日経記事;"パナソニック、人工光合成を植物並み高効率に"考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;"パナソニック、人工光合成を植物並み高効率に"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月29日付の日経新聞に、『パナソニック、人工光合成を植物並み高効率に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは植物とほぼ同等の効率で人工的に光合成する技術を開発した。太陽電池に似たシステムを使い、太陽光と水と二酸化炭素(CO2)から有機物を生成。

2015年には自動車の燃料としても使うエタノールの合成で実用化を目指す。研究成果は30日に米ロサンゼルスで開かれる国際会議で発表する。

人工光合成は植物と同様に太陽光で水とCO2からエタノールなどの有機物をつくる技術。今回、太陽光と水、CO2を反応させるシステムにLED(発光ダイオード)などの半導体に使う窒化ガリウムと独自の金属触媒を採用した。

光合成で生成する有機物の変換効率を従来技術の5倍に高めた。植物並みを達成したのは同社が世界初。

今後は太陽光パネルに似た形状の触媒を使った人工光合成システムを試作し、実証実験を始める。15年度には人工光合成で生成したエタノールを燃料にした発電システムの実用化を目指し、並行して商業ベースに乗せるため部材の改良などコスト削減を進める。

人工光合成はCO2削減と資源問題の両面から有効な技術で、日米などで国家的な研究プロジェクトを開始。10年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大学特別教授も文部科学省のプロジェクトに参加している。

太陽光エネルギーの活用法としては、太陽電池が実用化され普及段階を迎えているが、蓄えには電池が必要だ。エタノールなど燃料の形にできれば貯蔵や輸送がしやすくなる利点がある。』


人工光合成は、自然界で日常的に行われている植物の光合成と全く同じ仕組みです。自然界での光合成は、水・二酸化炭素と、太陽光などの光エネルギーから化学エネルギーとして炭水化物などを合成しています。

これと同じことを行うのが、人工光合成です。この基本的な仕組みは、2011年4月に大阪市立大学の研究チームが、植物での光合成の基となるタンパク質複合体の構造を解明したことで生まれました。

同大学は、同じ構造を持つ触媒により、2020年までに二酸化炭素と水からメタノール燃料の製造を行う構想を打ち出していました。

その後、2011年9月に、トヨタが世界で初めて、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成に成功させました。特殊な光触媒を用いることで、犠牲薬を添加することなく擬似太陽光での有機物の生成を可能にしたとのこと。

2011年9月20日付の日経新聞には、『トヨタ自動車グループの豊田中央研究所(愛知県長久手町)は、太陽光、水、二酸化炭素(CO2)のみを原料に、人工光合成を実現する技術を開発したと発表した。特殊な光や薬品を加えて人工的に光合成させる技術はあったが、添加物を使わない方法は世界で初めてという。アルコールなど産業界に有用な有機物を合成できるような技術の開発を目指す。。。」と報じられています。

今回、パナソニックは植物とほぼ同等の効率で人工的に光合成する技術を開発したとしています。これが事実なら、人工光合成の実用化に大きく貢献します。

記事によると、パナソニックは、太陽光と水、CO2を反応させるシステムにLED(発光ダイオード)などの半導体に使う窒化ガリウムと独自の金属触媒を採用したとのこと。

従来より、人工光合成は、反応効率の高い触媒の開発が課題となっていました。パナソニックはその課題にメドをつけたことになります。

技術的な仕組みは、太陽電池に似たシステムですので、パナソニックは基本的な対応技術を持っています、

エタノール燃料を作れるとされており、2015年度には実用化を目指しています。技術的なメドはたったとのことですので、残る課題は事業化のためのコスト削減です。

適正で低コストの部材の確保がポイントです。国内企業が得意な分野ですので、15年までに実用化は実現できるとみます。

パナソニックは、蓄電池を含む家庭用エネルギー分野を新規事業の柱の一つにしています。ここに、人工光合成によるエタノール燃料事業が立ち上がれば、大きな収益源になります。

天然資源のない日本にとって、人工光合成から作るエタノールや藻から作るバイオ燃料は夢の技術であり、事業化されれば国内の燃料自給量が拡大に改善します。

藻から作るバイオ燃料に関しては、6月19日付の日経新聞に、『藻からジェット燃料 IHI、技術力に活路 ボイラー技術に磨きも』のタイトルで記事が掲載されました。
 
『藻からジェット機などに使われる燃料を生産する――。こんなバイオ燃料をIHIが作ろうとしている。4月に就任した斎藤保社長が取り組む、ものづくり革新活動を象徴するプロジェクトの1つだ。

原子力発電設備や化学プラント機器などの工場があるIHI横浜工場(横浜市)。研究開発棟の一室では十数個の水槽が置かれ、白衣の社員が黙々と実験を続ける。培養しているのは油を作り出す特殊な藻で、近く大量培養に向けた試験を本格化する。。。』とされています。


人工光合成から作るエタノールや藻から作るバイオ燃料は、CO2削減に貢献しながら、石油や石炭などの化石燃料に一方的に頼らないエネルギー供給体制の構築が可能になります。

トヨタも人工光合成からエタノールを作る技術開発を行っています。今後、パナソニックとトヨタなどの関連企業が、お互いに切磋琢磨しながら、或いは、連携しながら、オールジャパン体制で実用的な人工光合成によるエタノール製造技術の早期実現に大いに期待します。

技術流出を防ぎながら、世界の環境対策と新規エネルギー資源の確保に貢献しつつ、国内の大きな新規事業の一つになるように持っていくことが大事です。

人工光合成に関しては、今後のパナソニックやトヨタなどの関連企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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