日経記事;"富士ゼロックス,ベトナムに新工場 90億円を投資"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"富士ゼロックス,ベトナムに新工場 90億円を投資"考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月16日付の日経新聞に、『富士ゼロックス、ベトナムに新工場 90億円を投資』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『富士ゼロックスはベトナムに複合機と業務用プリンターの新工場を設立する。2013年11月に稼働させる。新興国市場で需要が急増するA4判対応の小型機を生産する。

15年までに年産能力を200万台にする計画で総投資額は約90億円の見込み。中国に2工場を持つが人件費高騰や災害などに対するリスク分散が必要とみて、ベトナムを小型機の新たな輸出拠点とする。

新工場はベトナム北部のハイフォン市に建設する。敷地面積17万平方メートルで、建屋の延べ床面積は4万6000平方メートル。約700人の従業員を雇用する。初年度は年産70万台で始め、2年かけて同200万台規模まで増強する。同社の海外新工場の建設は1995年以来18年ぶりとなる。

富士ゼロックスは現在、中国・上海市と深セン市で、米ゼロックス向けを含め複合機・プリンターの全生産量の約9割を製造する。中国の2工場の生産能力は非公表だが、ベトナムの新工場は同社の中国全体の生産能力に匹敵する規模になるとみられる。

多機能の複合機が主流の先進国市場と異なり、新興国では低価格の小型複合機やプリンターの需要の伸びが著しい。大企業向けを得意としていた富士ゼロックスも、新興国モデルの開発を強化している。ただ、中国での増産余力はほぼ限界に達しており、新工場建設で大幅な増産体制を整える。

ベトナムは、ほかの東南アジア諸国とつながる交通インフラの整備が進んでいる。一部の協力企業が進出するなど部材調達網も整っているという。

新工場では東南アジアや、米ゼロックスが営業を担当するインド、ロシア向けにA4判小型機を中心に生産する。発光ダイオード(LED)印刷ヘッドなど一部基幹部品も内製する。A3判対応の主力機の生産も視野に入れる。

事務機大手では、キヤノンがベトナム・ハノイ市の工業団地で02年からプリンター工場を稼働。13年にはフィリピンにもプリンターの新工場を稼働させる計画だ。

リコーも09年にタイ工場を稼働させて全世界にプリンターを供給するなど、中国一極集中を避けながら、海外での生産能力を増やす動きが広がっている。

富士ゼロックスは今秋にも、高価なデジタル商用印刷機の一部機種を中国生産から国内に移管する。最上位機種の生産や生産技術の開発を国内で強化する一方、海外は量産拠点と位置付けて役割分担を進めている。』


国内企業の海外生産展開については、本ブログ・コラムで何回か取り上げています。最近は多くの中小企業も海外生産を計画・実行していますので、幾つかの海外展開を支援してきましたし、現在も支援しています。

大手企業の海外展開に関する動きは、中小企業にとって有効な参考情報となります。一時期、海外生産というと、中国が主役になってきました。

現在、多くの製造企業が中国への一極集中を見直しています。要因は、人件費の高騰と一人っ子政策の影響による労働力確保の困難さです。

特に労働集約型の産業は、この影響を大きく受けています。代表例は、衣料・アパレル産業です。衣料製品は、一時期「Made in China」であふれていました。

現在、多くの衣料・アパレルメーカーが生産拠点の分散化を図っています。生産移管先は、ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーなどの新・新興国です。何れも、人件費が安く労働力が豊富です。

本日の日経記事によると、三陽商会は8月から、ミャンマーで生産を開始。オンワード樫山はベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の生産比率を高める、とのこと。

加えて、事務機器製品でも同じような動きが表れ始めました。本日の記事にある、プリンター機器に関するものです。

富士ゼロックスはベトナムに複合機と業務用プリンターの新工場を設立するとのこと。A4版対応
プリンターの需要は、パソコンの普及と共に高まっています。

新興国では、A4版サイズしか印刷できませんが、低価格でかつ、単純な機能・性能が求められています。

新興国に適した価格と性能をもつ製品を提供する基本に基づいた対応です。これらの製品は、今まで中国で生産し、新興国に輸出していましたが、衣料産業と同様の要因で、生産拠点を中国から新・新興国に移します。

先進国のプリンター市場は飽和しており、各事務機企業は、新興国向けの新規需要開拓に力を注ぐことを加速しています。

現地の要求にあった価格・仕様・機能を持ったプリンターを、現地か近いところで生産するやり方です。

現在、自動車産業がこのやり方では先行しています。中国内の労働環境変化により、生産拠点を新・新興国に移す必要が出ましたが、新興国向市場を開拓する観点からは、市場に近いところで生産するやり方は合理的です。

中国1国への集中リスクも軽減できます。

事務機企業では、生産のやり方を多様化しています。キャノンの場合、国内に自動化された工場を作って、高性能製品について価格競争力のあるものを生産・供給しようとしています。

富士ゼロックスも、今秋にも、高価なデジタル商用印刷機の一部機種を中国生産から国内に移管する。最上位機種の生産や生産技術の開発を国内で強化するとのこと。

同時に、キャノンや富士ゼロックスは、低価格の量産品を新・新興国で生産するやり方を取り、製品によって作る国を選んでいます。言わば適材適所のやり方を取っています。

今後、このような生産拠点分散化のやり方は、他の電機製品などに広がる可能性があります。

中小企業は、上記大手のやり方を研究して、自社の生産拠点の海外展開を考えることが大事です。
決して短絡的に決めて実行しないことがポイントです。

各国の社会情勢、政治リスク、経済状態、電気・通信・道路などの社会インフラなどの要因も考慮して、2~3年の期間での事業計画を作成することが重要です。

事業計画を考え・作ると、今までみえなかった部分が判るようになり、実行するときのリスク低減と実現可能性の向上につながります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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