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日経記事;"(上)トヨタ,内装へ採用本格化安さ機能で用途拡大"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月17日付の日経新聞に、『(上)トヨタ、内装へ採用本格化 安さ・機能で用途拡大』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『原料に石油ではなく植物を使うバイオ素材の利用が広がってきた。環境対策につながるのに加え、機能やコスト競争力で石油化学製品を上回る素材の実用化が進み、技術を巡る覇権争いも激しさを増している。バイオが日本の素材をどう変えるのか。

石化と同等以上

「石油より植物が原料の素材を優先して採用します」。トヨタ自動車は部品メーカーへこう伝え始めた。自動車の省エネルギー技術の開発だけでなく素材でも生産時の二酸化炭素(CO2)排出を減らす。

バイオ素材は燃焼時に発生するCO2を植物の成長時に吸収した量と相殺するとみなせる。だが、環境対策だけで採用するほど甘くはない。トヨタの採用基準は「コスト競争力と品質が従来素材と同等以上」だ。

ハイブリッド車「SAI(サイ)」のシートに使う植物原料のポリエチレンテレフタレート(PET)は、トヨタと豊田通商が開発した。石油原料と比べても耐摩耗性や表面の滑らかさはほぼ同じ。インド内陸部の化学会社から植物原料を調達、コストを同等にした。

「部品、素材企業と協力して植物原料の比率を増やしたい」とトヨタの材料担当者。SAIはシートや天井など内装表面積の80%に植物原料素材を採用。今後はほかの車への採用も本格化する。

石油化学製品は原油を精製してつくったナフサを高温で分解し、化学反応させて樹脂やゴムに加工する。

バイオ素材は植物から糖を取り出し発酵させて生産するのが基本。分子構造の違いなどで機能に差が出る。1990年代半ばころから容器などに使われ始めたが、自動車など工業用品向けとしては機能が十分でないうえ割高で普及しなかった。

トウモロコシなど食糧が主原料のため世界の食糧需給に価格が左右され、安定調達に課題があった。

表面が滑らか

最近、木材など非食用植物の活用へ向けた開発が進み、量産してコストを下げられる見通しが強まり、石化製品より高機能なバイオ素材も出てきた。

表面につやがあり、滑らか――。東レが味の素と共同開発した植物原料のナイロンは石油原料と強度や耐熱性は同等で、蒸れにくさを示す吸放湿性は2倍。東レは着心地のよい素材としてストッキングや肌着などでの採用を目指す。

ユニチカが今夏、宇治事業所(京都府宇治市)で建設したのが、ゴマの一種からつくるひまし油を原料に樹脂を生産する設備。石油原料とコストは同等で、耐熱性が高く変形しにくい。

自動車の燃料チューブや電気製品のコネクター向けなどに販売する。細田雅弘技術開発企画室長は「顧客のニーズに応えられる製品」とシェア獲得に自信をみせる。2015年に年40億~50億円の売上高を目指す。

三菱化学は25年までに樹脂原料の2割を、三菱レイヨンはアクリル樹脂原料の半分をバイオにし、販売拡大につなげる。

低コストで高機能なバイオ素材の開発が進めば日本の自動車や電気製品などの競争力向上にもつながる。激しさを増す中国や韓国企業などとの競争に日本企業が勝つためのカギをバイオ素材が握る可能性もある。』

最近、国内素材大手が相次いで、植物を原料に使う合成樹脂や合成ゴムを量産することを発表しています。

発表記事によると、三菱化学は8月に専用の樹脂プラントを立ち上げ、2025年に原料の2割を植物にするとのこと。

クラレも植物由来のゴム生産設備を来年にも稼働させ、植物を原料に、硬い高機能な樹脂を作る技術などの開発が進んできたため、いち早く量産して自動車や電気製品向けの用途開拓を急ぐとしています。

三菱化学は植物に含まれる糖を原料にした透明樹脂を開発した。黒崎事業所(北九州市)で8月中に稼働する年産5000トンの設備で生産する。自動車部品や電気製品に使う高機能な樹脂に代わる素材として販売します。

クラレはサトウキビの糖を発酵させた原料からタイヤ添加剤の液状ゴムを生産します。鹿島事業所(茨城県神栖市)にある年産1万トンの既存設備を改造するなど本格生産への準備を進めるとしています。

バイオ素材は植物から糖を取り出し発酵させて生産するのが基本で、分子構造の違いなどで機能に差が出ます。

国内各社は、それぞれに研究開発を進めた結果、品質、機能、仕様、価格のなどの面で、石油を使わない素材の実用化を実現しました。

本日の記事は、トヨタが車載用と、シートなどにバイオ素材を使う方針であることを伝えています。

自動車メーカーが、バイオ素材を本格的に使用することは、当該素材が石油を使う素材に比べて、全ての面で優れていることを証明しています。

今後、他の自動車メーカーもバイオ素材の使用量や使用用途を増やしていくとみており、国内のバイオ素材生産量は大きく増加することが見込まれます。

石油は高値安定になっており、日本は石油依存度の削減をあらゆる面で加速させる必要があります。現在の貿易収支が赤字になっている要因の一つが石油輸入金額の高さです。

また、石油は政治リスクが高い国が輸出しているため、国内経済の安定化のためにも石油依存度の引き下げは重要な意味を持ちます。

国内素材メーカーは、米国やブラジル企業のように食用のトウモロコシなどの植物をバイオ素材に使いませんので、食糧問題とは無関係に当該素材の生産量を増やせます。

同日付の日経記事に、『東芝は、中国に偏在するレアアースであるジスプロシウムを使わないモーター用磁石を開発したと発表した。豪州や米国に豊富にあるサマリウムを主体としており、一般的に利用されている強力なネオジム磁石と同等の磁力を実現した。電気自動車や産業機器向けの用途として、2012年度末までに販売を始める計画だ。』とあります。

レアアースも石油と同じように特定の国、中国に偏在して存在しており、供給量や価格が政治・社会情勢により、常に不安定な状況にあります。

国内素材・機械メーカーが、レアアースを使わない代替素材でモーター用磁石を開発・供給することは大いに意味があります。

廉価で安定した品質のバイオ素材やレアアース代替素材を開発・供給が、国内製造業の強化につながります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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