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閲覧数順 2016年12月09日更新

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日経記事;"日本車,欧州提携縮小 いすゞ,エンジン開発打切り"考察

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皆様、
はようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月6日付の日経新聞に、『日本車、欧州の提携縮小 いすゞ、エンジン開発打ち切り 三菱自、電気自動車の供給停止 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本車メーカーが欧州のメーカーとの提携関係を縮小する。いすゞ自動車は独オペル向けのエンジン開発を打ち切る。

三菱自動車は仏プジョーシトロエングループ(PSA)への電気自動車(EV)の供給を一時停止し、マツダもPSAからのエンジン調達をやめる。

債務危機を背景にした欧州勢の販売不振で、日本メーカーの提携戦略に影響が出てきた。

日本車の欧州での販売シェアは低く、債務危機の直接の影響は限定的とみられる。環境技術など将来を見据えた先端分野では引き続き日欧で協力関係を広げる方向。

だが、欧州の新車販売は昨秋から前年割れが続いており、部品や完成車供給といった足元の状況に影響されやすい分野を中心に関係を見直す。こうした動きは自動車以外にも広がる可能性がある。

いすゞは現在、米ゼネラル・モーターズ(GM)とのポーランドの合弁会社で、GM傘下のオペル向けの乗用車用ディーゼルエンジンを生産している。

2011年には約20万基を製造したが、欧州市場の低迷を受け次期型エンジンの開発は打ち切る方針だ。

ポーランドの合弁会社については約4割の出資を引き揚げ撤退する方向でGMと調整している。欧州法人の人員も約1割削減する。

いすゞは06年にGMとの資本提携を解消したが、エンジンの合弁生産など一部の協業は続けていた。資本面を含む新たな提携に向けた交渉を進めており、商用車を中心に関係再構築を目指す。

三菱自動車はPSAへのEV「アイ・ミーブ」のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を停止している。PSAの販売不振を受けた措置で、供給契約の期間はまだ残っているものの、供給を再開できるかは不透明な状況だ。

欧州向けの一部車種に搭載してきたPSAのディーゼルエンジンの調達はやめる。ロシアでの合弁生産などは継続する。

マツダはPSAからの小型ディーゼルエンジンの調達を打ち切る。欧州で販売する「マツダ3(日本名アクセラ)」など3車種にPSA製のエンジンを搭載してきたが、新モデルの発売にあわせ自社開発の小型エンジンに置き換える。

債務危機の影響で独BMWや仏ルノーは1~6月期の最終損益が減益となり、PSAは赤字を計上した。PSAが7月にパリ郊外の工場を閉鎖するなど、各社は経営戦略の見直しに動いている。

ただトヨタ自動車とBMWが燃料電池車やハイブリッド車など幅広い分野で技術提携するなど、先端分野の協業は今後も拡大する見通し。三菱自動車もPSAとのEVの共同開発などは継続する方針だ。』

今回の記事は、欧州自動車企業が、欧州の債務問題から起こった市場の低迷から販売不振に陥っているため、短期的な提携内容の微調整を行うと理解しています。

提携は、両者が「Win/Win」関係が成り立って、双方共にハッピーとなる仕組みとなります。
提携には、短期的なものと中・長期的なものに大別できます。

短期的な提携は、例えば、販売や製造の委託など、日常的な業務に関するものが主体になります。エンジンなどの主要部品の製造委託や供給なども含まれます。

基本的には、自社のインフラでカバー出来ない、或いは、不足している部分を相手先の協力を得て補うやり方です。当然、相手先にも売上増などのメリットがなければ協力関係は成立しません。

従って、短期的な提携は、経済環境や市場環境の影響を直接的に受けやすくなります。いすゞが独オペル社向けのエンジン開発を中止したり、三菱自が仏PSAへのEVの供給を中断することは、当然のごとく発生します。

提携は、通常、契約を結んで行います。短期的な提携に関する契約では、途中で提携が終了したり、或いは、変更になることを事前に想定し、双方が問題なくことにあたれるようにしておくことが重要です。

提携終了や変更時にもめるのは、お金に係ること、ノウハウ・特許の扱い、機密情報の扱いなどが多くを占めます。

上記事項をカバーした契約内容を事前に双方で合意しておくことで、提携解消や変更をスムーズに行えます。

事業環境の変化で、提携関係を終了、或いは、変更することは、決してけんか別れではありません。将来の関係再構築もあり得ますので、円満に処理することが極めて重要です。


中・長期的な提携は、通常、3~5年くらいの期間で考えられ、成立します。従いまして、短期的な経済環境や市場環境の変化に影響を受けません。

中・長期的な提携は、慎重に判断・熟慮して決めます。一旦提携が成立したら、短期的な事業環境変化にぶれずに、一貫した姿勢で維持することが基本です。

今回の記事では、独BMWは欧州市場の低迷で、今年1~6月期の最終損益が減益となりますが、燃料電池車やハイブリッド車などに関するトヨタとの提携は維持します。

BMWにとって、燃料電池車やハイブリッド車は、短期的な事業ではなく、将来の欧州市場や、米国・日本市場を考えた場合、主力車種としてもっている必要のある自動車であるためです。

勿論、BMWが事業継続出来なくなれば、提携は解消されます。しかし、現在のBMWにとってそのような可能性はほとんどありません。仏ルノーも同じです。

しかし、中・長期的な提携を行っている間に、想定外の事態も起こる可能性があり、その時には終了、或いは、内容を変更することになります。

この時に備えて、短期的な提携関係とは視点を変えた形で、中・長期的な提携の終了、若しくは、変更条項を契約の中に入れておきます。

この条項は、明確にしておくことが重要です。あいまいな部分があると、後でトラブルになります。

これらのことは、株式会社エヌピー通信社 が発行しています、 オーナー社長向け財務・税務専門新聞『納税通信』にて、6回(2012年5月28日号から2012年7月2日まで)の連載記事『他社とのアライアンスで売上拡大!新規事業立ち上げの実現施策とポイント』に書いてあります。

本ブログ・コラムの契約や連携のカテゴリー内の記事にも要点を書いてきました。

ご関心のある方は、お読みください。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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