11.知識の弊害(3) - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松山 淳
アースシップ・コンサルティング コンサルタント/エグゼクティブ・カウンセラー
東京都
経営コンサルタント

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対象:人材育成

閲覧数順 2016年12月07日更新

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11.知識の弊害(3)

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知識の弊害


 
数年前、ベストセラーとなった養老孟司氏が書いた
『バカの壁』という本があります。
氏は、解剖学の権威であり大学教授ですから、
それこそ私など逆立ちしても追いつけない
優秀な学生に対して医学のことを教えています。

そんな日々の中で、とても「がっくり」することがあるそうです。、

養老氏は何にがっくりきたのでしょうか?

それは、こんなエピソードです。

***  

妊娠から、出産までを詳細に追った番組を学生にみせたところ、
女子は、将来的な自分の体験にひきつけて考えられるから、
「勉強になった、参考になった」という感想をもちます。
ところが、男子は「そんなの知っている。」
と情報を遮断してしまうそうです。
そして、こう安易に「知っている」という学生ほど、
すぐに「説明して下さい」とすぐ言うそうです。
  
***

このことに対して養老氏は、

そんな簡単に説明しろと言うけれど、
陣痛の痛みを口で説明できるか!
そんな口で説明したことで「わかった」と思われたら、
これはどこかおかしいんだ!

と、憤ります。
  
医学部に進むほどの学生さんですから、
砂漠が水を吸い込むように、
どんな「知識」でもどんどん吸収してしまうのでしょう。

ただ、知識はあるけれど、映像で見ただけで、
実際には妊婦の経験も、
間近で命の誕生の瞬間を見たこともない。

そんな学生ほどすぐに「説明して下さい」というのは、
自分が「わからない」ということが人一倍不安で、
その不安をすぐにでも解消したいがために、
「説明して下さい」と言うのかもしれません。

私は2度、出産に立ち合った経験があります。
養老氏が言うように口で説明できるものではないですね。

陽明学に『知行合一』という言葉があります。

 「知識と行動は、一体であるべし」

という意味です。

知識が行動に結びついた時、
知識という種は、その花を咲かせたことになる。

そんな気がします。


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