Working Memory を訓練し知能を伸ばす

知的能力を伸ばすためのCognitive Training、目に見えて大きな成果が出ています。

アメリカ・カナダの科学者が注目している方法(N-Back)などで、Working Memoryを効率よく使えるようにする訓練です。　子供たちの能力がぐ～んと急カーブを描いて伸びています。

その私が使っている方法の一部が、本日届いた “Scientific American Mind” 最新号でも特集されているので、ますます興奮です。

Working Memory とは重要な情報を短期メモリーとして保存し、その新しい情報と以前に学習し脳に保存している情報とを合わせて問題解決する部分です。　そのWorking Memory から要らない情報を排除し、必要な情報だけに集中出来るようにする訓練がN-Backと呼ばれます。　

いわゆる筋肉トレーニングと同じ。　Working Memoryをいかに効果的に使えるようにするかの訓練です。

N-Back Training は日本の学校が大好きな丸暗記訓練ではありません。　丸暗記で、例えば２００の歴史上の事実と年代を覚えても、知的能力の向上にはまったくつながりません。　

N-Back Training は脳が論理的に問題解決出来る能力を伸ばすことにつながります。

ある実験では、２・３・４週間N-Back訓練をしたグループを比べました。　予想通り、長い期間続けたグループの効果の方が高かったそうです。　ただ、驚くべきことに２週間のグループにも大きな違いが現れました。　そして、短期・長期にかかわらず、参加した子供たちの知能テストスコアも大きく伸びたそうです。　その能力はその後なかりの間持続したとも報告されています。

ただし。

気をつけなければいけないことが２点あります。

１． この訓練ばかりをやっていると、脳が用心深くなりすぎる傾向があるそうです。　心理的に「この情報は必要かどうか」を十分把握するまでは、行動に移さなくなるなどのマイナス効果も指摘されています。　脳の他の部分の動きも抑制されてしまうかもしれません。

２． また、もちろん、効果には個人差も大きく存在します。　「これやると知能が伸びる！」と信じている子供の効果が大きかったなど。　その理由はまだ科学者も解明していません。　このプログラムをどう使うと効果的かも、個人差、年齢差、それまでの能力など、大きなvariable があり、まだ不明です。

そんな問題点を乗り越えるため、他の２つのCognitive Training を組み合わせ、アメリカの大学院からの情報も合わせたものが、今年私が主催しているCognitive Trainingです。

現在５日間終わった段階で、毎日参加した子供（１０歳～１８歳）にすでに変化が見えています。　能力の伸びる急カーブの右側が、まるで垂直に近い伸び方です。　すごい。

具体的な変化の様子は、プログラム終了後、数値にして紹介するつもりです。