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日経記事;"エコカー用電池の先端部材、日米中で量産"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月31日付の日経新聞に、『エコカー用電池の先端部材、日米中で量産 クレハ・伊藤忠出資 革新機構軸に日本勢結集へ』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『クレハ、クラレと伊藤忠商事は官民ファンドの産業革新機構と組み、電気自動車(EV)などの充電時間を半減できるリチウムイオン電池の先端部材を量産する。

日米中に新工場を建設し、将来は日本の関連素材メーカーに広く参画を呼びかける。エコカーやその素材は日本勢が先行したが、円高などで中韓勢の追い上げが激しい。

官民で先端素材技術を結集し、主導権の維持を狙う。

クレハや革新機構などが共同会社を通じて生産するのは、EVやハイブリッド車(HV)のリチウムイオン電池に使う負極材と呼ぶ主要部材。新工場の建設のために約200億円の増資を実施し、うち革新機構が100億円を出す。革新機構は50%弱を出資する最大株主となる。

クレハなどは植物由来の素材を炭にして負極材に使う技術を確立した。プラグインハイブリッド(PHV)車などでは充電時間を理論上半分にできるほか、電池の耐久性が3割向上するという。

まず2014年をめどに国内で量産を開始し、その後、北米や中国などに工場を建設する。新技術を使った電池は日産自動車やホンダのEVやHVなどに採用される見通しだ。

革新機構などは新型の負極材生産に加え、リチウムイオン電池の生産に必要な他の主力部材で高い世界シェアを持つ日本の素材メーカーに参加を呼び掛ける。17年までに各社の技術を持ち寄って基幹部品を共同開発する構想で、一部のメーカーとはすでに交渉に入った。

エコカー用電池はHVなどで先行した日本車向けの供給でパナソニックなど日本勢が世界で先行した。それに伴って主要部材メーカーも日本に集積していた。

ただ、長引く円高などを受けて日本勢の競争力にかげりが見えており、韓国LG電子や独ボッシュなどが海外のエコカー向け電池で攻勢をかけている。部材でも調査会社によると直近の世界シェアで日本勢が初めて5割を下回ったという。

革新機構は日本の産業構造の変革や次世代産業の育成を目的に09年に設立した官民による投資ファンド。代表的な投資は日立製作所、東芝、ソニーの中小型パネル事業を統合したジャパンディスプレイへの2000億円の拠出がある。』

リチウムイオン電池は、記事にありますようにソニーが世界で初めて量産に成功しましたた。エネルギーをためる効率が高く、充放電を繰り返せる蓄電池として、携帯電話やパソコン向けに普及が進みました。

その後、その高性能さと量産効果による低コスト化で、EVに本格的に採用され、高性能電池の代表格となっています。

リチウムイオン電池は、現在発展途上にある技術です。車載用途のリチウムイオン電池は、201111月に米運輸省が行った側面衝突実験で、ボルトのLG製電池が発火したことがありました。このように、まだまだ安全、性能、コストの観点からの改善の余地は大きいものがあります。

従って、リチウムイオン電池をEV及び、家庭やオフィスなどで使うには、更なる技術改良とコストダウンを継続的に行う必要があります。

HVに関して言いますと、HV用途には今までニッケル水素電池が多く搭載されてきました。価格がリチウムイオン電池に比べて安いためです。

しかし、PHVの登場で、事態は変わり、エネルギー密度が大きいリチウムイオン電池が使われるようになりました。今まで主にEV向けに使われてきたリチウムイオン電池が、PHVを含めた次世代環境対応車の主要電池になりました。

矢野経済研究所によると、車載用リチウムイオン電池の世界市場は10年度の約334億円から、15年度には約28倍の9520億円へ拡大すると予測しています。

リチウムイオン電池は、スマホ、タブレット型パソコン、ノートパソコンなどの電子機器から車載用途、家庭・オフイス用途などの多様なところで使われますので、今後、一気に市場拡大が進みます。

リチウムイオン電池は、社会活動のインフラの一つになります。日本は、環境・エネルギー分野で世界ナンバーワンになることを目指しています。リチウムイオン電池は、この分野の事業化で主要な役割を果たします。

環境・エネルギー分野を新規事業の柱にするためには、リチウムイオン電池の競争力の維持・強化が必要不可欠になります。

このことが、政府が中心となって、産業革新機構の仕組みを活用したEVやPHV用途の次世代リチウムイオン電池の開発・製造体制の確立に向けた動きになったとみます。

基本的にオールジャパン体制で、技術及びコストの両面で圧倒的な優位性を保つやり方です。

現在、国内企業が優位性を保っているポイントは、当該電池を構成する正・負極材や電解液などの主要部材に関して、多くの化学・部材・部品メーカーが国内に存在していることです。

現在のリチウムイオン電池には、レアアースが使われており、中国などの輸出規制強化などに対応するため、代替部材の開発と実用化も急ぐ必要があります。

また、国内には、トヨタ、日産、ホンダ、三菱自などのHV、PHV及びEVを扱って世界中で売っている主要自動車メーカーが存在しています。

最終顧客の声(VOC)を聞きながら、最先端の技術を使って低コスト化したリチウムイオン電池の開発・設計・量産化が可能になります。

高密度化や安全技術の自己変革を行っていけば、伸長している韓国や中国メーカーに差別化・差異化を図っていくことが可能になります。

環境対応車の視点でみますと、当面、トヨタやホンダが得意なPHVの需要が急速に伸びていきますので、この大型市場に対応したリチウムイオン電池の供給をてこに、大きなブレークスルーを起こすことが可能になります。

産業革新機構を核に、多くの関連企業が集結して次世代、或いは、次次世代のリチウムイオン電池の開発と量産化を行って、国内産業のすそ野の拡大と、深化の実現を大いに期待します。

リチウムイオンを中心とする電池技術は、国内経済を維持強化する上で非常に重要なものです。オールジャパン体制で技術流出を防ぎながら、国内関連企業・産業の底上げを図っていくことが大事です。

今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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