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日経記事;『丸紅、穀物軸に「総花」脱す』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月14日付の日経新聞に、『丸紅、穀物軸に「総花」脱す 米ガビロン買収 大口需要家つかむ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『米穀物商社ガビロン(ネブラスカ州)買収を決めた丸紅が、世界の食糧市場で存在感を高めている。新興国の食品会社などから新規取引の打診が相次ぐ。石油ガスなどの資源権益で高収益をあげる総合商社の中で「5番手」に甘んじてきた丸紅。広く浅く投資する総花的経営を脱し、世界トップクラスの事業をテコに5位脱却を目指す。

ガビロンは米に145カ所の穀物集荷拠点を持つ(ネブラスカ州)。

「丸紅から穀物の調達を始めたい」。タイの飼料・農業大手のチャロン・ポカパン(CP)グループをはじめ各地の穀物の大口需要家が、丸紅に接触してきている。その数は名の知れた企業だけで7、8社。

中国企業は肥料原料に欠かせないカリやリン鉱石の共同開発を持ちかけてきた。ガビロンは肥料事業でも米国内に59カ所の混合設備やターミナルを持つ。丸紅の全額出資子会社、米ヘレナケミカル(テネシー州)は米国で肥料販売2位。丸紅と組めば川上の原料権益の争奪戦で優位に立てるとみているのだ。

ガビロンが米国内に持つ穀物の集荷拠点は145カ所で、直接農家から集荷する能力は年3800万トン。丸紅は約800万トンしかなかった集荷能力を、ガビロン買収で5倍以上に高めることができる。穀物貿易量では年3300万トンと世界の1割を超す計算だ。このパワーが新たな商圏を引き寄せつつある。

穀物商社、コンチネンタルライス(東京・杉並)の茅野信行代表は「寡占が進む穀物商社業界で、ガビロンほどの集荷能力を持つ企業の買収案件は二度と出てこないだろう」と指摘する。

株式の過半を保有する米ファンドのオスプレイが、ガビロン株を売却するという噂が出始めたのは2011年夏ごろ。いち早く動いたのが丸紅だ。若林哲食糧部門長とガビロンのグレゴリー・ヘックマン最高経営責任者(CEO)とは穀物トレーダー時代から旧知の仲。「一緒になって穀物業界の首位を目指そう」と呼びかけた。

丸紅は中国食糧備蓄管理総公司(シノグレイン)の傘下企業などと提携。合弁で中国に15カ所程度の飼料工場を数年内に建設する計画を進めている。大豆の輸入国となった中国に、有力な販路を築く丸紅はガビロンにとっても魅力だった。

丸紅は年内にガビロンの全株式を約36億ドル(約2880億円)で取得する予定。24人からなる「ガビロンプロジェクト準備チーム」が毎日午前10時に集まり、買収完了に向けた課題を一つ一つつぶしている。大和証券の五百旗頭治郎シニアアナリストは「買収資金を捻出するため、丸紅は12年度中に2000億円以上の現金を用意しなければならない」と指摘する。。。

丸紅の食料部門の売上高は約2兆円で、ガビロンの売上高は178億ドル。買収により収益面では13年度以降、純利益を年200億円以上押し上げる効果を見込む。13年3月期の丸紅の純利益予想(2000億円)の1割に相当する。

12年3月期の純利益をみると首位の三菱商事(4538億円)や三井物産(4345億円)には及ばないが、伊藤忠商事(3005億円)や住友商事(2507億円)の背中はみえてくる。

朝田照男社長は「他の商社にはない強い事業をさらに伸ばし、丸紅の牙城を作りあげる」と話す。ガビロン買収は「日本の商社が世界大手として勝負する初のケース」(岡田大介常務)。

食糧以外では商社として海外で実績トップの電力事業や、水道や淡水化など水ビジネスなどでも世界のメジャー入りを狙うという。柿木真澄・電力インフラ部門長は「事業資産を積み増し、5年後には部門の純利益を倍増させたい」と意気込む。』


私は、主に中小製造企業やITベンダーの経営支援を行っていますので、通常、これらの業界に関係する企業などの動きを中心にみています。

丸紅は商社ですが、大手といえども、専門化して当該事業領域でナンバーワンにならないと勝ち組に入れないと考え、行動する企業の事例として取り上げます。

国内大手商社は、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事及び丸紅を指しています。丸紅は、通常、売上でも純利益でも記事にありますように5位となっています。

三菱と三井は、資源関係に強みを持っています。両社ともこの事業を強化するため、海外企業のM&Aを行ってきました。

丸紅は、資源分野は大手2社に比べると弱く、売上や純利益の面で劣っています。

丸紅は、今回、米穀物商社ガビロンを買収し、穀物の事業分野を強化する事業展開を決断しました。資源では、三菱や三井に勝てなくても、穀物を強みにして、売上及び収益の拡大を行う計画です。

穀物市場は、米国のカ―ギルとアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドが、2大メジャーとして存在しており、ガビロンはその後に続いています。

米国は、穀物の生産量が多いため、米国の専門商社が世界市場をコントロールしています。今後も、食糧需要の拡大が続いていきますので、穀物市場は成長を続けます。

丸紅は、この点に着目し、穀物を自社の専門領域として強化するやり方を選びました。穀物業界では、上記大手専門商社を含めて寡占化が進んでいますので、他の国内商社が穀物事業強化のためM&Aを行うことは難しいとのこと。

従来、国内商社は、ラーメンからミサイルまで何でも扱い、手数料を幅広く取って収益を上げてきました。

世界市場が変化する中で、三菱や三井は資源分野を強化してそこをてこに収益を上げています。丸紅は、穀物分野で大手商社入りを目指します。

大手商社も得意事業分野を強化して、世界市場で勝ち組になる必要が出てきたことを意味しています。

丸紅の場合、穀物以外の分野では、電力事業や、水道や淡水化など水ビジネスなどでも、世界のメジャー入りを狙うとのこと。

深化した専門分野を幾つか持って、全体の収益力を上げるやり方です。大手製造業では、日立や東芝が同じように、環境、エネルギー、社会インフラなど専門化した事業分野を確立して、収益力を高めようとしています。

大手が総合企業では収益を上げられず、上記のように専門化した事業分野強化に動いています。

中小企業の場合も、中堅や大手企業が入ってこない市場で、自社の強みを最大化して差別化・差異化ができる専門分野を確立することが、非常に重要なことです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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