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日経記事;"燃料電池車,市販へ秒読み巨額投資分担へ陣営作り"考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月9日付の日経新聞に、『(上)燃料電池車、市販へ秒読み 巨額投資分担へ陣営作り』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『環境問題やエネルギー価格の上昇を背景に次世代のエコカーを巡る開発競争が激しさを増している。ハイブリッド車や電気自動車に加え、ディーゼル車など「第3のエコカー」も登場。

有害物質を全く排出しない燃料電池車の開発も最終段階にさしかかっている。競争を制するのはどのメーカーか。勝者の条件を探る。

「またトヨタか」

「またしてもトヨタ自動車か」。燃料電池車開発に長く携わってきた米ゼネラル・モーターズ(GM)幹部はこう漏らした。トヨタは6月、独BMWと燃料電池車を含む次世代環境車開発で広範な提携関係を結んだ。これに伴い、BMWはGMと進めていた提携交渉を打ち切ると表明した。

 二酸化炭素(CO2)を出さないことから「究極のエコカー」といわれる燃料電池車。この分野ではトヨタ、GM以外にホンダや独ダイムラーが技術開発で先行している。

だが、4社の投資額はいずれも「累計で1000億円を超えている」(独ローランド・ベルガーの長島聡シニアパートナー)とされ、投資負担の大きさが課題だった。

例えばGMは負担を軽減するため、トヨタに対しても提携を持ちかけたことがある。財務基盤が強固なトヨタも当初はGM以外にダイムラーと共同開発を協議した時期があった。

ただ、リーマン・ショックを境に燃料電池車を巡る動きは一時、停滞する。GMが経営破綻する一方、技術的にも行き詰まり感を強めていたその他の米欧勢も開発コストの安いガソリン車や電気自動車に力を入れようとする傾向を強めた。

一方で、「主導権争いやライバルとの腹の探り合いに労力を費やすより、単独で技術を確立する」と独自の道を歩む企業もあった。そのひとつがトヨタだ。

同社は専門の開発や生産技術部門を設け、動力源の燃料電池スタックや水素タンクも内製し、コストを減らした。

酸素と水素の化学反応を促す触媒である高額な白金の使用量も軽減し、2015年に世界で初めてセダンタイプを「500万円程度で売り出すメドをつけた」(トヨタ幹部)。

自前で燃料電池車の実用化技術を確立した上でのBMWとの提携。トヨタは今後も「規模の経済を追求するため、同業他社を自陣営に取り込む動きを強めそう」とローランドベルガーの長島氏は予測する。

日産も提携拡大

ライバルも手をこまぬいていない。日産・ルノー連合はダイムラーとの提携範囲を広げ、燃料電池車開発で合意した。ダイムラーの商用車から日産・ルノーの小型車までをカバーする開発体制を築くという。

ホンダはすでに08年に専用車を開発、日米でリース販売している。さいたま市では公用車として利用してもらい、使用状況に関する様々なデータを24時間遠隔収集し、トヨタと同じ15年に市販化する。

開発は最終段階にさしかかっている。伊東孝紳社長は「量産技術として安定させるには課題が残る」と話す。燃料電池スタックなどは製造コストがかさむうえ、さらなる改良が必要で開発費も巨額になる。

これまではハイブリッド車から電気自動車、ディーゼル車までを独自に開発してきた。「エコカー技術の裾野が広がり開発費の負担が大きい。いつまでも他社との協業に背を向けている時代ではないのでは」との声も社内には根強い。

エコカーの選択肢が増えれば消費者にとって恩恵は多い。その分、メーカーの投資負担は増える。限られた経営資源でどう対応するか。再編を含めた戦略の巧拙が各社に問われる。』


燃料電池車は、水素と酸素を化学反応させて電気をつくる燃料電池を動力源とする自動車のこと。
ガソリンに代わる燃料である水素は、環境にやさしく、さまざまな原料からつくることができるエネルギーで、次世代環境対応車の本命とされています。

普及には、コスト削減、小型・軽量化、燃料電池(FCスタック)の耐久性向上などの解決が必要です。

また、ガソリンスタンドと同じように、水素ステーションの普及も必要になります。

トヨタは、上記課題についてメドをつけつつあるようです。政府も大都市中心に、2015年までに水素ステーションを設置して、燃料電池車の普及を後押しします。

一部の報道記事では、燃料電池車の普及には水素ステーションの設置数増加や安全の確認、或いは、燃料電池車自体の安全性や信頼性にまだ疑問があるため、普及にはもっと時間をかけた方が良いとの意見も出されています。

しかし、トヨタやホンダは、燃料電池車の実用化に向けてメドをつけつつあることと、CO2排出量抑制の観点から、及び、石油への依存度低減から社会的ニーズは高いので、普及の基礎的な条件は整いつつあるとみます。

更に重要なことは、燃料電池車については国内企業が最先端の技術や製品を持ち続けることです。現在、燃料電池車の技術対応で進んでいますのは、トヨタ、ホンダ、ダイムラーと言われています。

トヨタやホンダの国内企業が、燃料電池車の開発で最先端を走っていることは大いに意義があります。

両社の燃料電池車が商品化されましたら、先ずは、大都市中心に事業展開して量産化や更なるコストダウンのノウハウを身に付けて世界市場に売り出す体制を整えられるようにすることが重要です。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、燃料電池車の開発や普及には、巨額の投資が必要になり、どの企業でも1社単独で事業展開することは難しい状況です。

トヨタは、独BMWと燃料電池車の共同開発を進めています。日産は、ダイムラーとの提携範囲を広げ、燃料電池車開発で合意しました。

ホンダだけは、いつものように1社単独で燃料電池車の開発・実用化を進めていますが。

燃料電池車で提携を進めていく時には、相手先と「Win/Win」関係を構築する必要があります。

この時に燃料電池車実用化の技術をどれだけ持っているかで、提携のイニシアチブを取れます。

相手先と「Win/Win」の関係を維持しながら、自社のアドバンテージをどこまで高められるか、微妙なかじ取りが必要です。

この観点から、燃料電池車に関するトヨタとBMWの提携に最も注目しています。両社がこの提携を利用して、自社事業の拡大や投資分散化にどう実現していくかがポイントです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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