床暖房とは - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

鈴木 克彦
株式会社マクス 代表取締役
建築家

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対象:住宅設計・構造

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床暖房とは

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住宅に関する最新情報 床暖房
床暖房は、最近は住宅の設備としてかなり定着しましたので、言葉自体はご存じの方も多いはず。

でも、床暖房の理屈や種類、メリット・デメリットまで理解した上で採用するか否かを決定している方は、意外と少ないのではないかと思います。

そこで、シリーズで床暖房について書いてみようと思います。

第一回目は、「床暖房とは何か?」を書いてみましょう。

ではまず、学校で習ったことをちょっと思い出してみましょう。


温度、つまり「熱」は、移動します。

熱い湯飲みに触って、熱っ、と感じるのは、湯飲みの熱が指先に移動するからです。

この熱の移動には「伝導」「対流」「輻射」という三つの違った移動形態があります。
上記の湯飲みは、触れている物同士間を直接熱が伝わる「伝導」です。

これに対し、高温の物質自身が低温の場所に移動して熱を伝えるのを「対流」と言います。
何も難しいことではなく、温風が暖かいと感じるのはこの対流に依ります。

そして「輻射」は、ある物体が電磁波を出し、別の物体が吸収することによって熱が移動します。
この方法だと、二つの物体のあいだに媒介する物質がなく、真空であったとしても熱を伝えることができるので、地球と太陽の間が宇宙空間でも、お日様を暖かいと感じることが出来ます。

難しくなりますが、物理の教科書風に書くと、あらゆる物体は、その温度に応じた振動数の電磁波を放出していて、物体の温度が高くなるにつれて、大きく強い振動数の電磁波となります(高温に熱した物体が光るのはこのため)。

床暖房は、この「輻射」による熱、つまり「輻射熱」を使って「暖かさ」を感じる暖房です。

要は、床じゃなくても良い訳で、壁でも天井でも、そこから輻射熱で暖まる、と言うのが床暖房のメカニズムです。

いきなり難しかったですが、写真のように、思わず「ふにゃぁ〜」となってしまう快適さのある暖房です。