日経記事;"富士通・ドコモ・NEC、スマホ半導体で新会社"考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;"富士通・ドコモ・NEC、スマホ半導体で新会社"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月1日付の日経新聞に、『富士通・ドコモ・NEC、スマホ半導体で新会社 高速通信向け安定調達』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 富士通とNTTドコモ、NECはスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの中核半導体を開発・販売する新会社を1日に共同で設立する。

同半導体は米クアルコムが市場の大半を握っており、スマホの急速な普及で品薄となっている。

富士通などは新会社を通じて安定調達を急ぐとともに高速通信技術の開発を進め、国内外の端末メーカーへの外販を目指す。

富士通が単独で設立する予定だった「アクセスネットワークテクノロジ」(川崎市)にドコモとNECが出資する。資本金は1億円で富士通が50%超を出資。ドコモとNECはそれぞれ20%弱を出資する。残り10%弱は半導体生産を手掛ける富士通セミコンダクター(横浜市)が引き受ける。

新会社が手がけるのはスマホの無線や信号を制御する通信制御用半導体。製造は外部に委託する。新会社は高速携帯電話サービスのLTE向けの新製品を開発するほか、次世代高速サービス向けの研究も進める。

同半導体は米クアルコムが世界最大手で特にスマホ向けでは7~8割と高いシェアを占めるという。スマホの世界的な需要増に生産が追いつかず世界の端末メーカーの発売延期が相次ぐ要因になっている。クアルコムへの依存度を下げ安定調達につなげるほか、半導体開発の自由度を高める。

同半導体開発では昨年12月にドコモ、富士通、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズの国内4社が韓国サムスン電子と合弁会社を設立する計画を公表。端末最大手のサムスンへの半導体供給を目指したが、特許公開を巡り同社と折り合いが付かず、今年4月に破談した。

今回の新会社は国内メーカーのほか半導体の調達難に陥っている中国メーカーなどにも売り込みを目指すが、量産効果をどこまで高められるかが課題となりそうだ。』

記事によると、通信制御用半導体は、 携帯電話端末の頭脳となる半導体とされています。無線や信号を制御するベースバンドチップが中核になる。最近では画像処理などの操作を担うアプリケーションチップを混載するケースもあるとのこと。

米クアルコムは現行の第3世代携帯電話の基礎技術を保有し高いシェアを持っています。国内スマホメーカーの多くがクアルコム製半導体を採用しています。現時点では、クアルコムが世界シェアの30%を持っており、スマホ半導体の勝ち組です。

富士通が中心となって設立する新会社;会社名「アクセスネットワークテクノロジ」は、スマホ半導体の開発に特化し、製造は外部委託します。台湾メーカーなどと推測します。

クアルコム製の半導体は、例えば、今夏にドコモが販売する16機種のスマホのうち14機種が搭載する、のように多くのスマホに使われています。

アクセスネットワークテクノロジ開発のスマホ半導体が、国内外のスマホメーカーに採用されるためには、価格、機能、性能、供給力の全ての面でクアルコム製品より優れている必要があります。

国内半導体は、今まで何度か集中と選択を行ってきました。しかし、現時点まではどの国内半導体メーカーも世界市場での勝ち組になっていません。

一つの要因は、特定仕様・機能に合致し、競争力のある半導体を開発・製造出来なかったことによります。専門的に深化した技術度合いや価格が中途半端であったためです。

中途半端な集中と選択は、半導体や家電業界で多くの失敗事例を出していますので、同じ過ちを起こさないように、差別化・差異化を徹底することがポイントとなります。迅速な意思決定力も必要になるでしょう。

クアルコムのように、スマホ用途の通信制御半導体分野で勝ち組になることが、アクセスネットワークテクノロジ存続の必要条件です。

技術的に優位性を持ち、且つ、価格競争力を持って世界市場で高いシェアを取れるようにならないと、事業の維持強化が難しいことは、多くの失敗事例が語っています。

国内市場を向かず、常に世界市場を向いて貪欲に戦う集団である必要があります。

アクセスネットワークテクノロジの事業展開や新半導体の青写真がまだ公開されていませんので、上記必要条件を満たした内容での会社運営になるかどうか判断できません。

新会社でスマホ半導体の新規事業を行う以上、中途半端ではなくクアルコムを打ち負かすやり方たでの事業展開を期待します。

この観点から、富士通が主体となって動き出す、アクセスネットワークテクノロジの今後の経営計画、事業計画、開発ロードマップと意思決定・行動力に注目していきます。

スマホの市場が急拡大している間に、足場を確保・強化することがアクセスネットワークテクノロジにとって極めて大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

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