市場活性化事例の一つです。

政府が、特定目的の減税と規制緩和で、企業の新規投資や技術開発を後押しできる分野は数多く存在します。

更なる後押しを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"三菱化学やクラレ植物使う樹脂量産 車部品等向け"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/11 12:31)

日経記事;"小型発電システムに商機 東芝・シンフォニアなど"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/02/15 10:10)

日経記事;『有機EL技術、韓国に集積』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/06/26 09:22)

日経記事;工業地に病院・ホテル解禁 総合特区法案 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/02/09 08:11)