- 中村 光亮
- 株式会社GMC 代表取締役
- 東京都
- ブランドコンサルタント
対象:ブランド戦略・ネーミング
前回、『各メーカーの太陽電池モジュール(パネル)の長期信頼性を鵜呑みにしない。』というお話をしました。
実は、現実問題として既に発生し、また近い将来様々な問題が起こるであろうリスクがパネルの耐久性の問題なんです。
各メーカーの担当者や販売店の営業マンは「うちは10年保証しますよ。」「うちは25年出力保証します。」と謳っておりますが、雑誌『PVeye 8月号』にひじょうに興味深い記事が掲載されておりました。
独PID試験に表れたシャープ、京セラの設計思想
太陽電池モジュールの長期信頼性が取り沙汰されるなか、今年6月、独フランホーファー研究機構が実施した耐PID(=Protential Induced Degradation)試験の結果がミュンヘンで開催された展示会場で公開された。検査対象の主要モジュールメーカー13社の製品うち、9製品に出力低下が発生したが、国内のシャープと京セラの製品には異常が認められなかった。…
雑誌『PVeye 8月号』より耐PID試験結果(画像参照)
注目は『耐PID試験の結果』のメーカー名を見てみて下さい。
何と、シャープ、京セラ、LG電子、Qセルズの4メーカー以外は全て出力が低下しているのです。
ほとんどが海外メーカーで占められております。
ちなみに一番右の相対出力10%以下は、某有名中国メーカーです。
産業用やメガソーラークラスになると、住宅用よりも高電圧の負荷がかかり、更に高効率化を進めたモジュールには様々な品質上の問題がある為、メーカーの設計方針や品質管理の問題が発生するのは必然であるという事らしいんですね。
一般的には製品上の問題や不具合が生じた場合、製造メーカーは保証期間内はもちろん、保証期間終了後も調査及びリコール等の具体的な行動と対応を行うというのが日本国内における一般常識になっているかと思います。また、顧客はメーカーに対してそれらの企業サービスを期待しますが、それはメーカーが企業として存続されている事が前提であり、某海外メーカーは契約書や保証書記載の約款を不履行にする可能性もゼロではありません。
産業用やメガソーラーの投資費用対効果のみがクローズアップされておりますが、安易なシミュレーションや見積で判断せず、中長期のデメリット、リスクも加味し、的確なアドバイスが出来る専門業者を選択すべきかと思います。
ブランドコンサルタント
中村 光亮
http://gmc.jpn.com//
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